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WRECKTHERION(仮題)  作者: montana
87/149

再会の楔、愚者の轍

かつて我々はハイ・ロードの騎士だった。

我らが主のご意思に従い、ありとあらゆる人々を救済せんと尽力するのがその使命だったのだ。

しかし、大いなる玉座を守るべき騎士たちは、やがて小さな王の座に執着する愚者となり、その果てに自らが生んだ狂気にのまれてしまった。

……いや、俺とて使命を完遂してきたとはいうまい。

しかし、不完全ながらも二百年にわたって責務をまっとうしようと取り組んできたのだ。俺は違う、奴らのように堕落してはいない。

信じてくれクルセリア。しかし、お前にとってはどうでもよいことなのだろうな……。


                ◇


 ゾシアムの取り巻きは三人だった。だがヨデルはそのなかにいなかったように思う。しかしゾシアムを含んだ敵の気配は同じく四つ、ニューほどの気配断ちができる戦力がいるとも思えない、つまり一名離脱しヨデルが加わったか、やはり三人のなかにヨデルがいたのか……と、ワルドの気配が近づいてくるな。それにエリの鳥も辺りを飛んでいる。あまりこちらに近づいてこないのは、かえってこちらの位置を知らせてしまう愚を避けてのことだろう。

「レク、黒エリ嬢、無事であるな?」草むらよりワルドが現れた「ヨデル・アンチャールは私がやる、君たちは他を頼む」

「ひとりでかい? でも、奴はきっと凄腕……」

「ひとりだからこそ可能な戦法もある」

 そうか、ワルドがそういうのなら……。

「いっておくが」黒エリだ「私は殺す気でやるからな。結果がどうあれ恨むなよ」

「ああ……」

 わかっている、お前はそれでいい。戦いとしてはそれが正しい……。

「それでは、準備はいいかね?」

「あ、ああ……!」

「では、ゆくぞ!」

 取り巻きがいる状態でゾシアムを殺さず……なんて虫がよすぎる、倒すなら取り巻きの方からだ。

 しかし敵の能力は未知数、確かめるためにも、敵の気配を探知でき、予知も可能な俺が先陣を切るしかないだろうな!

「黒エリ、また電撃をくれ!」

「なに、二度目だぞ?」

「あの矢は怖い、先んじて敵をあぶりだすためにも、さらなる活性が必要だ!」

「了解……!」

 黒エリの手から放電っ……体に奔る!

 よぉおし、一段と活性したぜっ! この状態ならばゾシアムの矢も避けやすいことだろう!

 少し離れたところからワルドの声がする、どうにもヨデルと話をしているようだ、向こうは任せたぜ、ワルド……!

 よし、俺はこっちに集中、敵はどこだ? わりと薄いがゾシアムのものは確認できる、そして少し離れたところにわかりやすいのが二つ、ゾシアムはなかなかだが、他の二人は素人くさいな、バレバレだ。まずは……光線銃で牽制か!

 二人の間を狙って撃つと、ゾシアムのも含め気配が散った! そしてくるぞ、奴の矢だ! だがかわす必要はない、エリの鳥がうまい具合に弾くからな! その後の連射もない? 再度潜伏するつもりか、しかし取り巻きの方はやる気のようだ、二つのうち、一つの気配が近づいてくる……真っ向勝負とくるか!

 ……現れたな、木陰より全身を鎧……? のようなもので包んだ巨漢が現れる……! 灰色に近い白、見たところ金属っぽくはないな、筋肉を模した感じに隆起している。なるほどこいつは囮か、戦っている隙に俺を射抜く算段だろう。

「お前は? ゾシアムとどんな関係がある?」

「それはこちらの台詞だ! どこのカスどもだオイッ?」

 おっと、さっそくゾシアムの一撃がくる! エリの鳥を弾いてなお俺を射抜かんとするビジョン、先ほどのものよりさらに威力が高いとみた、先んじて屈む……! ビジョンの通りエリの鳥が弾き飛ばされ、頭上を矢が通っていった……!

「……ちっ、奴の貫通矢をかわすとは、気配感知に長けるタイプか? 気にくわねぇなぁ! 男はズコンでドン! だろうが!」

 巨漢の気配が殺気をまとう、真っ向から突っ込んでくるだって? ズコンでドンも結構だが、そんなんじゃあ隙だらけだぜっ……と光線銃を構えるが、いまいち効かないビジョン……。

「おおおらぁああああぉおおっ!」

 きた、猛烈な勢いのタックル、しかし、かわすのはたやすい! だが横に跳んだところにゾシアムの貫通矢っ? 左右に跳んだら射抜かれる、まずいな! 受け身じゃだめだ、逆に攻める!

