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漢艦シリーズ 大弩號  作者: 森村 義幸
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第一期 第4話R『小さな依頼人』

作品の幅を広げる為に書いた、初期プロットになります。

■夜の太平洋

民間観光船とそれを囲むように護衛する艦隊。

突然、警報ブザーが鳴り響く。艦隊の前方に、大型魚介類が接近。その大型魚介類の目は赤く、怒っているようだった。迎撃する艦隊。それをもろともせずに、接近する大型魚介類。次々と艦を破壊、黒煙と炎が洋上に上がる。


■地下ドッグのブリーフィングルーム。

乗組員に緊急招集が掛かる。異例の事である。


黒沢

『今回の緊急招集の件ですが、最近のニュースで、ご存知だと思います。あの悲惨な事故の事です。』


●部屋が暗くなり、プロジェクターで映し出される藤本司令

『皆さん、お疲れさまです。また、日頃は、ありがとうございます。さて、大型の魚介類が現れてからは、船の旅行客が減り、飛行機での旅行客が急増。そんな時代だから、船の旅行の楽しさを教えたいとあえて船の旅行に出掛けた親子が居ました。仲西さんと子供の大義くんです。そんな親子の楽しい時間を奪った、鯛が今回のターゲットです。仲西さんの行動は、確かに自殺行為だったかも知れません。ですが、父親としてはどうだったのでしょうか?私は、親として勇気ある行動だったと思いたい。皆さんは、どう考えられますか?今回の仕事は、奇跡的に助かった大義くんのお金、三百円が依頼料です。仕事の依頼。宜しくお願いします。』


