酒豪・婆さん・初魔法
◇月の雫 PM23:50
「かなり飲んだなー、ここまで飲んだの久々だな」
打ち上げと称した、俺の勧誘会・・・
カンロとキキだけじゃなく何故かエイクさんにイバンさん
他にもギルド職員の方など総勢10名からの
冒険者をメインにならない理由を何回も聞かれ
イバンさんには兵士になれと絡まれ
最後は俺と飲み比べで勝ったら勧誘出来る流れになり
余裕で勝ちました!
エイクさんとイバンさんも中々だったけど
「もう、寝よ」
◇月の雫 AM10:20
『コンコンコン』
「マモルさん、大丈夫ですか?」
「ん〜、アンちゃん?はい、今開けます」
「マモルさん大丈夫ですか?起きてこられないので心配になって」
「あ、ごめん、昨日エイクさんやイバンさんとかと飲み比べしちゃってね、久々にこんな時間まで寝ちゃったよ」
「え?あのお二人と飲み比べされたんですか?それは災難でしたね、二日酔いですよね?」
「災難か、確かに強かったね、まぁ俺の勝ちだったけど、あと二日酔いにはなってないね」
「・・・・・勝ったんですか!?」
なんかめっちゃ驚いてる
「酒の強さには自信あるからね」
「マモルさん凄いですよ!あのお二人ですよ!!たぶんマモルさんすぐに有名になっちゃいますよ!」
テンション高めのアンちゃんも可愛いな〜
「大袈裟だよ、たかが飲み比べくらいで」
「むぅ信じてないですね、心配してるのに〜」
わざとらしく怒る姿も可愛い!
「ごめんごめん、それより遅いけど朝ごはんまだ大丈夫かな?」
「あ、そうでした!朝ごはんどうするか聞きに来たんでした!今からでも大丈夫ですよ」
「ありがとう、いただくよ」
◇同時刻 冒険者ギルド
「がぁ〜頭が割れる、こんなに気持ち悪いのは久しぶりだ」
「昨日、私途中から記憶無いんですけど、結局勝ったのは支部長とイバン様どちらだったんですか?」
「あ?勝ったのはサトウだよ、あいつピンピンしてやがったぞ!最後なんて俺もイバンもフラフラだったのによ、しかも全員を介抱して、代金も全部あいつが払って先に帰りやがった」
「え?サトウさん化け物ですか?支部長とイバン様が負けた?これは、一大事ですね」
「そうだな、なんかあったらフォローしとくか、それにしても二日酔いとかいつ以来だよ、死ぬ、マジで死ぬ」
兵士の詰所でも同じような会話が有ったとか無かったとか
◇月の雫 AM11:40
「よし、じゃあ行ってくるね」
「お気をつけて!いってらっしゃい!」
◇魔石屋THE・golden AM11:55
ザ・ゴールデンねぇ
本家はザ・ゴ〇ルドか?