 光線銃をゾシアムに向かって撃つ、貫通矢のビジョンが消えた、そしてタックルを跳びかわす! 巨漢は樹木に激突!

「であっ? ……こなくそがよぉっ!」

 今度は拳の連打か、樹木を盾に、拳が当たると揺れる! かなりの威力だが、かわすのはたやすい、ちょっとこいつは脅威じゃないなぁ! それよりゾシアムだ、気配はそのまま、よし、光線をくらって死んだわけじゃあなさそうだ! 敵対者の無事に喜ぶのもあれだが!

 そして黒エリが飛んでくるっ? 巨漢に跳び蹴りが綺麗に決まった、奴は吹っ飛び、また樹木に激突っ!

「むっ? しぶといな」

 巨漢は立ち上がる……黒エリの蹴りをくらってなおとは、鎧を身にまとっているとはいえかなりタフだな、足元は少々おぼつかなくなっているが……って、今度は黒エリが狙われているっ?

「黒エリ、狙われているぞっ! 後ろに飛べっ!」

 黒エリは素早く身を翻し貫通矢をかわす! いまのところなんとかなっているが、予知があっても危険な攻撃には違いないな……!

「さすがにやるな!」ゾシアムの声だ!「あのレキサルを倒したんだ、当然といったところか!」

「彼は命を下した長老に疑いを抱き、里へ調べに戻ったぞ! お前はどうなんだ、本当に大巨人を目覚めさせたいのかっ?」

「当然だ! 里を滅ぼした者ども、奴らの悪行を断罪してくれる!」

 ……だろうな、その怒りはもっともなことだ。

「動機は報復か、それを非難はしないさ! だが、お前たちの求める力はとてつもなく危ういものだ! 加えて、お前たちは利用されている! 元老院を潰すなら他の方法をとるべきだ!」

「いいや、いまだ! いまだからこそだ! いまこそが好機なんだ!」

「これほど混乱した事態がか!」

「だからこそといっている!」

「あの魔女はっ? 信用するのかっ?」

「敵は強大だ、手段は選べん! 俺は愚劣なる王どもを打ち倒し、里に安息を取り戻す! 邪魔するものはすべて排除するのみだ!」

 うっ! 貫通矢が五つ、六つ? とにかく同時に飛んでくるぞっ!

「複数一気にくるぞっ! 走れっ!」

「くっ……!」

 俺たちは一斉に駆ける! 背後をいくつもの貫通矢が通り過ぎるっ! あれは防御できない、黒エリですらただでは済むまい!

 俺たちは草むらに伏せる、奴の探知能力はどのくらいだ? 正確にわかるならば……すでに射抜かれているだろう、ということは、あまり精度は高くないと見るべきか?

「……まずいな」黒エリだ「あの矢、エリの鳥を弾き飛ばしたぞ」

「ああ、エリは鳥を操ってる間は迅速に動けない。狙われたら大変だ」

「つまり、奴の注意を引きつける必要がある」

「あの巨漢はどうする?」

「単体では雑魚だが、無駄に耐久力が高いな。この状況ではいささか邪魔だ、かまっている間に貫通矢で狙われてはかなわん」

「それにもうひとりいるはずだ、気配の動きからしてアリャたちと交戦している」

「……では、ゾシアムを最初に狙うか」

「そうだな、居場所はわかる、追えばおそらく退くだろう、引き離すか?」

「そうだな、それでゆくとしよう。巨漢は私が相手をするから、お前はゾシアムだ」

「わかった、じゃあ……」

 黒エリは俺の腕を掴む!

「……なんだ?」

「わかっているな?」

「……殺す気でやれっていいたいんだろ?」

「わかっているならいい。死ぬなど許さんからな」

「お前こそ、敵をなめるなよ!」

「当然だ」

 そして同時に茂みから飛び出し、俺はゾシアムに向かって走るっ!

「そこにいたかぁ!」

 巨漢が迫ってくるが、黒エリが阻んでくれるはずだ! こっちは飛んでくる貫通矢に集中! 奴の位置はわかる、射線もレキサルのように曲がりはしない……はず、そして射るタイミングも予知できる、つまり!

「当たらんぜっ……!」

 貫通矢の連射能力は低いようだ、怖いのは散弾だが、かわせないこともない……と、ゾシアムの気配が動いた! やはり距離を離し始めたか! しかも速い! 狙い通りとはいえ、森のなかでは奴に追いつくのは至難の業だ! ゾシアムの声が響いてくる!

「無駄だ、俺には近寄れん! だが……お前の回避能力も大したものだな、俺の矢がここまで当たらん輩は初めてだぞ!」

「ならどうするっ? お互い打つ手なし、いっそ殴り合いでもして決着をつけるかっ?」

 さて、どうする? あまり時間が経つと活性が切れてヤバいな、このまま引き離しておきたいが、頃合いを見て黒エリの元へ戻らないとならない。さっさと敵を片付けてくれればいいが……。

 ……いや? ゾシアムの気配が止まり、こっちに近づいてくる……? まさか、マジで殴り合いでもするつもりかっ?

