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漢艦シリーズ 大弩號  作者: 森村 義幸
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第一期 第7話R 『普通のおやじ』

本来一つの話でしたが、再構築した結果、長くなったので分ける事にしました。

■地下ドッグの下層には、第二ドッグ【超大型工場】がある。


ここは、艦の造船、整備及び大修理や新兵器の開発施設、実験施設等々がある。

そして、前回の戦いで、かなり損傷した大弩號は、壱型外観装備とベースになっている謎の戦艦に分けられそれぞれ修理をしていた。


■漢艦シリーズ 大弩號 第一期 第7話R 『普通のおやじ』


■地下ドッグ 管制室

モニターで状況を確認している黒沢

『壱型は、かなりの損傷率だなあ…ほとんどが修理じゃなくて1からになりそう…費用も時間もかなり掛かるな…困ったもんだ』

今里

『開発中の弐型を先に完成を優先にさせますか?』

黒沢

『あれは基本、壱型の艦首以外、ほとんど使うから、壱型を優先にするしかないだろうね』


相田が入って来た。

『黒沢さん、シーイーグルのプロトタイプと初期生産型及び先行量産型、試作の無人タイプ、更に、哨戒機プロトタイプ、その他もろもろ、艦載機用第一ハンガーに格納完了しました』

黒沢

『ご苦労様。これで、とりあえず艦載機の第一次開発は一旦、終了と言う事で、次に集中出来るね』


相田

『そう言えば、この前、営業ってなんだったんですか?』

黒沢

『あ、それなら…』

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●ゲートが開き、奥のデッキから、数隻のエイダーが、出で来る。


今里&相田、目が点になる

黒沢

『外注先として、ここで修理や整備する事になったから宜しくね』

今里

『え〜なんで?』

黒沢

『なんでじゃな〜い。営業上手と言ってくれ。これで大弩號の修理代金も稼げるし、機密情報も手に入る!うん、一石二鳥!今後は、多数の艦の仕事が入る予定だから、合わせて宜しく』

相田

『あの〜どんな営業で、こんな凄い仕事を取れるんですか?』

黒沢

『知りたい?』

今里・相田

『はい、是非とも!』

黒沢

『教えたくないけど、ま、いいか、簡単に言えば、作業の精確さやスピード、設備のアピール、キャッチコピー、知恵と勇気、人脈、政治力、過剰な接待、ワイロ、お酒、お金と女、気合い、熱意、愛情、泣き脅し、癒着、恐喝、その他もろもろってところかなぁ〜』

今里・相田は思った…この人はどこまで、本気なんだろうか?


黒沢

『バラすのが楽しみ〜』

目の奥に、炎が…


■所変わり、ミーティングルーム。艦長、藤本司令が、お酒を飲んでいる。


艦長

『例の仕事の件は、黒沢くんが上手くやってくれたので、一安心ですな』

藤本司令

『それにしても、同業者が一気に増えるとは…』

艦長

『ま、それだけ状況が緊迫していると言う事だと思います。それに、うちだけではもう無理な数です。それより、ここ最近、敵の様子が、かなりおかしいのが、どうも気になります。ただの突然変異では済まされない…確実に、何かが裏に居るような…』

藤本司令

『これだけ証拠が揃いだすと、そう考えるしかないかも知れません。今後は、設備強化、同業社との連携も考えないといけないかも知れません…』

艦長

『おやじ隊員達も、かなり不安定な感じです。小遣いとホステスの力だけでは、これからは辛いかも知れません。ましてや、小さい子供がいる家庭持ちの普通のお父さんでは荷が重すぎるのは当然かも知れません』

