許し
今回は短いです。 閑話みたいな感じですね!
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転移でマリアナに帰って来た。
これまでに我慢してきた分を埋める様に、フロストは俺にべったりとくっついて離れない。
ノルに遭った瞬間に一触即発というのは避けたいし、出来れば一旦は離れてくれるといいのだが……
「フロスト、一旦離れないか? ほら、ノルとも話をしなければならないだろ?」
「嫌じゃ。断る。妾は人間の指図など受けぬ」
「いやいや、そこでそれを言うか?」
「ふっ、まんざらでもなさそうに頬を緩ませながら言われても説得力に欠けるのじゃ」
「クッ、この、少しだけなんだから潔く離れろ!」
「い~や~じゃ~! どうせノルに遭ったらシンヤはノルに取られるのじゃ!」
「一か月も会ってないんだぞ? 当然だろ!」
「急に開き直りおったな⁉」
因みに現在地は朧城の目の前である。
時間は昼を少しまわったくらいであり、人々の往来が一番激しくなる時間だ。
ギャーギャーと騒ぐ俺達に向けられる、周囲の視線が痛い。
そんな中、ちょいちょいと肩をつつかれて振り返ると、満面の笑みを浮かべたノルが、が、が……?
あまりの緊張に、全身から嫌な汗がどっと噴き出るのを感じる。
「おかえり、シンヤ」
「あ、ああ。ただいま、ノル。会いたかったよ」
「ふぅん。シンヤ、私に会いたかったの?」
「当たり前だろ……一か月も会えなかったんだぞ」
「フロストと、随分距離が短くなったね」
「ああ、まあ。これは、その……」
「その?」
相変わらずノルはニコニコと笑みを浮かべたままだったが、それが逆に怖い。
分かりやすく怒ってくれる方が何倍も気が楽なのに、微笑みながら耐え難い程のプレッシャーを放ってきている。
やはりノルには勝てない。
「その……フロストにも告白されたんだ。それで、色々考えたけど優劣がつかなかった。だから、ノルが許してくれるなら俺は二人とも幸せにしたい」
俺が言い切るとノルはいつもの無表情に戻り、「はぁ」とため息をついた。
「……最近そんな気はしてたけど、案外早かったね」
「まさか、予想してたのか?」
「シンヤを見てる時のフロストが、最近違ったから。何があったかは知らないけど、どうせフロストに押し切られたんでしょ?」
「まあ、確かに。ノルはその、いいのか?」
「フロストなら仕方ない。でも、節操なしは嫌。これ以上増やしたら……分かってるよね?」
親指を立て、首を切る仕草をするノルに、勢いよく頷き返す。
一瞬だけ放たれた殺気が全身に駆け巡り、一気に体温が奪われたように感じる。
「おお、流石ノルじゃ! その度量の広さに感謝するぞ!」
「感謝されても困る。シンヤは許したけど、フロストまで許した覚えはない」
「つれないことを言うではないぞ。同じ恋人同士、仲良くじゃぞ!」
「そんなの、知らない。シンヤが取られた気分。面白くない」
唇を尖らせて拗ねるノルを抱きしめてやると、さっきまで怒っていたのが噓のようにふにゃりと表情を崩して笑顔になった。
それに嫉妬したのか、フロストが俺の後ろから抱き着いてくる。
美女・美少女に挟まれて、かつてないほど気分が高揚してしまう。
「シンヤ様、お帰りに……失礼しました!!」
俺が帰った事を察してイルワが迎えに来たようだ。
状況的には名残惜しいが、いつまでもこうしている訳にもいかない。何より、「本物」の勇者を見た後では、より一層精力的に活動する必要がある。
「いや、いい。それで、そんなに慌ててどうした。何かあったのか?」
「はい。先程、上空より城内に侵入者が出まして。詳しく調査を行い、一組の男女を捕らえました。監視をつけて窓のない部屋にて待機させております」
「そうか。侵入者なのに待機とはどういうことだ?」
「それが……捕えた男が遠方の勇者だと名乗ったのです。神器らしきものも所持しており、間違いはないかと思われます。迂闊な態度が取れず、拘束もできない状態となっております」
「何ッ……勇者⁉」
その場の空気に、激震が走る。
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