●プロジェクターの光が消える。暗闇の中の、親父隊員とキャバ嬢隊員、一般隊員…。


証明が点灯し、艦長が席を立つ

『希望者は、艦に来てくれ、私は、艦で待っている』

●艦長が出ていくと、すべての隊員立ち上がり、三百円分の一円玉を少しずつ握り締め、ブリーフィングルームを出る。


■漢艦シリーズ 大弩號 第一期 4話R 『小さな依頼人』


■秘密の地下ドッグ

管制室

モニターの黒沢

『情報によると、目標は、大阪湾内に入り生息していると思われます。特徴は、かなり狂暴で赤目の鯛であるとの事です。』

神宮寺

『赤い目の鯛ですか…』

モニターの黒沢

『今回は、猟ではないので、通常攻撃装備になります。取り扱いには十分に気をつけてください』


■000のゲート【並びには、多数のゲートがある】が開き、中から一隻の戦艦が、管制室の横のドッグに移動。そして、固定される。『壱型、A型1式装備で、スタンバイ』

固定された戦艦の下が開き、パーツがせり上がる。そして、戦艦に装着。隊員と作業員が準備開始。


■艦橋

そこには、いつものように沢山のおやじ隊員とキャバ嬢がいる。


モニターの黒沢

『艦長、今回の不参加はいません』


艦長

『うむ。みんな、良く来てくれた。出航準備』と指示を出す。隊員達は、『オー!』と返事をしつつ、それぞれの席に着く。


艦長が席に座りキーを差し込む。すると運航システムが起動。


おやじ隊員達が、

『運航、システムクリア』『武器管制、システムクリア』『いつでもOK』

キャバ嬢隊員が、

『まとめて、システムクリアです』


黒沢

『発進ゲートへ移動開始』『今回は、ルート3になります。』


黒沢

移動開始ボタンを押す。


大弩號が移動開始。隊員達は、椅子に固定。

前進→上に上がる→回転台に固定→ルート3の所へ回転→ルート3ゲートに入る→ゲート閉まる→注水→ガントリーロック解除→向かうゲートが沢山開く→信号機が赤から青へ


艦長

『出撃!』

親父隊員

『お〜!』

キャバ孃

『お〜』

前進する大弩號、ネオンが綺麗、停止。正面、大型ゲートが開き、海中に進入。

艦長

『このまま、海底を調査する。無人ソナー射出および本艦レーダー展開、索的開始』

キャバ嬢隊員A

『了解!』

海中に無人ソナーを射出、艦の各部もレーダーを展開した。

しばらく海底で探索…


数時間…


キャバ嬢隊員B

『反応が全くありません』おやじ隊員A

『持久戦になりそうな感じだな』


艦長

『海中だけでは無く海上付近の可能性もあるな無人哨戒機も出す、一旦、浮上する』

おやじ隊員B

『了解』

大弩號が浮上する。

神宮寺

『艦長、無人哨戒機の準備OKです』

艦長

『出せ』

神宮寺

『出します』

艦の側面から、無人哨戒機か発射される。


おやじ隊員B

『それにしても、海に子供を気軽に連れていけない時代になるとはね…』

おやじ隊員A

『確かに…』

神宮寺

『もう少し大型魚介類の事が分かれば対処出来るかも知れないけど…』

おやじ隊員E

『現実、難しいでしょうね…』


キャバ嬢隊員A

『あ!無人哨戒機に反応、こちらに急速に近づく物体あり、これは…間違いなく鯛です。』


艦長

『来たな!緊急潜行、戦闘体制、主砲発射準備!』

おやじ隊員B

『急げ〜』

潜行する大弩號。


キャバ嬢隊員B

『は、早い、来ます』

艦長

『主砲発射!』

主砲が発射されるが、鎗玉を避けて横をすり抜ける鯛。

おやじ隊員A

『ちくしょう』

おやじ隊員E

『敵が速すぎます』

おやじ隊員C

『どうしましょう艦…わ〜』

下からの突き上げが…席からころがり落ちる隊員逹…

艦長

『動力停止』

おやじ隊員A

『停止?』

艦長

『いいから停止』

おやじ隊員D

『了解!』


大弩號の機能が停止。それをいいことに体当たりを続ける鯛

隊員はそれぞれ席でこれをしのぐ…。

意外と、ダメージを受けていない大弩號【理由は、推進力を使わず、だせいで衝撃を和らげていたからだ】

そして、鯛の攻撃がだんだん弱くなる。体力が低下した為である。


艦長

『そろそろだな』

『よく耐えた、反撃準備』おやじ隊員達

『了解』

『待ってました!』

慌ただしく準備を開始したが、キャバ嬢隊員達は、気絶している。


おやじ隊員B

『駄目だ〜武器管制室の隊員が負傷した模様です』

艦長

『何人か、武器管制室へ行ってくれ』

おやじ隊員達

『了解〜』

艦長

『その間、気合いで持ちこたえろ』

おやじ隊員B

『おー!』

弱ったとはいえ、鯛の攻撃力は、大弩號にダメージを与え続ける。


通路内には、鯛の攻撃の衝撃で、負傷者した隊員が倒れている。そこを通り抜けて、武器管制室へ急ぐおやじ隊員三人

数分後…

おやじ隊員F

『着きました。スタンバイOK』

艦長

『うむ。主砲発射準備』

おやじ隊員B

『ターゲット、ロック』

艦長

『うて〜!』

直撃は避けられたように見えたが、ヒレに一発命中!体勢を崩す、鯛!

その後は連続して、鯛命中する。かなり弱る鯛。


艦長

『よし、艦首一撃砲、発射用意』

神宮寺

『了解!』

一撃砲と書かれている赤い大きなスイッチを押す。

すると座席が割れて、中からレバーが出てくる。

サイドのレバーを引くすると、大弩號の艦首ドリルの回転が始まる。


おやじ隊員D

『回転率30%、水素エンジンバイパス接続、一撃砲へエネルギー伝達開始。一気に80%へ』


●回転から渦巻きが発生。鯛を巻き込み動きを止める。まるで、蜘蛛の巣に掛かった蝶々のように…。


神宮寺が照準を合わせる

『照準OK!』


●艦首のドリルのターゲットが、鯛に合わされる!


おやじ隊員B

『回転率MAX』


●回転の渦巻きがMAXになった瞬間に7色に変わると同時に海上へ伸びる。

鯛も一緒に海上へ!


艦長

『艦首一撃砲、発射!』

神宮寺

『発射!』

トリガーを引く!


●空に舞い上がった鯛を目掛けて、艦首のドリルが発射!一瞬にして鯛を貫く。そして、渦巻きも更に激しく真空状態に、水がカマイタチのようになり、鯛の体を粉々に粉砕する。

7色の渦巻きが徐々に水しぶきへと変化する中、大弩號がゆっくり海面に浮上。


●朝焼けの中の大弩號

甲板に隊員達が出てくる。負傷者もいるが、皆、元気そうである。

そして、海岸に向けて、敬礼をする。


その大弩號を遠くで見ている藤本司令と仲西大義くん。『僕の願いを叶えてくれたんだね。ありがとう』


●大弩號が、ゆっくり潜水する。


■地下ドック

黒沢と数名が、鯛を分析している。

黒沢

『明らかに今回の鯛は、おかしい。いつもの大型魚ではないな。もっと詳しく分析しないと…』


運航レコーダーの録画をモニターで確認している黒沢。鯛の映る画面をズームしてみると、鯛の赤い目の中に映る意味不明の文字が…。

黒沢

『なんだこれは?』


大弩號は、戦艦であり漁船であり、その他へと形を変える事が出来る艦です。一撃砲も、いろいろ仕掛けを考えています。

枠に囚われない自由な発想、そして、皆さんにも、乗って頂ける艦を目指したいです。

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