第一期 第2話R 『くるりと廻って、海老ですよ〜!』
初期プロットの2話になります。
●ある晴れた日の朝
目覚まし時計が鳴る。
目覚ましを止める、1人のおやじ。名前は『神宮寺鉄男』と言うらしい。(今後、変更になるかも…、その時は、ごめんなさい)普段は普通の会社員だが、もう1つ違う顔を持っている。服を着替え、下の階に降りると食卓に、嫁と幼稚園児の娘。
『おはよう!昨日も遅かったわねぇ〜』
『あ〜、ちょっと残業で…』
『体を壊さないでね。生活が困るから…』
『…』
『お父さん、お仕事、頑張ってね』
『ありがとう〜』
『ん、今日は朝から、イカ焼きかい?』
『大漁に取れたらしく、安かったから、お弁当に入れたの…その残りよ』
『そうかぁ…』
何気ない家族の風景であった。
■回想…
港の水揚げ付近の某研究所
艦長、黒沢、神宮寺他の隊員達、更には研究員達。
『このイカ、みんな食べて帰って来ましたね』
『美味しいよ〜』
『でも、毎回、思うけど、食べても大丈夫なんだろか?』
『でも、美味しいよ〜』
『何度、解析しても普通のイカでした。何の問題もありません…もちろん、今までの魚介類も大きいだけで、普通でした。』
『今日中には市場、明日には、全国のお店に特売で出るんだろうなあ』
『大型魚介類の発生により被害は出るけど食糧としては使えるし、世界的な食糧不足に一役かってる事は間違いないし…ま、それはそれで良いか…』
■海に突如として、現れた大型魚介類…。世界的に大被害をもたらしていたが、世界的な食糧不足に一役かっているのもまた事実である。ちなみに、この件は、海洋生物保護団体も、様子見状況が続いている。
■漢艦シリーズ 大弩號
第一期 第2話R
『くるりと廻って、海老ですよ〜!』
■ある秘密の地下ドッグ
管制室
黒沢
『人件費、食費、飲み代、設備維持・改造費っと…結構、掛かるなぁ…もうひと稼ぎしないと…』と、そこへパソコンが、メールを受信。
件名 仕事依頼
『敦賀に、海老が来襲 退治願う 依頼料金は、いつもの口座に、来週の月曜日までに送金します』
依頼主
日本沿岸守備協同組合
担当 青森春作
世界沿岸守備軍
極東支部 外注課
担当 三上真二
黒沢、返信をする
『お受けしますが、日本海側ですので、少しプラスしてくださいな!』
相手から返事が来る
『10%アップで如何でしょうか?』
更に返信をする
『30%は、駄目?』
更に返事が来る
『さすがに30%は…15%アップで、何とか、お許し願えませんか?黒沢さんには、お布施を考えますし、今後の優遇も考えます、なるべく他社さんへは、発注しませんから…』
返信をする
『了解しました。お布施、期待しますよ〜』
送信後、いつものように、スケジュール表作成、添付メールをMLにて送信をする。
そのやり取りを陰ながら、見ている女性のシルエット…。
『黒ちゃんには、いつか教育的指導をしなきゃね…』
順次、返信メールが帰って来る。
『今回は、何と艦長が休み〜!!サツキちゃん、ナナちゃんもろもろ…お休みがやけに多そうだな…こりゃあ稼働人数ギリギリそうだ…、ま、いいか…』
『艦長代理は、神宮寺さんに、お願いしよう。次期会長候補だし…』
メールを受信後、参加一覧表を作成、MLにて送信。
●日本海 上空…
物体が泳いでいる。その上を飛ぶ沿岸守備隊所属偵察機シーカル【海駆】。
堀田隊員
『今度は、海老かぁ…』
岩村隊員
『この前のイカは、結構、美味かったよ。海老はどうかなあ』
●地下秘密ドッグ
管制室を始め、地下秘密ドッグ全体に明かりが灯る。
●000のゲート【並びには、多数のゲートがある】が開き、中から一隻の戦艦が、管制室の横のドッグに移動。そして、固定される。黒沢がマイクで…『壱型装備、A型装備で、スタンバイ』と、声を入れると、作業員が出て来る。それと同時に、固定された戦艦の両サイドの下が開き、パーツがせり上がる。そして、戦艦に装着。装着完了と共に、出航準備を開始。
●艦橋
そこには、いつものようにおやじ隊員とキャバ嬢隊員が人数少な目だけどいる。
神宮寺
『今日は、事故のないように、宜しくお願いします。では、全員持ち場に着いてください』
おやじ隊員達は、『オー!』と返事をしつつ、運航・戦闘関係の座席に着き、キャバ嬢隊員達は下部の運航補佐&解析、レーダールームへ移動する。おやじ隊員達は、やっぱり残念そうな顔をする。隊員達は、それぞれ席の横のカードリーダーに、会員証をスラッシュ。