 立ち止まって奴を待つ。矢が飛んでくるビジョンはない、ややして……木陰よりゾシアムが姿を現した。

 体格のいい青年だ。大きな金属の弓、黄金の胸当て、前腕とスネも同様に鎧い、刈り上げた茶色い髪に太く凛々しい眉、まだ十代なのかもしれない、そしてその表情は険しい……。

「……マジでやるか? 悪いが負ける気はしないぜ!」

 ゾシアムは首をかしげ、

「お前たちの目的はなんだ? 大巨人の目覚めをとめて、それで現状に光明が差すとでも?」

「セルフィンの現状、そして元老院が外界を牛耳っているって話は聞いている。奴らを潰すってんなら力を貸すぜ」

「……なに? なぜだ?」

「アリャのためというのもあるが、その方が俺たちにとっても都合がよさそうなんでね」

「……面白い。アリャも懐いているようだしな、悪くない話ではある」

「そうか! じゃあ……」

「だが、大巨人の力を諦めるほどではないな!」

 くる! 輝くナイフ、これもお前の力かっ!

 飛び退いてかわす、しかしゾシアム、懐に潜り込まんとしている、させるか! 蹴りを先出し、腹に一発決まった、奴は吹っ飛び、体勢を整える……!

「やめろ、お前たちは同胞に追われている立場なんだぞ! もっと疑問を抱くべきだ、自身のしていることに!」

「……どうあれ」ゾシアムは身構える!「俺は使命を果たすのみだ!」

 ……この、わからず屋がっ!

「俺はてめえの命の話をしているっ! おかしいだろうがっ! どれだけ優秀だろうが、ガキに使命をおっ被せて、同時にそれを止めようと追っているんだぞっ? マトモじゃねぇ!」

「お前にはわかるまいよ! 与えられた使命を放り投げて、どこに帰るというんだっ? 俺はガキではない、戦士だ! 戦地にて死すか、使命を果たし凱旋するか、問題はそこにしかない!」

 くる、光のナイフが複数、これらも同様に貫通力が高いはず、当たれば終わりだ!

「くそっ!」

 木陰に身を隠す、さらに追撃がくるか? ちっ、接近戦でもやばいな……って、なんだ? こちらに急接近してくる気配、まさか、取り巻きのひとりが戻ってきたっ……?

 ゾシアムも気づいたのか周囲を見回す、枝をつたってやってくる人影……って、なんだとっ!

 なぜだ、なぜ……!

 なぜ、あの子がここにいるっ……?

「あっ、やっぱりゾシアムだ!」

「デンラ……?」

 そう、あれはデンラ少年だ! どうしてここにっ?

「……うっ? お前はっ?」

 着地したデンラ少年は俺に対し警戒する! そしてさらに接近してくるこの気配は……レキサルかっ!

 俺たちは揃って「なぜ?」の表情で各々を見回すしかなく……本当になぜなんだ? レキサルはともかく、なぜデンラ少年がここに……?

「……レキサルッ!」彼に対するゾシアムの反応は厳しい「お前、無事ならなぜ戻ってこなかった! 戦士としての使命はどうしたんだっ!」

 レキサルは足をとめ、ゾシアムを見据える……。

「命じられるままに動くのが戦士か? いいや、私はそう思わない」

「長老様を疑うのか!」

「我々は舞台装置にすぎない」

「……なに?」

「この状況をつくる引き金なのだろう。ラシマ長老は元老院に脅されていた。我々は争いの火種なんだ」

「なんだと?」ゾシアムはうなる「……いや、真偽はどうあれ使命は使命だ、おめおめ帰る理由にはならない!」

「落とし所がわからないのだろう。使命に背を向けてまで進むべき道は見えず、あるのはただ、不名誉への怯えのみ……」

「……お前にはそれがないと?」

「あるさ、あるが、それに抗う。君に同じ道を勧めるわけではない。だが知っておいた方がいい、我々は捨て駒だ」

 ゾシアムは俺を見やり、数歩後退する……。やはりそうなのか、だがフィンの長老が元老院に脅されていたとは……。

「ラシマ様が、そうおっしゃったのか……?」

「ああ。あっさりと告白したよ。すでに導火線には火がついた。我々は実質、お役御免だ」

「用済みだと?」

「そうだ」

 ゾシアムは絶句している……。やはり同胞からの言葉は重みが違うようだ。話に割って入るならここか?

