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第二頁 いざ彼の地へ

 さて、夜を迎えて気付いたことがある。

 この体が特別なのか、この地が特別なのかは分からないが、睡眠欲がなく、食欲も低いことが分かった。

 勿論、寝れない訳じゃないし、食べれない訳でもない。

 しかし、生命維持に必要という訳ではなく、どちらかと言えば趣味嗜好の部類に入るといった感じだった。

 なので、小屋内でまったりと知識の整理をしながら過ごしていた。

 まず、理想郷から元の世界に物を持ち出すことはできない。

 船や家などの大きな物は勿論、武器や食料、薬品、宝石や鉱物といった小さな物も無理だ。

 では、何に武器や薬品を使うのか。

 それは、魔物を討伐するためだ。

 朝と夜の二回、魔物がここを襲ってくる。

 理想郷が発展すれば無くなるようだが、小屋しかない今は二回も襲ってくるようだ。

 朝は支援Lv1のバフ効果とサクラの戦闘能力の高さによって、倒しきれたが負担が大きい。

 朝の侵略では、1級が60個、2級が18個、3級が5個分魔物を討伐した。

 それにより300ME、360ME、250MEの計910MEを獲たことになる。

 しかし、味方ユニット創造は、何も変更せずとも30000ME。

 職業やスキル、性別や容姿を変更したら更にMEを消費することになる。

 少なくとも30日間は、サクラ一人に戦闘の負担を負わせることになってしまう。

 無駄遣いはせず、できるだけ早く味方ユニットを創造するべきだろう。

 それに、本格的に大陸を奪還するためには、元の世界に家や畑、研究施設に防衛設備などを作る必要があるので、戦闘ユニットだけではなく、建設ユニット、研究ユニット、防衛ユニット、農耕ユニットなどが必要になる。

 一つの部門毎に3人ずつ位は欲しいので、450000MEが最低でも必要だ。

 優先順位で言えば、戦闘、建設、農耕、防衛、研究。

 第一にサクラの負担を減らすべきだろう。

 戦闘の負担が減れば、安全にMEを稼ぐことができる。

 他にやるべきことと言えば、元の世界の偵察だろうか。

 敵情が分からないようでは、迂闊に手を出せないし、理想郷に引きこもっているしかなくなる。

 しかし、戦闘のできない僕が行っても大した成果はあげられない上に、サクラの負担が更に増えてしまう。

 ならば、戦闘のできるサクラを行かせれば、今度は理想郷の防衛ができず、死んでしまう。

 

 そんな風に悩んでいると、ポストにメッセージが届いた。

 

 ◇

 ☆異世界2日目 生存ボーナス☆

 生存おめでとうございます。

 1日目の生存を記念して、2000MEをプレゼント致します。

 ※生存ボーナスは午前四時に送られます。

 ◇

 

 ──2000MEを獲得しました。

 

 仮に毎日、2000ME貰えるのなら一日の収入は約4000MEになり、支出を除けば3000ME位。

 そうなれば、最短十日で二人目が創造できる。

 

 目処も立ったし、今日も一日頑張りますか。

 

 □□□

 

「おはよう、サクラ」

「おはようございます」

 

 サクラには何時来るか分からない襲撃に備えて、見回りをしてもらっていた。

 一声掛けてもらえば支援が掛けられる。

 襲撃のタイミングはランダムなので、眠る訳にもいかなかったので、睡眠欲がないというのは非常に助かった。

 等と、考えていると遠くから大勢の足音が響いてきた。

 

「噂をすればなんとやら……か。サクラ頼む」

「はっ!」

 

 サクラが抜剣し、僕は支援をかける。

 Lv1の支援では、大した効果は無いだろうが何もしないよりは断然良い。

 後僕にできることは、後方から戦場を見渡し敵の情報をサクラに伝えることだけ。

 戦闘について素人の僕が指示を出すのは不可能なので、せめてもの補助をしたい。

 ……まあ、邪魔になっているかもしれないが。

 

 現在攻めてきているのは、ゴブリン(1級)、アーチゴブリン等の武器持ちゴブリン(2級)、ゴブリンアーチャー等の職業持ちゴブリン(3級)だ。

 数は80余り。隊列は組まれておらず、陣は敷かれていない。

 この分だと分隊や伏兵はいないだろう。

 まあ、警戒はするんだけど。

 

「サクラ、右からゴブリンセイバー!」

「承知!」

 

 ゴブリンの突撃を知らせ、支援を再度かける。

 左右正面からバラバラに突進してくるゴブリンをサクラは体裁きと純粋な剣術のみで捌ききっている。

 とてもLv1の効果・能力とは思えない。

 80余りの大群も僅か数十分で壊滅していた。

 

「お疲れ様、サクラ」

「いえ、マスターの援護のおかげです」

 

 魔石を回収しながら、サクラに労いの言葉をかける。

 サクラは謙遜しているが、やや声が上ずっているので照れているのだろう。

 

「さて、変換してっと」

 

 集まったMEは1級40個の200МE、2級20個の400МE、3級10個の500МEの計1100МE。

 現在4210МEが手元にある。

 目標の約七分の一しかないが、逆に言えば、二日で七分の一も溜まったということだ。

 そのうち、一日で一人もしくは数日で強い人を一人創れるようになるかもしれない。

 

 ――――指揮官の職業Lvが2に上がりました。それにより、危険察知Lv1、地形把握Lv1を取得しました。

 

 っと、レベルが上がったみたいだな。

 危険察知と地形把握か。かなり便利そうなスキルだな。

 危険察知は今は分からないが、地形把握は何となく地面の凹凸やサクラが立っている位置までの距離が分かることから発動しているのが分かる。

 Lvが上がれば具体的な距離やより遠くの地形が把握できるのだろう。

 

「……楽しみだな」

「? どうしました? マスター」

「なんでもないよ。それより、一度元の世界を探索してみようか。今はやることがないし」

「そうですね。数時間では大した発見は期待できませんが、現れる魔物や生態系、気温が分かれば次回から対策できますしね」

「そうだね、じゃあ行こうか。【出征】」

 

 帰還の能力の派生スキル出征は、帰還を使った場所に戻るといスキルらしい。

 白い光に全身を包まれ、最初に見た蒼々とした山と草原。

 遠くの空には大空を翔る(ドラゴン)が見える。

 前回と違うのは隣にサクラが居るというところ。

 

「さて、拠点は作れないし辺りを探索しようか」

「了解しました」

 どうも。鈴蘭です。

 突然ですが、文中の数字は、漢数字に統一するべきでしょうか、それとも算用数字に統一するべきでしょうか?

 

 露骨なコメ稼ぎ失礼しました。

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