第一期 第6話R 『後方支援…そして…』
しばらくぶりの投稿です。初期の初期は、1クールのイメージだったので、折り返し的な内容になりました。
■プライベートルームで、黒沢がレポートを作成中。
『前回、救援に現れた、謎の赤いエイメカは、最近、新設された九州地方防衛部隊所属で、名称はレッドエイダーマスター。日本、アメリカ、イギリス、中国他の国々が、極秘に共同開発したエイダータイプの艦船である。このレッドエイダーマスターの活動データをフィードバックした、先行量産型や通常量産型、簡易量産型、カスタム型等の製造が既に中国で開始されていて、計80隻以上が全世界に向けて順次ロールアウト予定。日本でも間もなく各地方に新設される防衛部隊に配備される。乗組員は、元自衛官や沿岸警備隊が中心のプロの集団である。また、このレッドエイダーマスターの乗組員の士官が、各地のエイダーの艦長になるらしい。更には、このエイダーの対抗馬のフェリー型の戦艦サフラタイプや戦略潜水艦タイプが、既に東京を中心に関東の防衛活動を開始していた。近日、関東地方開発の大型戦艦が就航予定らしい。なぜ、急に大弩號のライバルが出来たのか?と、思うかも知れないが、これは必然であった。それは、大型魚介類の出現が日々増加、日本各地域のみなら
ず、世界中で大増加、被害もかなり出ていた。特に、対応に当たっていた海軍の被害が甚大であり、魚介類対抗型艦や兵器の開発が急務であった。以前、大弩號の量産の打診を頂いた事もあったが、オーバーテクノロジーの固まりの大弩號を出す訳にはいかなかったので、断るしかなかった。それ以外にも急ぐ理由があった。それは、関西圏を中心に活動している大弩號が、各地域や世界中の防衛する事は不可能だと言う事である。以上な理由で、大型魚介類対抗艦の開発が急務になり、世界共同開発が開始され、何とか実用化のレベルまで来たのだった。』
『追加事項…赤いエイメカが登場してから、数日後、エイメカの正式発表が行われた。総称は、エイダータイプ、発表の内容は、スペックと各地域の配備についてである。このエイダー部隊は、組織での運航を目的にした、準自衛隊のような組織である。
※関東全域以外を一つの団体として機能する事になるらしい。
更に、その日に合わせたかのように、同じ日に新設の関東沿岸防衛部隊の発表もあった。詳細は、改めて』
■各地のエイダー配備について
●北海道
ホワイトエイダー
矢壁艦長
●東北地方
グリーンエイダー
庄司艦長
●北陸地方
ブラウンエイダー
木元艦長
●中部地方
ゴールドエイダー
藤澤艦長
●中国地方
イエローエイダー
荒井艦長
●四国地方
オレンジエイダー
佐藤艦長
●九州地方
旗艦
レッドエイダーマスター
天野艦長
レッドエイダー?
近艦長
●沖縄地方
ブルーエイダー
新里艦長
※関東は、未定。関西には、三隻程度の投入予定
■その発表の日を境に、エイダーの大型魚介類に対する戦闘が本格的に開始された。エイダー部隊の活動は目まぐるしく、活動範囲を拡げて行った。一方、民間会社としての大弩號は関西エリアに活動範囲が限定されたのだった。
漢艦シリーズ 大弩號 第一期 第6話R 『後方支援…そして…』
■太平洋
●今回の任務は、エイメカ三種との共同作戦、後方支援で参加の大弩號。
■管制室
黒沢
『このままだと経費倒れになるなあ。営業しないと…』
■大弩號 艦橋
艦長
『最近の隊員の参加率がかなり低下しているなあ』
会長
『この前の戦闘による負傷者の一件でのモチベーションの低下と、後方支援ばかりで、あまり面白くないからだと思います。』
艦長
『確かにな…』
キャバ嬢隊員A
『レッド、ブルー、オレンジ、戦闘を開始しました』おやじ隊員A
『やっぱり面白くない』
おやじ隊員B
『すぐに決着が着きそうね』
おやじ隊員C
『今回の出番もなしか…』
■戦闘海域
旗艦 レッドエイダーマスター天野艦長
『今回もちょろいな、各艦に通達、ソニックフラッシャー準備、一掃する』