「……待て、その話も大事だが、問題は他にもある。君はなぜ、こここへやってきたんだ……?」

 デンラ少年は俺を見やる。

「たしか長老の孫かなんかなんだろう? こんなところにまでやってきた理由だ、なぜなんだ?」

 ……うん? 反応がいまいちだな……。なんだかよくわかっていない顔だ……って、そうか、俺は翻訳機で彼らの言葉がわかるが、少年の方はそうじゃない。俺の言葉がわからないんだ。

「……そう、そうだ」レキサルはデンラ少年を見やる「つけてみればこんなところにまで、いったいなにをしているんだ?」

「なにって……僕も役に立ちたくて……」

「……悪いことはいわない、すぐに帰るんだ。ここはあまりに危険すぎる」

「やれることはあるって! ソルスファーさんが……」

 ソルスファー? ソルスファー・ゼロフィン、か……!

「なんだって?」レキサルの眉間が険しくなる「なにか命じられたのかっ?」

「ぐ、具体的には、なにも……。この先にある地下施設に向かえと……」

「そこであの方が待っているのかい?」

「さ、さあ……」

 ソルスファーがあそこに? しかしなぜだ? なぜこんな少年をここへ? アリャのように力を引き出すつもりか? だが長老の孫だぞ……? 護衛もいないようだし……。

「……どいつもこいつも、ふざけている……」

 おっと、ゾシアムだ。肩をわなわなと震わせ、その目には憤怒の炎が宿っている……!

「レキサル、俺にとって重要なのはな、里を潰した奴らを叩き潰すことだ」

「……ああ」

「そいつらに勝つには、やはり大巨人の力が必要なのだ」

「……なにも、私とて許すつもりはないさ」

「不徹底だ!」ゾシアムは拳を握る!「お前はいつもそうだ、いつも不徹底だ! 戦いに死力を尽くさず、敵にすら情を見せる!」

 レキサルは俯き、

「……そうかもしれないな」

「ふん! いつまでもそうやって悩んでいるがいい! 俺は誰より先んじて大巨人の力を手に入れる! そうだ、お前たちに構っている暇はない!」

 ゾシアムが後退を始める! 行かせるわけにはいかない!

「待て!」

 光線銃を構えるが、しかし、ゾシアムは不敵に笑んだ。

「いまならよくわかるぞ、お前もそうだ! お前たちは似た者同士、不徹底な者どもよ!」

 くっ……! ゾシアムは挑発的に両手を広げてみせる……!

「デンラ、こい!」

「えっ?」

「優先すべきは大巨人だ! 里の無念を晴らすべく、お前も使命に尽くせ! それとも、お前も不徹底な者なのか? 汚名を返上する気概はないのか!」

「汚名……」

 待て、そいつはあの時の……!

「いってはいけない」レキサルだ「里に帰るんだ。それがいい」

「で、でも……」

「デンラ! アリャに頼りきったまま終わらせるつもりか!」ゾシアムは俺を指差す!「彼女はいま、その男と行動を共にしているぞ!」

「えっ、なんで!」

 デンラ少年は俺を見る!

「ああ、そしていまも戦っている、そいつの仲間とな!」

 やはり俺からの言葉は通じないが、レキサルが翻訳してくれたようだ、少年は目を大きくする。

「仲間だと?」ゾシアムは鼻を鳴らす「敵ではないだけだ、味方ですらない。早くこい、デンラッ!」

 少年は逡巡している、くっ、どうにか止めなくては!

「デンラ君、いくな! ゾシアムについていけば死ぬぞ! ソルスファーも信用してはいけない!」

「負け犬のままアリャに会うつもりかっ!」

 その一言で、少年の目が見開かれる!

「お前の愚かな行動でどれだけの犠牲がでたっ? この汚名は生中には返上できんぞ! 大巨人を目覚めさせ、里を壊滅させた悪漢どもに報復するのだ! 戦士としての名誉にほまれ、そしてようやくお前の罪は漱がれるだろう!」

 こいつっ……! まずい、このままでは……!

「ふざけるなっ! ガキになんてことを吹き込みやがる!」

「お前こそなめるな! デンラもまたガキではない! やがて真の戦士に至る者だ! そうなる以外に男として生きる道などない! これは犠牲の上に生き延びた者の責務だ! 果たさねばならない使命だ! 部外者が口を挟むなっ!」

 ぐっ……! だがっ……!

「仮に責務があろうと、お前についていく道が正しいとは限るまい!」

「決めるのはデンラだ! さあこい! 男として、アリャの前に立つんだ!」

「アリャをダシに使うなっ! あいつはこんなこと望んじゃいない!」

「さりとて、決めるのはデンラだ」

 そして少年は……ゾシアムの方に歩きだす……! くそっ! ぶん殴ってでも止めなければ……と、そのとき閃光のナイフが飛んでくるビジョン! かわさなければっ!

