vice-versa
「逆もまた真なりってかっこいいよね」
「ああ、確かに。でも日常では聞かないね」
「そう!そうなんだよ。だからこそどんなときに使うのか考えてみようよ」
「うん?なんかあるかな……」
「わくわく」
「あんたも考えなさいよ。そうねぇ……。こんなのはどう? 『男は女に夢を抱いている。逆もまた真なり』」
「んー。どうかな。別になんの期待もしてない人もいると思うけど」
「そういうのは大方高すぎる理想の裏返しよ。文句言う前にあんたも考えなさいよ」
「ふっふっふ。実はひとつ思い付いたのがあるよ」
「なに?」
「『昔々あるところにお祖父さんとお婆さんがいました。逆もまた真なり』」
「なるほど。お祖父さんとお婆さんあるところに歴史あり。ってか」
「そんなわけないでしょ! ボケたんだから突っ込んでよ」
「まあ、本来の使い方としては『一桁の素数は2,3,5,7である。逆もまた真なり』って感じなんだろうけど」
「必要充分条件ってやつだね。論理記号の」
「あんた、おバカキャラじゃなかったの……?」
「失礼な。インテリの私だからこそ思い付くぎゃくしんもあるんだから」
「変な省略しないの。わかりにくいでしょ。で、どんなのを思い付いたの?」
「『全国模試の会場はチェック柄が多い。逆もまた真なり』」
「意味わからないし! ただのあるあるじゃない!」
「そう! その突っ込みを待ってたんだよ!」
「うるせぇ!」
「ちょっと。言葉遣いは気を付けなさい。女子力が下がるよ」
「女子力ねぇ……。メディアの作り出した概念に踊らされるつもりはないわ」
「『メディア嫌いなやつは大体陰謀論者』」
「失礼だな! うちの両親に謝れ! 祖父母から脈々と伝わるメディア嫌いよ!」
「『お祖父さんとお婆さんあるところに歴史あり』」
「やかましいわ!」