『発射』
各艦、大型魚介類に向けて、必殺武器を発射した。
大型魚介類は、壊滅。
■大弩號 艦橋
キャバ嬢隊員A
『状況、終了』
おやじ隊員C
『あ〜勿体無い、食べれるのに…』
会長
『帰りましょうか?』
艦長
『うむ。帰艦する』
キャバ嬢隊員A
『待ってください。第二波が、急速接近中』
モニターに天野艦長
『この程度なら大丈夫。こちらで殲滅しますからお帰り下さい』
艦長
『了解しました。ご武運を…』
大弩號が、反転する。
■戦闘海域
天野艦長
『大弩號には悪いが、この日本、いや世界は、これから私達が護る。』
副官
『来るぞ〜。各艦、戦闘開始!』
■大弩號が、着艦口に近づいたその時。
■大弩號 艦橋
キャバ嬢隊員C
『SOSが、ブルーエイダーから入りました』
艦長
『なに?』
■戦闘海域
天野艦長
『どういう事だこれは…』隊員A
『オレンジ、ブルー共に損傷が激しい状態です。我が艦の損傷率も60%です』天野艦長
『さっきまでの敵は、こいつから逃げていたのかも知れん…もっと早くわかっていれば…』
隊員B
『敵ミノカサコ、再接近』天野艦長
『くそ〜』
●ミノカサコの攻撃で、艦内に衝撃が走る
隊員A
『オレンジが沈没します』天野艦長
『牽引ワイヤーをオレンジへ打ち込め!』
隊員B
『ブルーも持ちません。』天野艦長
『ブルーにもワイヤーを打ち込め』
隊員A
『そうなるとこちらの身動きが取れません』
天野艦長
『構わん。仲間を見捨ててはならない』
隊員達
『了解』
●レッドエイダーマスターが集中攻撃を受ける
天野艦長
『くそ〜』
隊員A
『このままでは、艦が持ちません』
天野艦長
『諦めるな』
隊員B
『敵、更に一匹接近、同じミノカサコです』
天野艦長
『…』
●ニ匹のミノカサコの攻撃により、オレンジ、ブルー共に完全に沈黙、レッドエイダーマスターも、風前の灯火…
天野艦長
『駄目か…』
●ニ匹のミノカサコが、留目を差そうとした瞬間
大弩號がレッドエイダーマスターとミノカサコの間を割って入った。ミノカサコが大弩號の側面に追突。
大弩號に衝撃。
■大弩號 艦橋
隊員達
『わ〜』
『キャー』
艦長
『主砲回頭』
おやじ隊員A
『回頭、完了』
艦長
『撃て〜』
会長
『了解!』
●主砲が発射される。ミノカサコに命中。
艦長
『続けて、サイドバンカー砲、発射』
おやじ隊員B
『発射!』
●今度も、ミノカサコに命中。ミノカサコは、一旦、離れた。
キャバ嬢隊員A
『逆方向から、もう一匹、レッドに接近中。』
モニターの黒沢
『次の一撃を食らうとエイダー艦隊は沈むかも知れません』
艦長
『全砲門、撃ちながら回り込め、レッドの壁になる』
おやじ隊員達
『了解』
●撃ちながら回り込む大弩號の側面に、ミノカサコがぶつかる。被害ヶ所が増える大弩號。
おやじ隊員C
『こんな事を繰り返されたら…』
艦長
『……艦首一撃砲、緊急射出準備、次の旋回時の射程内に入った方に撃ち込め』
会長
『了解』
●旋回する大弩號
艦長
『撃て〜』
会長
『発射!』
●一撃砲のドリルが射出!ミノカサコの口に命中!上空へ舞い上がり爆発。
艦長
『もう一匹、行くぞ〜』
キャバ嬢隊員B
『レッドが沈み始めました。危険です。』
艦長
『牽引ワイヤー発射!』
牽引ワイヤーが、レッドに刺さる。
会長
『どうします、艦長…』
艦長
『…』
モニターに黒沢
『艦長、これ以上は無理です。大弩號の装備も、後方支援用にしていますし、今のままだと共倒れになります。牽引ワイヤーを切って離脱して下さい』
艦長
『黒沢くん、天野艦長達を見捨てる事は出来んよ』
黒沢
『艦長!でも…』
会長
『仕方ありません。艦長命令だし諦めて下さい』
艦長
『全砲門、敵に向かって、撃て〜』
●撃ち続ける大弩號…
ミノカサコが弱り始める。
艦長
『もう一息だ〜』
更に、撃ち続ける大弩號
そして…、倒したかのように見えた瞬間!
ミノサカコの目に赤い文字が浮かび、大弩號の0距離で、大爆発!