 そして跳びかわした後を見ると、二人の姿はすでに遠く……! あれは速い、いまからでは追いつけない……!

「レ、レキサル! 黙って見ているのかっ?」

 レキサルは首を振り「彼の選択だ……」

「いや、でもあの子はまだ……!」

「ゾシアムの言う通りだ、私はいつも不徹底なんだ。考えれば考えるほどに、なにが正しいのか、そんなことはわからない……」

 くっ……! すでに奴らの姿は見えない……!

「ああくそっ!」

 とにかくゾシアムは離脱した、みんなの加勢に戻らなければ!

 そして踵を返すと、レキサルがついてくる。

「……あんたもくるのか? 俺たちの味方をしてくれるのか?」

「君たちのことは好きだが……いまは、わからない」

 ええい、これはこれで困ったもんだぜ……!

 さてみんなだ、よし、気配はある、無事のようだな。ゾシアムの援護がなくなったいま、黒エリは楽勝だろう。エリたちの方に行くか!

 そして森を走っていくと、猛烈な勢いで黒エリが近づいてくる、というか、その手に巨漢の首根っこを掴んでいるっ?

「これでも無事でいられるかっ!」

 うわわ、片手で巨漢を振り回し、その頭を樹木にぶつけまくってるし……! 轟音が響き、樹木が折れ始める……! そしてとどめに地面に叩きつけた!

 ……ああ、巨漢はピクリとも動かないな、完全にのびたようだ……!

「むっ、レク! それに貴様は……!」

「すまん、ゾシアムには逃げられた、そして彼はもちろん敵じゃあない」

「……ふん、それよりエリだ」

「気配からしてみんな無事だ、敵らしいそれもあるが弱い、おそらく優勢なんだろう、むしろワルドの方がやばいかもしれん!」

「ああ、先ほどから猛烈な魔術合戦をしているようだな!」

「そうか、加勢しにいくぞ!」

 そしてまた森を駆ける、凄まじい爆音が響いてくる! 奔る光はワルドのものだろう! ヨデルの笑い声が聞こえる!

「目くらまししか能がないのか? そんな腕であのクルセリアを倒そうと? 無理だな、いまのうちに死んでおけ!」

 なっ、なんだ! 空気がおかしい、か、体に妙な圧力が……? 大した力ではないが、この奇妙な感じは……なにかヤバいことの前触れだ……! そして戦いの場に近づくほどにその力が強くなっていく……!

「ワルドッ! 無事かっ!」

「くるな!」ワルドだ!「君とて範囲の広い魔術はかわしきれまい! 大丈夫だ、必ず勝つ! 少々離れて、待っておれ!」

「そんな!」

 とはいえ俺には魔術の知識がない、それに活性の効果も切れているようだ、二度がけしたからな、疲労感もかなり重い……。

 だが、泣き言をいっているわけにもいかんか……!

「黒エリ、また電撃を!」

「なに? 短時間で三度もやって大丈夫なのか?」

「問題ない! 前にもっとでかい活性をしたからな、それなりのを何回かやっても大丈夫だろう!」

「……本当だな?」

「ああ!」

 そして電撃……だが、うっ……?

 なんだ、頭痛が……それも、強い……!

「ぬっ、ほれ見たことぉおおおおおオオオオオオォオオオオ……。

 くっ、黒エリの声が……どんどん甲高い音にっ……? それに、くそっ! 頭痛がどんどん激しくなってくる……!

 眩しい! 目を開けていられない!

 甲高い音、頭痛が激しい、なんだってんだっ……!

「だいじょうぶ? だいじょうぶ? だいじょうぶ……?」

 ああ、頭痛が、ちょっと大丈夫じゃない、吐き気がする……!

「いたいの? いたいのいたいのとんでいけー!」

 なんだ、黒エリ……じゃない?

 頭痛が、光が……弱くなっていき、人影が……。

 ……うっ!

 なんだ? 誰だ……? 黒い……女?

 だが、目が黄色く輝き、どこか人工的な様子……黒く長い髪、横に伸びた猫のような耳……。

 黒エリ……ではない……。

 パムか……?

 しかし、気配は黒エリと同じような……。

 ……まさか、融合している、黒豹……なのか?

「わたしよ、ニプリャよ」

 ニプリャ……。

「ゆるしてくれた? それとも、まだだめかな?」

 許す? ……なにを?

「もしゆるしていないのなら、ごめんなさい、でも、そうしたかったの、だって……」

 ……だって、なに?

 光る目が笑った……。

「これでえんがよりつよくつながったもの。だからまたあえたよね。つぎはわたしがころされたいな、それとも、もういちど……?」

 なに? 殺す? なにをいっている?

