第一期 第8話R 『ビッグママとキャバ嬢とシーイーグル(海鷲)』
7話の後編になる予定が、結局、フルになってしまいました。
■太平洋
沿岸守備隊所属偵察機シーカル【海駆】
堀田隊員
『そんなにサイズが大きく無いけど、この下に、かなりの数の魚介類反応がある』
岩村隊員
『それって、まるで魚群みたいな??』
堀田隊員
『とにかく水中ソナーを投下してみよう』
岩村隊員
『了解』
●シーカルから、水中ソナーが投下される。ソナーは、水中で展開、カメラを始動さえ、シーカルへ転送を開始した。
岩村隊員
『これは…イワシの群れだ、間違いない…』
■地下ドッグの司令室
黒沢
『仕事の依頼が来たかぁ〜…。でもまだ、大弩號は修理中で無理だし…。ん、別の隊が出撃して、ピンチの為、救援!緊急性もあるし、これは素敵なギャラかも!どうするかは別として、とりあえず、皆にMLを出してみよう。おやじ隊員の参加は微妙そうだけど…』
●出欠のMLを一斉送信
■漢艦シリーズ 大弩號 第一期 第8話R 『ビッグママとキャバ嬢とシーイーグル(海鷲)』
●しばらくして…
返答が一つもなし
黒沢
『やっぱりかなり深い問題になってますね。休むとは藤本司令から聞いてるけど、返答すら来ないよ…』
●ドアが開き、艦長登場
艦長
『やはり駄目か…』
黒沢
『そうですね…、ま、大弩號は出せませんし、どうしようも無いのですが…』
艦長
『所で、同業者の状況は?』
黒沢
『遠洋で三隻が稼働、近海では、エイダータイプが数隻と他のタイプが数隻稼働、沿岸には潜水艦部隊が隻稼働って所で、この潜水艦部隊の救援が依頼です。ここ最近、至る所で魚介類の対応しなければならない状況になってますから、同業社の稼働率は増加傾向みたいです。』
艦長
『それにしても、この増え方は、何かの前哨戦や戦力を見定めているように思えないか?』
黒沢
『日々増加しているのは間違いないので、その可能性は、十分、ありえますね。』
艦長
『で、その苦戦している潜水艦部隊の詳細はどうなってる?』
黒沢
『はい。救援要請している潜水艦の部隊は、補給母艦とセットのスタイルで、隊員は、関東で有名なホストクラブのメンバー、ホスト部隊としての登録のようです。相手はイワシの大群らしく、更には、初の実戦のようです。いくら男前で、ホストとしてプロでも、戦闘は素人全開ですしね…。数も多そうだし、厳しいのは間違いないかと…』
艦長
『また、なんで有名ホストクラブなんだ?』
黒沢
『あれでしょ、ちょっと活躍して、お店の名前を売ろうと、浅はかな考えで参加したんじゃないですかね…』
艦長
『有名ホストクラブの部隊かぁ…ま、こちらも人の事は言えないが…(笑)』
黒沢
『確かに…。この依頼は、人手もないし、断りますね』
●女性の声
『ちょっと待ちな〜!そのホスト救援の仕事、私達が引き受けた!』
●艦長と黒沢の後ろで声がする。振り返ると!