管制室の黒沢達も、唖然とした。
●煙の中から、大弩號とエイダー部隊が現れる。
■管制室
黒沢
『応答せよ、大弩號』
助手の今里
『返答ありません』
黒沢
『内海、大弩號の状態をチェック』
オペレーターの内海
『了解……かなりのダメージを受けていますが、ギリギリ航行出来ます。』
黒沢
『遠隔操作で、沿岸までの誘導は可能か?』
モニターをチェックする助手の相田
『何とかなると思います。ただ、生命維持装置が作動してません。中から操作しないと無理です。』
黒沢
『わかった、とりあえず、ゆっくり誘導を開始。艦橋への呼び出しも続けてくれ。あと、藤本司令に連絡。』
助手&オペレーター達
『了解』
●ゆっくりと大弩號がエイダー部隊を牽引しながら、沿岸に向かう。
管制室
黒沢
『無理せず、ゆっくり、ゆっくり』
藤本司令登場
『どうですか?』
黒沢
『艦橋への連絡が取れません。かなり近距離の爆発でしたから…』
藤本司令
『…宜しくお願いします』
沿岸近くに差し掛かかった時、オペレーターの蔵前
『エンジンが、オーバーワークです。一旦、停止をして下さい。』
黒沢
『エンジンをカット』
今里
『了解!カットします』
内海
『あ!レッドエイダーのエンジンに異常熱反応…、誘爆の恐れがあります』
黒沢
『いかん、沿岸警備隊に、連絡、特殊消化部隊の出場要請!』
相田
『了解』
●と、その時…
レッドエイダーマスターの機関部分から火が上がる。黒沢
『くそ〜時間がない。大弩號のエンジンを最大に、沿岸へ向けさせろ』
蔵前
『それでは、エンジンが…』
黒沢
『エイダーの誘爆に巻き込まれるより、マシだ…急げ』
●再び、沿岸に向かう大弩號
今里
『艦橋と連絡が取れました。』
黒沢
『こちら黒沢、大弩號、大丈夫ですか?』
ノイズの多いモニターの画面に、会長が映る
会長
『こちら艦橋、周りの皆はかなりの怪我をしている模様…計器関係も、ぐちゃぐちゃで、煙りが凄いです。』
黒沢
『会長、座席の緊急時用のカードリーダーに、個人カードをスラッシュ出来ますか?』
会長
『やってみます』
●カードをスラッシュ
艦橋に非常ライトが灯り、排気口が動く、生命維持装置が作動を開始
会長
『生命維持装置作動確認、状況を確認してきます。』黒沢
『了解しました。無理しないで下さい。もう少しで、沿岸です。』
藤本司令
『思いの外、かなり危険な状態ですね。黒沢さん、頼みます。』
黒沢
『はい。何とか頑張ってみます』
今里
『間もなく、沿岸です』
黒沢
『何とかなったか?』
内海
『駄目です!エイダーの機関部が…』
黒沢
『何〜!』
●エイダーの機関部が爆発し武器が暴発、大弩號の後部に命中。大弩號も炎上…
黒沢
『みんな…』
艦橋からの連絡が、完全に途絶えた。
■やっとのこと沿岸に着いた、大弩號とエイダー部隊。待ち構えていた特殊消化部隊が作業開始。同時にレスキュー部隊も救助を開始した。
■地下ドッグに搬入された、大弩號
今里
『こんな状態で、よく誘爆しなかったなあ』
相田
『奇跡的ですね。』
内海
『今、藤本司令と黒沢さんから連絡がありました。』今里
『皆は?』
内海
『エイダー側に重傷者が数名でましたが、命に別状はないそうです。こちらのメンバーも、ほぼ全員が軽傷ですんだようです。これまた奇跡です』
今里・相田
『良かった〜』
今里
『あとは、大弩號かあ…』相田
『かなり骨が折れそうですね』
今里
『とにかく皆が無事で良かったよ〜…でも何故、黒沢さんも、藤本司令と一緒に行ったんだ?』
相田
『?』
蔵前
『何でも、営業に行ったらしいです』
今里・相田
『??』
■明け方、会長はじめ、おやじ隊員達は何とか帰宅した。そして、日曜日を何事もなかったように過ごした。そう、何事もなかったかのように…
普通のおやじ達が、現実を知ってしまい、どんな行動を起こすのか?次回をお楽しみください。
追伸…何分、昔に書いた物をリニューアルする為、整合性を合わせるのに思いの外時間が掛かる事をお許しください。