 うっ……! お、俺に、むっ、胸がある! なんだこれはっ!

「なんどもあえるもんね、レクテリオラ……」

 レク……テリオラ?

 まっ、まさかっ……!

 まさか、そうなのかっ……!

「レクッ!」

 また、激しい音! くそ、また頭痛が強く……!

「おい、どうしたっ! 大丈夫かっ!」

「はっ!」

 き、気づくと眼前に黒エリ……。

「大丈夫なのかっ?」

「あっ、ああ……」

 返事をすると、黒エリは深くため息をついた……。

「やはり無理はいかんようだな! 待機だ!」

 待機……? ああ、そうか! こうしちゃいられん!

「いや、待て、やれる……」

 ……ぐっ! だが、頭痛はまだ治らない……!

 それに体も重い……! とてもじゃないが……!

 だが、わかったぞ、そうだったんだ……!

「無理をするな……!」

「……カッ、カバトだ!」

「なに?」

「カバトだ、あいつ、最期にいっていた、また会おうと!」

「なんだと? なにをいっている?」

「た、ただの戯言かと思っていた、輪廻転生をするにしてもいつかはわからない、会えるかどうかなんて……!」

「まだおかしいのか?」

「そうじゃない、円だ、いや縁だ! 縁が繋がるんだ、殺し、殺されると!」

「……なに?」

「転生してまた出会う! そうなんだ、だから俺たちも出会った!」

「……なにをいっている?」

「お前の……」

 そのとき、黒エリの手が俺の首に、そして、徐々にその力が強くなってくる……!

「ぐっ、黒エリ……!」

「なにをしているっ?」

 レキサルが割って入る、しかし、豪腕で吹っ飛ばされた!

 まずい……!

「くっ、なんだこれは……!」

 黒エリの腕が震える、抗おうとしている! 手が首から離れた……!

「は、早く私から離れろ……! 暴走か、何者かの魔術か知らんが……」

「そうしたところで解決にはならない、それはお前自身が抑え込まないとならないものなんだ……!」黒エリの腕を掴む!「頑張れ、お前ならできる! ニプリャを押し込めろ!」

「ぬっ、ぬうう……!」

 ヨデルの笑い声が聞こえてくる……。すごい風だ、いつの間にか竜巻が巻き起こっている、ワルドが宙を舞っているっ……? おいおい、マジで大丈夫なのかよ……!

 それにしても、なんということだ……! レクテリオラを殺したのは黒エリと融合したニプリャだとっ? しかも、黒エリに取り込まれたわけではない……!

「なるほど極めて高い練度、超一流といえよう!」

 ワルドだ!

「だが、人をひとり殺すのにこの暴威、いささか無駄が過ぎるのではないかねっ?」

「はははっ、戯言を!」

 ワルド、なんとかやれるのか……? 助けに行きたいが、あの竜巻だ、かえって足手まといになりかねん……! それになにより、黒エリを放ってはおけん!

「おい黒エリ! やれそうか?」

「ぬうううう……! 暴れるな、この体は私のものだ……! ……消えろっ……!」

 黒エリは一喝し……! そして倒れるところを支えるが……ってこいつ、なんかえらい重たいなぁ!

「おい、黒エリ!」

 意識がない、気を失ったか……ってマジで重い……! いまは力も出ないから洒落にならん……!

「……いけないな、離れた方がいい」

 レキサルだ、吹っ飛ばされたがさして大きな痛手ではなかったようだな、彼は黒エリを背負おうとするが、

「うっ? なんだこの重さは……!」

 そうなんだ、女性に対してあれだが、はっきりいってすげぇ重い! アテマタが融合しているんだ、当然といえば当然だが……。しかし、レキサルは男らしく背負いきったぞ!

「き、君も動けるな、ここを離れないとだめだ。石や樹木の破片が飛び交っている、とても危険だよ」

 仕方ない、か……。ワルドの邪魔になるのだけは勘弁だ、俺たちはその場を離れる……と、この気配、エリたちがこっちにくる。どうやら敵は打ち倒したようだな。まあ、あの巨漢と似たような戦力なら苦戦するはずもない。

「レクさん!」

 みんなが茂みより現れた、フェリクスがわりと小汚くなっているが、それ以外は問題ないみたいだ。

「アッ? ヤッパリ、レキサルダ!」アリャは飛び跳ねる!「クロエリ、ヤバイッ?」

「いや、外傷はない、いまは眠っているだけだ、事情は後で話す!」

「ニァー! ワルド、ヤバイッ?」

「かもしれないが、あそこへ向かうのは危険だ! それに発光の魔術を多用している、任せるしかない!」

 俺たちは大木の陰に隠れ、黒エリを寝かす……。

「あのヨデル・アンチャールという方、とてつもない魔術師です」エリは黒エリの額に手をあてる「いまのところワルドさんは無事ですが、どうにも防戦一方のようで……」

「ワルド……!」

 石や破片はこちらにも飛んできているが、エリの鳥たちが守ってくれている。きっとワルドの身も守っていることだろう。

 しかし、竜巻はさらに威力を増し……ついには樹木すらも飛び交い始めた……! 離れたというのにここもヤバくなってきたな、まだ遠くで発光が確認できるところを見るにワルドは無事なようだが……あの状況でどうやって奴を倒すつもりなんだっ?

