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プロローグ
「はぁ……はぁ……はぁ……!!」
荒れ狂う火の海の中、少女はただひたすら走る。
振り向いては駄目だ。振り向いたらきっと足が動かなくなる。
約束したんだ。絶対に生き延びるって。だから!!
「う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」
ただ足を動かす事だけに集中した。それ以外のことは一切考えない。
自分を生かしてくれた母の為に。絶対に死んでは駄目だ。
「あっ!?」
急な段差に躓き、足が止まってしまう。立たなきゃ。そう思っても中々立てない。
このまま止まってたらお母さんのいる所に行けるのかな?
目から零れた涙が頬を伝った瞬間、
『止まるな!!走れ!!絶対に振り返っちゃダメよ……』
「!!」
母に言われた言葉が急に頭によぎる。
「そうだ……生きなきゃ。生きる……絶対に生き延びてみせる!!」
少女は涙を振り払うって立ち上がる。
「お母さんの為に!!」
そして少女はまた走り始めた……