艦長席のモニター及び黒沢の前のモニターに、座席表に隊員の名前が上がる。
その座席表に≪とりあえず運航可能人数だよ!≫の判子が押される。
神宮寺は、艦長席のモニターを確認後、不安げな顔をしつつ、自分の席に座り、席横の補助スターターに、スペアキーを差し込み回す。運航システムが起動。
おやじ隊員達が、『運航、システムクリア』『武器管制、システムクリア』『機関正常』『いつでもOK』
キャバ嬢隊員達が、『みんな、まとめて、システムクリアで〜す』
モニターの黒沢
『今日の参加者は18名のみです。』
『発進ゲートへ移動開始。今回は、ルート10になります。お気を付けて、前回のように壊さないで下さいよ』
おやじ隊員達
『前回は、あなたのせいだって』
黒沢
移動開始ボタンを押す。
■隊員達が、椅子に固定されるとトンガリ戦艦が移動開始。前進→上に上がる→回転台に固定→ルート10の所へ回転→ルート10ゲートに入る→ゲート閉まる→ゲート内にある車両と両サイドが接合→注水→戦艦の両脇に射出用の車両が接合され→ガントリーロック解除→外へ向かうゲートが沢山開く→信号機が赤から青へ
神宮寺
『出航!』
おやじ隊員達
『お〜!』
キャバ嬢隊員達
『オー♪』
レールにそって地下にゆっくり斜めに下がる、着地後、高速レールに乗って、真っ直ぐ直進、ネオンが綺麗、停止。正面、大型ゲートが開き、海中に潜入。
キャバ嬢隊員A
『この発進は、ゆっくりで、間のネオンも素敵』
モニターの黒沢
『ネオンにも拘りました』おやじ隊員A
『俺達は、興味なし』
モニターの黒沢
『今度までより更に、改良しないと…』
おやじ隊員B
『なんで?』
キャバ嬢隊員B
『あと15分で、海老と接触します。今日は、早く、家に戻りたいので宜しく!』
おやじ隊員達
『了解〜』
おやじ隊員B
『艦首及び主砲発射システム!今回は問題なし』
神宮寺
『でも、油断せずに、気合いで行きましょう』
おやじ隊員達
『了解!』
キャバ嬢隊員A
『デッカイ海老が来ました』
キャバ嬢隊員B
『刺身もOKな感じの元気さです。焼きより、活け作りにして食べましょう!』
おやじ隊員C
『射程内に入りました』
神宮寺
『主砲発射!』
主砲から、鋼のロープ付きの銛が発射される。
皆は、今回の銛には、なんでロープが付いてるんだ!と思った。
ロープ付きの為、弾道のスピードが遅く、海老のサイドをかするが避けられた。
今度は海老の反撃、尻尾を折り曲げ、トンガリ戦艦の側面を攻撃!
戦体が大きく傾く。
急ぎ銛の鋼のロープを巻きに入るトンガリ戦艦。
その間に、海老の第2打!今度は、頭から、トンガリ戦艦の側面に突進!
流石に、ひっくり返る、トンガリ戦艦!
全員
『わ〜』
黒沢
『バランスの見直しだな』おやじ隊員A
『お前〜!』
モニターの黒沢
『右舷推進ロケットを宜しく』
おやじ隊員E
『ベタじゃねえかよ』
スイッチを押す
右舷推進ロケットの勢いは凄く、トンガリ戦艦あっと言うまに5回転くらいした。その回転に起こった波に呑まれた海老!体制が崩れる
隊員達
『目が回るよ〜』
『気分悪い…』
神宮寺
『とにかく、今だ、主砲発射!』
主砲が発射される。
主砲の弾=鋼のロープ付きの銛が、海老胸に刺さる!すかさず、ロープを巻き上げる!
おやじ隊員A
『クラクラするけど、よっしゃー突っ込むぞ』
キャバ嬢隊員B
『ふらふらしてるせいか、エネルギー残10%になってるように見える〜』
おやじ隊員達
『え?』
モニターの黒沢
『右舷の推進ロケットのパワー上げすぎたな…ここも改良しないと…』
トンガリ戦艦のトンガリが海老の頭部に刺さる。
大漁の旗揚げるトンガリ戦艦…その後ろの網の中には海老。
甲板では、いつものように隊員達が海老で一杯やっている…が、戦艦の移動に勢いが無い。
少し酔ってるキャバ嬢隊員『何かしら、ゆっくり過ぎませんか?』
おやじ隊員E
『エネルギーが少ししかなくだましだまし、ゆっくり進まないと帰れなくて…』神宮寺
『明日の仕事までに帰れたらいいけど…』
キャバ嬢隊員達
『最低〜』
朝焼けに向かう、トンガリ戦艦。無事に帰れるのか?
黒沢
『無事に、帰れますように…』
願いを込めて、てるてる坊主を付けている意味不明の黒沢。
メインキャラが、少しずつ登場してきます。A〜他のフリーキャラは、自分を当てはめてくださいね!