第一期 第3話R『おやじの会』
この話は、初期プロットに後から追加した作品です。
■京都 嵐山に位置する、私立嵯峨嵐山幼稚園…創立100年近い、木造が残る伝統ある幼稚園である。
●今日は、幼稚園のおやじの会のイベントの日である。今回のイベントは、水ロケット作りで、多数のお父さんと子供達が参加している。
●おやじの会とは、幼稚園に在園している、お父さんを中心にした子供達との遊びを楽しむ会である。
そして、そのおやじの会のメンバー過半数こそが、トンガリ戦艦こと大弩號の主力メンバーなのである。更に、幼稚園の藤本園長先生が、組織の司令官の1人でもある。
※これから、トンガリ戦艦を大弩號の名称になります。
●イベントは無事終了。
一部のおやじの会のメンバーは、一旦、家に帰り、子供を置いてから、再集結、打ち上げの飲み会をするのが恒例行事である。今回は、12名の参加。
そして、今回も飲み会は絶好調に進んでいる。
会長
『完璧に酔うの前に、次回イベントのお知らせと、訓練スケジュールの一覧表をお渡しします。それぞれ、なるべく参加して下さい。以上』
おやじ達
『了解!』
漢艦シリーズ 大弩號 第一期 第3話R 『おやじの会』
■自衛隊の偵察機が和歌山県近郊を飛んでいる。
パイロットA
『そろそろ目標物と接触する頃かな?』
パイロットB
『レーダー反応あり』
パイロットA
『高度を下げる』
パイロットB
『水中センサー射出!』
偵察機から、水中センサーが投下、水中で展開
パイロットB
『モニター確認。間違いなく大型魚です』
パイロットA
『本部に連絡!』
●地下ドッグの管制室
仕事依頼のメールが入る
黒沢
『きたきた…でも確か今日は飲み会だし…ま、大丈夫かぁ!自衛隊で、ギャラも良いから受けちゃお〜と』
●おやじ達の飲み会は続き、そろそろ帰ろうかな?と思った時…各自の携帯のメール着信が鳴る。皆、一旦、知らない振りをするが、飲み会に参加していた園長先生が、司令官の顔になった瞬間、仕方なくおやじ達が参加の返信を出す。
■地下ドッグ・管制室内、ブリーフィングルーム
艦長&黒沢が唖然…
酔っぱらいのおやじ隊員、お店上がりのキャバ嬢隊員…
ブリーフィングルームが酒臭い状況に…
オマケに、酔っぱらい藤本司令官…
黒沢
『今回の仕事ですが、和歌山県近郊に、大型魚が現れたそうです。今回も、食糧としての価値があり、必ず市場に流して下さい…』
隊員達は、聞いてない…
艦長
『皆、大丈夫かあ?』
黒沢
『…』
藤本園長
『大丈夫れ〜す』
艦長&黒沢
『…』
艦長
『黒沢くん、出航準備』
黒沢
『了解』
地下ドッグに明かりが灯る。000のゲートが開き、中から一隻の戦艦が、ドッグに移動。
黒沢がマイクで…
『本体は壱型装備、武装は、A型装備で、スタンバイ』と、声を入れると、沢山の隊員と作業員が出て来る。それと同時に、固定された戦艦の下が開き、パーツがせり上がる。そして、戦艦に装着。隊員と作業員が乗り込み、準備開始。
艦長が、司令艦橋へ上がる。そこには、沢山のおやじ隊員とキャバ孃がいる。全員フラフラ状態。
艦長
『何ダラダラしておる。全員持ち場に着け』と指示を出す。
おやじ隊員達は、『オ〜〜!』と弱い返事をしつつ、辛い顔で座席に着き、キャバ孃は下部の艦橋へ移動する。
艦長は、艦長席に座りキーを差し込む。すると運航システムが起動。
親父隊員が、
『運航、システムクリア』『武器管制、システムクリア』
キャバ孃隊員が、
『皆まとめて、システムクリアど〜す』
黒沢
『発進ゲートへ移動開始』『今回は、ルート7で、お願いします。』
『皆さん、ゴミ袋は一人一枚、必ず用意して下さい。汚さないでね』
親父、キャバ嬢隊員の返事はないが、ゴミ袋は用意している。
黒沢
『あ〜あ』
と、移動開始ボタンを押す。
トンガリ戦艦が移動開始。隊員達は、椅子に固定。
前進→上に上がる→回転台に固定→ルート7の所へ回転→ルート7ゲートに入る→ゲート閉まる→ゲート内にある車両と接合→注水→ガントリーロック解除→サイドの車両と接合→外へ向かうゲートが沢山開く→信号機が赤から青へ
艦長
『出発!出航!』
一人のおやじ隊員が何かに気が付いた!
『ちょっとタンマ!』
発進直前に停止した
おやじ&キャバ嬢隊員、ごみ袋1枚からゴミ袋装着可能の安全ヘルメットに変更し、頭に被った。!
黒沢
『確かに、その方が、袋1枚よりは安心だわ。ナイスアイデア!偉い!』
艦長
『では、出発!出航!』
改めて、加速レールから、大弩號が発進する。
ジェットコースターのように…
大きい滝の中から、飛び出すトンガリ戦艦!
そして、海に着水。
艦長
『みんな、大丈夫かぁ?』
一部のおやじ隊員は、酔いがまわりダウン。残りのおやじ隊員は、どうにか手を上げれる程度だが、ジェットコースターで、酔いが覚めたようにも見えた。
モニターの黒沢
『汚してませんか艦長?』艦長
『大丈夫だ、うまい具合に酔いを覚ました者も居る感じだ』
■ゆっくり航行している大弩號
モニターの黒沢
『今回の主砲は、ロープなしなので、連続撃ちが可能です。宜しく!』
艦長
『主砲発進準備。敵との遭遇時間は?』
気がついた、キャバ孃隊員『あと、少しで接触します。多分…あ!見えましたよ。アレです』
おやじ隊員B
『了解、発射!』
艦長
『え?!』
●主砲が発射される。
余裕で避ける魚
モニターの黒沢
『早すぎだって』
●魚が大弩号側面に激突
その衝撃で、舵を切りすぎたおやじ隊員
ぐるぐる回転する大弩号。そのまま海底に定着。
次々、酔いが覚める隊員達おやじ隊員D
『あ〜びっくりした〜』
艦長
『主砲、発射』
おやじ隊員B
『発射』
今度は、魚に命中!
艦長
『今だ!捕獲ネット、発射!』
おやじ隊員A
『了解!発射!』
大弩号の艦首ドリルがひも付きで射出!大型魚介類の上で左右に開き、中から網が展開。
魚は網の中へ!
艦長
『控えめの電力解放』
網の中で、電流が流れる
■朝イチの市場
和歌山の市場には、大きなイサキが一匹横たわる。
●寝不足のおやじ隊員達は、各自、家に帰宅。奥さんから、大目玉。
そして、おのおの通常の仕事へ出勤!
●一方、司令官は、大弩號の発進後、とっとと家に帰宅。何もなかったかのように、翌日は幼稚園の園長先生に…
そんな園長先生は素晴らしい〜!!
主人公のバックボーンが、少し見えるように追加しました。