本家が金でこっちは金メッキとは
シンプルだけど中々面白い
「いらっしゃい、ん?あんた初めてだね?」
魔女っぽい老婆か
うん、一見怪しい
なんか独特の威圧感?があるな
「そうですね、よく初めてとわかりましたね」
「客商売は記憶力が肝心だからね、今まで来た大概の客は覚えてるよ、それで今日は買い取りかい?それとも必要な素材でも探しに来たのかい?」
ただ記憶力が良いレベルじゃないな
「凄いですね、私はサトウと言います、今日は魔水晶を探しに伺ったんですが在りますでしょうか?」
「あんた礼儀正しいね、私は店主のクルムだよ、魔水晶ならいくつか在るから見るかい?」
「是非、お願いします」
「ちょっと待ってな」
「はい」
「よいしょっと、今在るのは大魔水晶が1、中魔水晶が3、小魔水晶が7だね」
「一応、小魔水晶を買いたいんですが、それぞれ値段を伺っても?」
「そうだね、大魔水晶なら10,000,000G、中魔水晶なら6,000,000G、小魔水晶なら2,000,000Gだね、どうだい高いだろ?買えるかい?」
何だか試したような視線だな
「そうですね、確かに高いですが、うーん、小魔水晶2つ買うので3,000,000Gになりませんか?」
「バカ言っちゃいけないよ!いきなり1,000,000Gも値引き出来る訳無いだろ!せいぜい3,900,000Gだよ」
「そこは初来店割引で3,500,000Gで」
「うちにそんな割引は無いよ、だけどあんた面白いね、こんな魔女みたいな老婆に強気の値引き交渉とは、普通気味悪がって相手にしないもんさ、わかった特別に初来店割引であんたの言い値で良いよ!ただし使い道を教えな!」
確かに不気味だけど
俺の婆ちゃんに似てるんだよな〜
それが良かったのか強気にいけたし
割引もすんなり通って良かったかな
「とある魔道具を作るのに必要だったので」
「ほぅ、あんた魔道具職人なのかい?」
「いや、ちょっとした趣味で」
「趣味で魔道具作れる道楽者がいたとはね!面白いねぇ、完成したら見せとくれよ」
「大した物じゃないですけどね、完成したらお見せしますよ」
「そうかい、楽しみだね、それじゃあ、支払いしな」
「はい」
『にゃおーん』
「え?3,000,000?」
「言い値って言っただろ?、特別だよ」
くえない婆ちゃんだな
「ありがとうございます」
あとは支柱か
◇月の雫裏庭 PM13:00
「マモルさん裏庭で何をやるんですか?」
「土魔法を試してみようかと」
「凄い!魔法使えるんですか!?」
「土魔法だけね、必要がなかったから使ったこと無かったけど。アンちゃんは魔法使えないの?」
「どうなんでしょうか?ずっと家業を手伝っているので、魔法を試したり学ぶ機会が無かったので」
「なるほど、因みにカードでステータス見ても表示は無いの?」
「そうですね、魔力は一応B-なんですけどね」
え?普通に優秀じゃん!
「それなら学べば魔法使えるかもね、一緒に練習してみる?」
「良いんですか?邪魔になるかもしれないですし・・・」
「全然良いよ!俺も初心者だし」
何より癒されるし
「ありがとうございます!」
「とりあえず魔法はイメージが大切らしいよ、まず体に流れる魔力を使うイメージをして、あとは何をどうしたいのかをイメージする、らしいよ」
完全にアニメとかの受け売りだけど
「何をどうしたい?ですか?」
「例えば水をイメージして、それを手から出したいイメージをすると、え?」
『チョロチョロ』
水出たんですけどー?
「え?マモルさん水魔法も使えるんですか?」
「いや、ステータスでは土魔法だけだったんだけどな」
使おうと思えば魔法は使える?
でも、なんで土魔法だけ表示されてたんだ?
「私もやってみますね!まず水をイメージ、私の魔力を川の流れるイメージで放出、ん〜水出ろ〜〜〜」
一生懸命なところも可愛い!
けど、駄目かな?
「あ!ちょっと出ました!」
「おー!凄いね!」
ポタポタと数滴地面に落ちてる
「やりました!ふぅ、魔法って疲れますね」
たぶん魔力の扱いに無駄が多いんだろうな
「繰り返し練習すれば使いこなせるかもね、それじゃあ土魔法試すかな」
まずはイメージ
高さ150cmくらいの支柱
太さは直径15cmくらい
魔法名はこれかな
「《soil・create》」
『ボコッ、ズズズズズズ』
成功だな水よりすんなりいったかたも
因みに魔法名はearthだと
なんか大袈裟な感じがする気がしてsoilにしてみた
「凄い!凄いです!マモルさん!」
やっぱり可愛い!
「そうだね、もう一度《soil・create》」
さっきよりスムーズに発動出来た気がする
強度的に問題は無さそう
あ、支柱なら木でも良かったかな?
まぁ、今更か
とりあえず鞄にしまってと
「魔法鞄ですか!?私初めて見ました!!マモルさん色々凄いですね!」
「そ、そうかな?」
なんか年甲斐もなく照れちゃったよ
恥ずかしっ
あとは部屋に戻って『アレ』を作るかな