●ドアが開き
キャバ嬢隊員達…そして、中央には、キャバクラのオーナーこと、ビッグママが仁王立ちしていた。
ビッグママ
『今日はあいにく定休日で、うちの娘達と飲んでたのさぁ〜。で、MLが入ったので、急いでココまで来たと言うわけさ』
黒沢
『酔っぱらってませんか?』
ビッグママ
『黒ちゃん、私達は飲み屋のプロだよ。酒に、呑まれる事は無いよ。ま、客には呑まれてもらわないといけないけどね。商売だし。』黒沢
『じゃあ大丈夫ですよね』ビッグママ
『当たり前だよ。』
『さあ、皆、ホストを助けてやろうじゃないか!』
キャバ嬢隊員達
『は〜い』
艦長
『黒沢くん…』
黒沢
『……この前に完成したシーイーグルなら出せますが…』
ビッグママ
『決まりだね。CDC(戦闘指揮センター)の方は、私が専門だから、私に任せなさい。』
艦長
『黒沢くん、出撃準備を急いでくれ、それとクライアントに連絡を』
黒沢
『了解』
■地下ドッグ 管制室
黒沢
『整備班の皆さん、作業を停止して、急ぎシーイーグルの先行量産型のみ出撃スタンバイに入ってください。出撃にはリニアカタパルトを使います』
相田
『完成したばかりだけど大丈夫ですか?』
今里
『それに、みんなシュミレーター程度しかしてないですよ』
黒沢
『全然、大丈夫だよ〜』
黒沢
『シーイーグル(海鷲)は、万能艦載機として、開発された。1人乗りと2人乗り、無人機ユニットの選択可能。※1人乗りの場合、後部座席は、特殊パーツや電子関係等のサポートパーツ等が組み込む事が可能。
仕様は、通常タイプ【兵装バリエーションも多い汎用型】、高速重視タイプ、雷撃機タイプ、急降下爆撃機タイプ、電子戦タイプ、偵察タイプ、哨戒タイプに分けられが、ストライカーユニットなどの追加ブースター的な大型オプションユニットも開発中。更には、カスタマイズの兵装は、かなりの数を開発中である。最終、すべてが完全したら、とてつもないバリエーションに膨らむ…正に、万能!』
『それと、こんな事もあろうかと、急造した無人哨戒機プロトタイプですが、センサー等の情報収集を行いCDCやCICへ衛星経由で転送。速やかにミッションコンピューターと連動可能。合わせて、完璧や〜』
相田
『いつ無人哨戒機を造ったんだろう?こんな事もあろうかとと言う割には、急造してるし…』
今里
『それより、いったい誰に向かって言ってるんだろう??』
黒沢
『(笑)!』
相田
『それより、なんで先行量産型のみ出すんですか?』黒沢
『あ、それは、プロトや初期生産型は、実用化にあまり向いてない危険な実験装備を着けてるからだよ。そんな物を装備している艦載機に乗せた事が、もしビッグママにバレたら殺されそうだから…』
今里
『危ない装備??』
相田
『いつ着けたんだろう?』
ビッグママがいきなり登場
『黒ちゃん。それは賢明な判断だよ〜』
黒沢・今里・相田
『ひぇ〜(汗)』
■第一ハンガー
パイロットスーツ姿のキャバ嬢隊員達が集まっている。
黒沢
『皆さん、このシーイーグルの操縦法ですが、基本的にシュミレーターと同じで、コクピット正面の多機能表示ディスプレイとヘッドアップ・ディスプレイの指示に従って、操縦桿等を操作してください。戦闘指示は、CDCのビッグママから出る指示をミッションコンピューターが補佐する形で、ディスプレイに表示されます。同じく、それに従ってください。基本的には、それでほとんど動かせます。緊急時対策として、エマージェンシー・モードを搭載しています。ヘルメットを通して、パイロットの思念波や脳波で発動しますが、スイッチや音声、CDCからの遠隔操作も可能になってます。出撃方法ですが、リニアカタパルトを使用します。射出したら、数秒でスーパークルーズに入ります。乗り心地のイメージは、ジェットコースターな感じです。皆さん、初陣、お気をつけて!』
キャバ嬢隊員達
『了解』
黒沢
『では、搭乗してください』
