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売り込み

◇イケダコストケ AM07:25

「おはようございます!」


「おはようございます、サトウさん素晴らしい挨拶ですね」


「挨拶は仕事への気持ちの切り替えの意味があると思っているので、極力元気に行うようにしてるんですよ」


「なるほど、良いですね、それにしても早い出勤ですね、初日だからですか?」


「いえ、今日はウルスさんに見せたい物があって早目に来たんですけど、お時間大丈夫でしょうか?」


「朝のミーティングまでなら大丈夫ですよ、それで見せたい物とはなんでしょうか?」


「万引き対策の魔道具なんですけど、もし既に類似の商品が有るようなら指摘して下さい」

アンちゃん情報では類似品は無いはず


「ほぅ、万引き対策の魔道具ですか、そのような物は私も知りませんので是非見せていただきたいですね!」

やっぱりか!食い付きも良い!


「それじゃあ、出しますね」

支柱2本(それぞれ魔石1つ埋め込み)

魔水晶

粘着糸と魔石の粉末を混ぜたシール

これでよし


「ん?柱に魔水晶と丸く切った紙?ですか?これが万引き対策になるんですか?」


「これだけ見ても分からないと思うので実演しますね、まずこの支柱を店舗の出口に設置します。とりあえず今は事務室の扉を店舗の出口に見立てて設置しますね、次にこのシールを商品貼ります」


「しーる?ですか?」

あーそうか

こっちにはシールが無いのか


「シールはですね、裏面が粘着質になっていて貼り付けることが出来るんですよ、こんな感じに」

とりあえず事務室の花瓶に貼ってみるか


「おー!なるほど!糊が着いた状態なんですね!これはこれで何かに使えそうですね!で、これはどんな意味が?」

流石、商魂逞しいな


「この花瓶を会計前の商品だと思って下さい、で、これを持ったまま支柱の間を通り抜けると・・・」

『ぴーーーー』


「おぉ!?音が鳴って支柱の魔石と魔水晶が光った!?え?サトウさん!これはいったい?」


「この支柱はさっきのシールを検知すると音が出て光るように設定してあります、ついでに魔水晶も光るようにしました、これで商品を外に持ち出すのを感知し、いままで確認出来なかった万引き犯を捕まえられる訳です」


「凄い!凄いです!あ、でもこれだと会計後の商品はどうするんですか?」


「それは、この魔水晶にシール部分をかざすと・・・こんな感じに勝手に剥がれるようになってます、会計用の魔水晶の横に置けば一連の流れで処理が出来る訳です」


「・・・・・・素晴らしい!これは何と言う魔道具なのですか!?是非店に導入したいですね!価格はいかほどに?」


「これは《防犯ゲート》と言います、材料や作成費込みで単純な売却なら1セットで3,000,000Gですね」

作成コストはかかってないけどね


「3,000,000Gですか、年間の被害額を考えるなら安いですね、気になるのは『単純な売却』とはどういった意味でしょうか?」


「流石ウルスさん気づきました。実は色々販売方法を考えているんですよ、まずは・・・・」

説明した内容はこんな感じ

・単純売却:文字通り売って終わり保証なし

・売却保証有り:プラス300,000Gで5年保証、初年度は無料修理、次年度以降は年数で修理料金を適用、ただし保証対象は自然故障に限る

・レンタル:五年契約で頭金500,000Gプラス月額50,000Gで提供、修理は無料、解約時は防犯ゲートは回収。途中解約は違約金500,000G、無料修理は自然故障のみ、故意若しくは契約者の過失による故障は対象外及び弁償、また毎月の支払いはカードからの自動引き落としのみ


「私は単純に驚いています!サトウさん貴方には商人の才能がある!このような販売形態を思い付くなんて!!」


「買い被り過ぎですよ」

向こうでの販売形態を真似ただけだし

五年後に俺がいるかも分かんないし

若干詐欺臭いかもな

まぁ後任は育てるつもりだけど


「これは、魔道具の販売に革命がおきますよ!いままでは一定の収入がある高所得者のみしか手に入らなかった魔道具を、レンタル契約なら敷居を下げられます!しかも支払いをカードのみとすることで集金の手間や持ち逃げされても代金は引かれ続ける訳ですから、不利益を被らない!それに長い目で見ればレンタルの方が利益が出る!本当に素晴らしい!」


「確かにレンタルなら今まで手に入らなかった客層まで手を伸ばせますが、契約をしっかりと守らせる方法と、貸し出す魔道具には偽装されない刻印等が必要になります」


「それについては問題無いかと、高額な商品の取引等では契約魔法を使い不利益が生じないようにするのが当たり前ですし、魔道具の偽装防止の刻印も最近で作成者を分かるように積極的に使われています、支払いに関しても家賃を引き落としでやることもありますから可能ですね」

契約魔法があるのか

刻印に支払い方法も解決したな


「それなら思ったより早く、説明した販売形態が実現出来ますね」


「そうです!ちなみにこの販売形態は私共の商会でも取り入れさせていただいても良いでしょうか?」


「全然構いませんよ」

真似ただけだし


「ありがとうございます!次回の定例会で本部に報告をさせていただきます!勿論謝礼も用意しますので!」

◇この販売形態が後々、マモル式と呼ばれ商業界に衝撃をもたらす


「わかりました、謝礼楽しみにしておきます」


「それでサトウさん、防犯ゲートの購入ですが保証の手厚いレンタルとも迷いましたが保証有りの売却でお願いします、サトウさんも最初は費用が必要でしょうから」

流石にわかってらっしゃる

レンタルは契約が増えてこそ意味があるかなら


「助かります、お客様第一号のウルスさんはお礼も込めて無料保証を2年としましょう」


「いやはや、こちらにも気遣いをいただいたようで、ちなみに防犯ゲートをさっそく運用したいのですが、アドバイスはありますでしょうか?」


「そうですね、シールは使いきりなので入れ替わりの早い食品には不向きですね、あと明らかに大型で持ち運べない物には不要かと、向いている商品は万引き率が高かったアルコールですね、他にも鞄やポケット等に隠しやすく尚且つ高価な物にはシールを貼るべきかと思います」


「なるほど、入口と出口は分けるべきですよね?」


「そうですね、ただ入る時は商品を持っている訳では無いので、無理に分ける必要はないかと」


「それなら小型の店舗でも大丈夫ですね、あとシールを追加で購入する場合は、価格はいかほどに?」


「シールは初回百枚を無料でお渡しし、次回から百枚5,000G、五百枚20,000G、千枚35,000Gで考えています、安定して増産が出来れば価格は下げる予定ですが」


「ふむ、当店の商品数を考えると千枚を10セット追加で用意をお願いします、とりあえずは初回の百枚で目ぼしい商品に着けてみましょうか」


「それなら初回五百枚にしておきますよ」


「おぉ!助かります、少々サービスし過ぎでは?」


「ウルスさんとは良いビジネスパートナーとなりたいですからね」


「わかりました、私もそう思いますし、今後共よろしくお願いします」


初回の売り込みは成功かな

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