藤本司令

『いよいよ本格的なメンバーを揃えなくてはいけないのですかねぇ…』

艦長

『…』

藤本司令

『今週末に、おやじの会の飲み会があります。その時に、今後の方向性を考えるようです。私は、園長として、おやじの会のメンバーを信じたいです。』

艦長

『同感です。』


●乗組員のおやじ隊員達は、幼稚園のおやじの会のメンバーが中心となっている。とはいえ、基本、一般人…幼稚園の子供の居る普通のおやじ…お父さんなのである。


大弩號の開発、組織の設立、おやじの参加等の話は、また、別の機会に…。



■数日後…

焼き鳥屋『おいでやす』

おやじの会のミーティング

おやじ隊員A

『意見も何も、この前の時は参加者も少なかったし、結果、あ〜なったんだし仕方ないと思う』

おやじ隊員B

『でも、もしもがあった時、家族はどうなる?園長の私設部隊だし、保証はないはずだよね…』

おやじ隊員C

『そもそも僕らが気軽に受けた事じたい問題もある…』

おやじ隊員D

『やっぱり、参加者が少ないのが問題の気が…』

おやじ隊員F

『でも、もともと自由参加で、強制しないのが会の良い所でしょ?』

おやじ隊員G

『そうだよね。皆、それぞれ普通に仕事もあるし…』

おやじ隊員E

『結論を出すのは、正直、今は、難しいかも…』

おやじ隊員I

『怪我の件も、家族や会社の仲間から変に疑われてるし…今すぐは動けない感じ…』

おやじ隊員P

『うちも同じかも…』

おやじ隊員H

『会長の意見は、どうですか?』

会長

『…正直、受けた時は、おやじとして陰ながら家族や子供達を守ると言う大義名分で受けただけで、命懸けになる事なんか考えてなかった…でも前回の出撃では参加者が少ない状態で戦闘になり怪我人が出て、現実を知ってしまった…。でも、今にして思えば、当たり前の話の気がします。だって戦闘する訳だし。それを戦闘の後のBBQとキャバ嬢との合コンで浮かれ気分で気付かなかっただけで、やっと、それに気付いただけだと思う』

おやじ隊員C

『そう言えば、参加を決めた時も盛り上がった飲み会の後だったし、訓練の後のキャバ嬢との食事や打ち上げで、毎回、盛り上がってたりしてましたね』

おやじ隊員D

『そう考えると、園長達の方が一枚上手だと言う事になりますよね』

おやじ隊員B

『でも現実を知ってしまったし…、怪我をした人も居る』

会長

『最終的には、個々の判断に任せるしかないとは思います』

おやじ隊員H

『所で、キャバ嬢隊員の皆さんはどうするんですか?』

会長

『とりあえず引き続き参加するらしいと聞いてます』おやじ隊員O

『でも、命懸けは、ちょっと…これからの艦の参加は辞めたいと思います』

他、数人のおやじ隊員

『私も辞めますが、普通の幼稚園のイベントは、もちろん参加します』

『同じく』

『私も…』


会長

『…今回はこれで終わりましょう。次回は、改めて連絡します。次の幼稚園イベントは、次の日曜日ですので宜しく。以上です。お疲れ様でした。』


●数分後、残っているのは、二十数名弱…このメンツは、おやじの会のイベントや艦の仕事に皆勤レベルで参加している主力メンバーばかりである。


おやじ隊員A

『帰ったのは、参加率の悪い人ばかりですね』

おやじ隊員C

『ま、ここにいるメンバーがどうするかが、問題かもね』

おやじ隊員D

『ただ一旦、冷静に考えたいとは思いますが…』

会長

『その時間は必要ですね。結局、いつものメンバーだけで頑張るにしても限界があるし…』

おやじ隊員B

『同業者も増えたみたいだし、しばらく普通の生活に戻りますか、会長』


会長

『…そうですね。皆さん、それで構いませんか?』


おやじ隊員達

『了解』

『はい』

『お願いします』


会長

『わかりました。園長先生へは、連絡しておきます』


●園長室

メールの着信音

藤本司令(園長)、携帯のメールを確認、ゆっくり閉める『…』


あくまでも、おやじ隊員達は、どこにでもいる普通のおやじだと言う事が、この作品のテーマの一つだと思っています。

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