■キャバ嬢隊員達が、シーイーグルに乗り込む。エンジンスターターを押し、エンジンをスタートさせる。
■川を割り中から、リニアカタパルトが現れる。
黒沢
『無人哨戒機を出してください。ミッションエリアに着いた時点で、ビッグママのCDCへデータ転送を開始します。』
●リニアカタパルトから、無人哨戒機が発進した。
■第一ハンガーから、先行量産型のシーイーグル数十機が、誘導要員の指示に従って、リニアカタパルトに向かうエレベーターに順次乗る。
ビッグママ
『こちらビッグママ、皆、頑張ってホストを助けるよ〜』
キャバ嬢隊員達
『了解!』
ビッグママ
『出撃!』
●カタパルトオフィサーの発進指示が出る。
キャバ嬢隊員A
『シーイーグル001、行きま〜す』
●シーイーグルが順次、リニアカタパルトから発進。
ビッグママ
『皆、ミッションコンピューターとの連動完了。あと約10分で到着予定だから、頼むよ〜。』
●その頃、イワシと戦っている、ホストクラブの潜水艦の部隊、そして後方に補給母艦が数隻。
ホスト隊員
『ホストベース1、こちら072、魚雷を射ち尽くした、補給の為に着艦する』
母艦の隊員
『了解』
『102、007、069、151、1919、補給完了、発進どうぞ!』
母艦の艦長
『こちらの魚雷攻撃だけでは、数が減らないし、…クライアントの返答は!』
母艦の隊員
『今、救援の戦闘機部隊が向かっているそうです。』
母艦の艦長
『早くきてくれ、初任務がこの数じゃあ辛い…』
母艦の隊員
『通信入ります』
ビッグママ
『こちら大弩號シーイーグル部隊のビッグママ、あなた達を助けるから、お店に行った時は、サービス宜しくね〜』
母艦の艦長
『サービス??…とにかく了解しました。助かります?』
●上空から、多数の光!
シーイーグル部隊の到着!
ビッグママ
『いいかい。入れ食いでも、しっかり角度と腰いれて、撃っておやり』
キャバ嬢隊員A
『攻撃に入ります』
●シーイーグル部隊から、無数の細い鎗が、撃ち出された。イワシに命中!次々と狩られる。
黒沢
『これこそ串刺し!』
●海面のイワシは、次々、水中に潜る
母艦の隊員
『水中戦は、戦闘機では駄目かも…』
黒沢
『大丈夫』
●戦闘機は、そのまま、海に潜る
母艦の隊員
『うそ〜』
黒沢
『うちのシーイーグルちゃんは、海の日仕様なのです』
●シーイーグルの翼から、鋭い刃が現れた。
黒沢
『シーイーグルは、海鷲だから、爪の如く鋭い刃を装備してるのだ!!』
今里
『緊急で装備したから、みんな形は違うけど…』
相田
『カッター、刀、アサルトナイフ、サバイバルナイフ、普通のナイフ、レーザーナイフ、レーザーカッター、レーザーアサルトナイフ、レーザーサバイバルナイフ、出刃包丁、刺身包丁、肉切り包丁、レーザー出刃包丁、ビームサーベル等々、よく揃えられたよね…』
●イワシを次々と切り裂く
キャバ嬢隊員C
『簡単に、三枚下ろしだよ』
キャバ嬢隊員D
『料理より簡単!』
キャバ嬢隊員B
『ちょっと快感!!』
ビッグママ
『どんどん、やっちゃいな!』
キャバ嬢隊員達
『了解でーす』
母艦の艦長
『ようし、こちらも続け〜!』
●それから、数分後…
シーイーグルは、任務を終え、次々、空へ舞い上がる。それを見送るかのように、母艦が水上に浮上する。
母艦の艦長
『凄い戦闘機だ…』
『ビッグママへ通信、ありがとう。いつでもご来店、お待ちしております…』
●リニアカタパルトの誘導波により、シーイーグルが着艦する。
■CDC
ビッグママ
『皆、ご苦労様。それにしても、久しぶりに燃えたわ〜』
艦長
『的確な指示、流石だ』
ビッグママ
『あの航海が懐かしいねぇ』
黒沢
『いつの話ですか??』
ビッグママ
『歳がバレそうだから言わな〜い。じゃあ黒ちゃん、いつもの口座にギャラを宜しく、手数料は引かないように…』
黒沢
『はは…は…』
●その頃、おやじ隊員達は、深酒中。メールの着信ランプが光り続けていた。
今後、ビッグママは、もう1人の主役になっていきます。