『エリッ!』

 おおっと、ワルドの声だ! すっごい大きく響いてくる!

『無事か! 戦闘は終わったかねっ?』

「はいっ! 撃退しました!」

『すまぬが、鳥をもっとよこしてくれっ! 防御魔術を解かねばならんのでなっ!』

「わかり……ましたっ!」

 エリからすごい数の鳥が出てきたっ!

「おい! 大丈夫なのか!」

「消耗は覚悟の上です! ですが、倒れる限度は知っています、ご迷惑はおかけしません!」

「そんなことはどうでもいい! 君の体が心配なんだよ!」

 エリは微笑み、

「食事をしたばかりですし、大丈夫ですよ!」

 食事って、そういうものかぁ……?

「こちらの鳥も向こうに回します、防御が手薄になりますので、みなさん伏せてください!」

 そして数多の鳥たちがワルドの元へ! かすかにヨデルの声が聞こえる!

「はははっ! 鳥たちを集めては居場所が筒抜けになるだろう! それとも囮のつもりか?」

 だとしても、有効なはずだ! 俺が気配探知に特化しているなら、万能者の系譜であろうヨデルは逆に苦手なはず……!

「なにっ……?」

 ヨデルの驚く声、そして風が……急速に弱まってきた! 宙に舞っていた石や木の破片が雨のように落ちてくる! 鳥が少ないから当たっちゃうなこれ!

「あいてて……って、こっちにくるぞっ!」

 ヨデルの気配が急速に動いているっ? しかも、なにかぶつかるような物音が幾度も! そしてこっちの方にくるっ……?

「……ぅうおおおおおおっ?」

 ヨデルがぶっ飛んできたっ? そして猛烈な勢いで近場の幹に激突、体がくの字にへし曲がるっ! 逆転したみたいだが、いったいどうやったんだっ?

「ニァー! ブチコロス!」

 アリャが即座に空圧の矢をかましてさらにヨデルが吹き飛ぶっ! ああえっと、俺も追撃するべきかっ……って、いくつもの光線がヨデルを射抜いたっ! そしてワルドが駆けてくる!

「エリ、助かったぞ! 消耗も激しかろう、鳥を戻してくれたまえっ!」

「は、はい……!」

 おおよそ半数の鳥がエリに戻っていく……。

「がはっ!」

 ヨ、ヨデルはまだ生きている! あの勢いで幹に激突し、アリャの空圧矢をくらい、さらには光線で射抜かれたというのに!

「くっ、くそがっ……! 我が手で踊れ……」

 しかし呪文は途中で途切れる、血を吐いていて唱えられないようだ、それでも火炎を放射するがライトウォールで防がれ、ヨデルはまた血を吐き、這いつくばる……!

「充分であろう」ワルドはヨデルの前に立つ「二度と、我々の前に立ち塞がらんと誓うのであれば、見逃してやらんでもない」

「ちっ……! そ、そんな口約束……! 反故にせんとでも……!」

「次は確実に葬る。エリのお陰で見せなくとも済んだが、奥の手はまだあるのでね」

 しかし、ヨデルは不敵に笑う……!

「か、借りはつくらん……! 機会は自分でつくる……!」

 負け惜しみを……と思ったが、たしかに重要なことをヨデルは口にした……。

「げ、元老院の秘密を教えてやろう……。聞きたいだろう……?」

 ワルドはうなり、

「……ほう、たしかに興味深いやもしれぬな」

「そうだろう……」ヨデルは身を起こし、幹に座る「……お前たちが奴らの配下であろうとも、なかろうとも……これは聞いておいた方がいいぞ……」

 そしてヨデルは少し黙った。回復のための時間稼ぎか……?

「……して、その秘密とはなにかね?」

「まあ……」ヨデルは俺たちを見やる「ある意味、怖気が走るほどに、くだらん話でもあるがな……」

「さっさといいたまえ」

「……元老院はな、世界各国にてスパイを多用し、暗躍や策謀を繰り返しているうちに、狂気にのまれてしまったのさ……」

「狂気だと……?」

 ヨデルは笑みを浮かべながら幾度も頷く……。

「奴らはスパイ、二重スパイ、三重スパイと駆り出しているうちに、状況の把握が困難になっていったのだ……」

 うん……?

