両手に花
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今週も何とか更新できて良かった……!
「あ、シンヤ。お帰りなさい」
朧城の前に降り立つと、ノルが出迎えてくれた。
小走りで近付いて来たかと思うと、俺の胸に飛び込んで来る。
優しく受け止めて強く抱き締めた。
腕の中にすっぽりと嵌まるフィット感といい、ふわふわと香る甘い香りといい、ノルの全てが俺を癒してくれる。
隣のファナがジト目になっているが、気にしない。
「表情が硬いけど、何かあったの」
「ノルは察しがいいな」
「ふふ。いつもシンヤの事、見てるから」
少し頬を染めてはにかみ笑うノルの仕草に、ドキッと心が跳ね上がるのを感じた。
やっぱりノルはかわいい。
その一挙一動に、何度恋したことか。数えていたらキリがない程だ。
「俺も。いつ見てもノルはかわいいよ」
「……照れる」
「ほら、そういう所」
「……ん」
恥ずかしさも限界なのか、ノルは頬だけでなく耳まで真っ赤に染めている。それでも、伏せ目がちになりながらキスをせがんでくる辺りがノルらしい。
もちろん遠慮なくいただく。
控え目に突きだされた桜色の唇を奪い、時折離れては啄みを繰り返し、ゆっくり咀嚼するように味わう。
「……私は先に戻るわよ。フロストさんへの説明は頼んだわ」
頭痛を諌めるようにこめかみを押さえ、ファナがため息を吐く。
帰って早々こんなバカップルみたいな事をしていれば、呆れられても無理はないか。
「それで、何があったの」
「アルトイラが別の勇者と繋がっていた事が分かった。しかもドラゴン狩りのスペシャリストだ」
「成る程……フロストが危ない」
俺の首に手を回したまま、ノルが思案顔になる。
真剣な話をしているのだが、俺もノルの腰を抱いたままなので締まらない雰囲気になっていた。
今も抱き締める腕にを込めるだけでノルは頬を染めてかわいい反応を返してくれる。
「まずはフロストを呼ばないと。それから、ソルとエルにも報告したほうがいい」
「そうだな。アルトイラにはノルの情報もあるから、今回は素早く動かないと」
「うん……でも、もう少しこのまま」
ノルが俺の胸に顔を埋めて甘えてくる。
さらさらの髪を梳くように撫でつつ、最高に幸せな気分に浸る。
こんなにも積極的なノルを見るのは初めてだ。
「シンヤ、妾はここにおるぞ」
「フロストか! びっくりした……いつから居たんだ?」
「シンヤがノルとキスしていた辺りからじゃな」
「わりと最初からじゃないか……?」
楽しそうに笑いながら、フロストが俺の後ろから抱き付いてくる。
背中にフロストの豊満な身体が押し付けられ、その肉感的な感触に俺はビクリと身体を震わせた。
フロストは積極的過ぎて理性に毒だ。
「照れておるな、シンヤよ」
「そりゃあな……フロストは背が高いから、ノルとはまた違った感じでドキドキするんだよ」
「嬉しい事を言うのじゃ……ならば、ほれ」
あごをクイッと横に向けさせられた俺は、そのままフロストにもキスされた。
フロストの唇は少し冷たく、キスをしているともっと温めたいと思ってしまう。
例によってフロストは、中々俺を放してくれない。
「……これ以上は、ダメ」
「あぁ、残念じゃ……」
見かねたノルに引き離された。
若干頬を膨らませて、嫉妬しているノルもかわいい。
フロストはまだまだ続ける気でいたようで、瞳を潤ませて心底残念そうな顔をしている。
「シンヤ、フロストに説明」
「そうだった。まあ聞いたかも知れないが、次の敵は恐らく、ドラゴン狩りの勇者になる」
「知っておるよ。リ家じゃろ? 妾達ドラゴンの宿敵でもある」
「そうだ。二人の事がアルトイラから情報が漏れている可能性がある。フロストはもちろん、ノルも危ないから今後は俺の側を離れるなよ?」
俺の言葉を聞いたノルとフロストの纏う空気が変わった。
戦闘的というか、緊張しているというか、何なら少し魔力が漏れているような気もする。
……急にどうしたんだ?
「ふふ。ずっと一緒に居れるのは、嬉しいかも」
「本当にいいのじゃな? おはようからお休みまで離れないぞ?」
ノルの目が怪しく光っている。フロストは興奮しているのか表情がヤバい。
普段冷静なはずの二人が、今日はどうしたと言うんだ?
「お、おう……流石に風呂とかは勘弁だぞ?」
「「ダメ(じゃ)!」」
「えぇ……流石に理性を保つ自信がないぞ」
「理性など捨ててしまえばいいのじゃ。妾の身体も心も、全てはシンヤの思いどおりにじゃぞ?」
濃密な色香を漂わせ妖艶な微笑みを浮かべ、フロストは俺を誘惑するようにその大きな双丘を掬うように持ち上げた。
思わずゴクリと生唾を飲んでしまう。
「「……え?」」
「痴龍……」
「何を言うのじゃ、ノル!?」
「流石に、理性を捨てるのはちょっと……心の準備が」
ノルが両手で頬を押さえ、頬を染めてクネクネしている。
今日は珍しいものをよく見る日だ。
「いやいや、落ち着け何を言ってるんだ二人とも!? 俺は絶対にやらないからな? 基本的な話だぞ!」
「チキンじゃ……」
「ヘタレ……」
……あれ、何故だろう目から水が出てきた。
全ては勇者のせいだ。そう言うことにしておこう。
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