第3話❮思い出❯
今回はヒロインの過去編を短く書いてみました。
前回の少し謎になったところが明らかになるかも?
是非読んでみてください
ずっとずっと昔。
まだ由衣が3歳の頃。
生まれつき体が弱かった由衣は、よく入退院を繰り返していた。
まだ3歳だったためあまり当時の記憶は覚えていないが、唯一あるのは、部屋の同じだった女性だった。
いや、女性がというよりも、たまに来てたその女性の息子の方が正しい。
あまり病院内で自分と同い年くらいの子がいなくて、いつも大人の人と遊んでいた。
その女性と同じになってから来ていた少年は珍しいという感覚があった。
由衣自身、ずっと病院にいて同い年くらいの友達がいなかったため、彼に会えたことがとても嬉しかった。
少しずつ話すようになり、遊ぶようにもなった。
そしていつの日か彼のことを気になりだし、好意を抱くようになった。
しかし、もちろん別れもある。
ある日の朝、ふと部屋を見渡すと、こないだまで女性のいたスペースがベッドだけとなっていた。
その日以来彼に会うことはなくなった。
悲しさがこみ上げてきた記憶がある。
しばらくの月日がたち中学3年生、学校説明会で高校に来ていた時に1人の少年を見つけた。
運命だと思った。今まで、病院で出会ったあの男の子にしか恋心を抱いたことはない。
その男の子が目の前にいる。ひと目でわかる。
見た目は地味になっていたが、面影はしっかり残っている。
意を決して話しかけてみる。
「この学校受験するんですか?」
我ながらないなと思った質問だ。
同級生の人に上からそんなこと誰もが言われたくないはず。
彼は一瞬驚いたように止まり、笑顔で答える。
「そのつもりですよ。家からも近いし、偏差値もいい感じなので。」
そう優しく返されるとなんだか恥ずかしくなる。
言葉が出てこないと、彼から質問された。
「あなたもここを受験するんですか?」
中々痛いところを突いてきた。
この学校に興味がないわけではないが、偏差値を考えて候補を絞ってる段階なのでまだなんとも言えないのが現状なのだ。
ただ、さっきの言葉で由衣は答えを出していた。
「はい、もちろんです。お互い頑張りましょうね。」
こう言ってしまったらもう諦められない。
由衣の恋が再スタートした。
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高校2年なったある日、図書室で再び出会う。
照れ隠ししてしまい、逃げ出してしまったけど。
(私のばか!!)