 なんだ、それは……?

「馬鹿げているだろう? あり得ないと思うだろう? だがこれが真実だ……! 人間とは流体だ、思想を変え、所属を変え、任務を転々とする内に様々な影響を受ける、情も移る、元老院への忠誠も薄れてゆく、いいや、最初からそんなものなど無かったかのかもしれんがな……」

「……そういった事例が増え、部下が信用できなくなったのだな」

「そうさ、だが決定的だったのはクルセリアのあれだ」

「……ゴッディア」

「そうだ、ワルド・ホプボーン……! そもそもあれが狂ったのは貴様のせいだ……! 操り人形が自我をもった……! いや、それはいい、だがそれを為すべきは俺だったんだ、まさかゴッディアを壊滅させるなど誰が予想した……? 元老院の狂気はそこから目に見えて深まった……!」

「どういう……ことかね?」

「そのままの意味だよ、ワルド・ホプボーン……! 貴様が元凶の一端を担っているのだ……! あの一件で元老たちはかつてない不安にかられた……。部下には以前より増して強く忠誠を誓わせ、洗脳教育をより徹底し、ごくささいな反抗すら許さなくなった……。だが、猜疑の芽をすべて摘み取ることなどできん……。厳しくなったぶんだけ見え隠れするほころび……完璧を求めるがゆえに奴らは自らを狂気の淵へと追いやることとなった。それから自傷行為に走るまでにはそう時間はかからなかったよ」

 自傷行為、だって……?

「不安要素の排除、異分子の処刑、それは奴らにとって重要な儀式となっていった。精神安定剤、いいや依存症か、今度の一件もまた、そういった病的な習慣なのだよ……」

「依存症……かね」

「敵がいないと、排除しないと不安なのだ、国家などは常々こういった病巣を抱えているものだが、元老院のように少数かつ強大なる権力組織においてはその発症が特に明瞭だった……」

 そんな……って、いやまて、今度の一件だと?

「しかし、そんな理由で……」

 レキサルを見やると、彼は驚いた目で俺を見返した……。

「……ああ、フィンか、セルフィンか……。そうさ、お前たちはこう思ったろう、なぜ、なぜ、なぜ……?」

「待てよ、虐殺の理由は……そのよくわからない、組織的な精神疾患だと……?」

 ヨデルは頷き、

「土地、特殊な資源、異文化の排除、ドラゴンブラッド適性における人体実験など……実際的な理由は用意されていたが、それは衆愚を操るために用意されたものでしかない。いい表現だな、組織的精神疾患、はっははは……そうだ、それが虐殺の理由だ……」

 マジかよ……! レ、レキサルは黙したままだが……。

「そうして騒乱を起こし、部下を投入し、殺し合わせる。奴らはそれを観察しているんだ、じっと、じぃっと、己のために部下が死ぬ様をひたすらに見つめているんだ、そしてバタバタと虫けらのように果てた部下の姿を眺め、ようやく安堵するのさ……」

「く、狂っている……」

「だからそういったろう、そうして俺のように意に沿わん者が現れると一斉に膝を叩くんだ、ああ! ほら思った通りだ! やはりいたんだ、信用ならない、やってよかった、ああよかった!」

 ……おいおいおい、これ、マジで本当の話なのかよ? 逆にヨデルの妄想なんじゃないのか? もっとそう……強欲的だが理解できなくもない理由とかが……。

「……我々は……もともとハイ・ロードの玉座を守る騎士であるはずだったのに……。この俺が裏切り者だと? 違う、違う違う!」

 ヨデルは立ち上がった!

「観ているんだろう、聞こえているんだろう! お前たちだっ! お前たちこそが! 権力に酔いしれ、責任に押し潰されっ! 使命を忘れたっ! この裏切り者めっ! 堕落者め! 素朴でなければ善意も保てぬ愚者どもめが! 俺の働きになにも見出さなかった! 感謝すらしない! くたばれっ! 汚水にまみれ、泥で窒息して死に腐れっ……!」

 そのとき閃光がっ……通りっ?

 眩さから解放された目に映ったものは、下半身だけとなったヨデル……。ワ、ワルドは無事だが、敵の気配はなかった、気配断ち、いや、かなり遠距離から撃った……? 狙撃かっ……?

 だとするなら、とんでもなくやばいっ!

「こっ、この場より離れろ!」

 黒エリを背負う、うおおっ! やっぱり重てぇなこいつ! レキサルの助けも借りて俺たちはその場より駆け出す……が、どうにも追撃はないようだ……?

 そして息を切らした俺たちは、呆然と互いの顔を見合って、さざ波のような森の音を聞くばかりだった……。

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