表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トウホク・ウォーズ  作者: saba缶
プロローグ
1/1

はやぶさ19号

心機一転頑張ります。

突然だが、トウホクについて思い浮かべて欲しい。

東北じゃなくて「トウホク」。


そんなのカタカナとひらがなの違いだろ、と思った人。


違うんだな、これが。東北とトウホクは同じであり、違うものだ。

余計に意味がわからなくなったことだろう。



まあ、まだ意味がわからなくても構わん。この先を読み進めればきっと、わかるだろう。




ああ、最後に一つ、くれぐれもこの事を誰かに話さないようにな。話したとしても責任はとれねえよ。


前置きはこの辺までにしといて…と。じゃあ、またどこかでな…














「まもなく21番線ホームより11時20分発はやぶさ19号仙台行き発車いたします。ご乗車の方はお急ぎください。」

独特の符丁のアナウンスが終わり、けたたましい発車ベルが鳴り響く。

空気の音を立て、ドアが喧騒のホームから車内を断絶した。



そして、はやぶさ19号仙台行きは定刻通りに東京駅21番線ホームを抜けた。



発車してすぐに6号車のドアが開き、中からスーツを着た青年が出てくる。


「えっと…4番のA席は…と、あ、こっちか…」


狼狽えながら席を探す青年。着ているスーツは少しシワができている。

ようやく席を見つけると、ドサッと座り込んだ。


机を出し、コンビニの袋を置く。中からビール(190円)とコンビニ弁当(220円)を出し、広げる。

そして、ビールのプルトップに人差し指をかけた時、腹に振動が伝わる。スマホにメールが来たらしい。

チッと低く舌打ちをしてスマホを起動する。


「送り主: 石田

用件: 助けてくれ


この前の失敗した取引の責任が俺に回って来たんだ。

やれって言ったのは部長だぞ、俺は悪くないのにさっきから俺にばっか怒鳴ってる。

このままだとヤバいから助けてくれ!」


石田、入社2年目の新人社員だ。一応俺の部下になるが、はっきり言って使えない。

書類を無くす、時間を間違える、仕事は超がつくほど適当、そのくせ給料上げろと俺の目の前で堂々とほざきやがる。あの石田ならしょうがない、まあ頑張れと心の中で(皮肉を込めた)エールを送る。


折角の休暇なのに初っ端から気分が悪い。プルトップを開け、ビールを一気に飲み干す。

冷えていたビールは少しだけぬるくなっていた。



「次は大宮、大宮です。」

窓の外に少しだけ目をやる。まだ外は都心の風景だ。コンビニ弁当をそっと袋に戻し、

俺は目を閉じた。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