第一期 第19話R 『パンダ戦艦大弩號』前編
明けまして、おめでとうございます。新年の更新は、パンダ戦艦大弩號の話になります。
■プライベートルーム
黒沢
『一撃砲の雷と回転弾の改良もそれなりに見えたな…。あ!そう言えば艦載機の外装バリエーション案も詰めないと…、まだまだ、いろいろ考えないとなぁ〜。それと来たるべき陸戦対応の準備も進めないといけないし、リモコン操作の六本足、タンク、機関車、戦車みたいなフロート付き対応の陸上兵器もいるなぁ、憧れの小型戦艦、ヘリコプターも開発しないといけないし……。う〜ん………。あ!やっぱりあれを先に進めよう…コアの数も揃ってきたから…うん、そうしょう』
●図面を引き始めた。
■漢艦シリーズ 大弩號 第一期 第19話R
『パンダ戦艦大弩號』前編
■数日後
●所変わり、太平洋近海
●海上を飛ぶ、沿岸守備隊所属偵察機シーカル【海駆】
堀田隊員
『あのあたりかな?』
岩村隊員
『多分…。』
堀田隊員
『センサー投下』
岩村隊員
『了解』
●しばらくして…
岩村隊員
『センサーに反応。間違いなく、ゆっくり進んでる。それも、かなりの大型』
堀田隊員
『本部に報告』
■黒沢プライベートルーム
●管制室から内線が入る
今里
『黒沢さん、お仕事メールです。転送します』
●黒沢メール内容を確認。すぐさま、返信&MLを出し、管制室へ内線をかける。
黒沢
『仕事内容の確認と段取りをしました。今、そちらに行きます。あと、私のプライベート工場の物を地下ドッグへ移動をお願いします。』
今里
『了解。新兵器ですか?』黒沢
『兵器じゃないよ。眠れる魂だよ』
今里
『??』
黒沢
『今回の装備は、使える…ふふふ』
今里
『嫌な予感が…』
●今日は、おやじ隊員数名が、いつもの焼き鳥屋・居酒屋『おいでやす』で、飲み会をしていた。
おやじ隊員A
『最近は、やたら召集が多いよね』
おやじ隊員B
『それだけ日本近海もヤバイ状況なんだろうね』
会長
『海水浴が激減りだし、おまけに船便、船旅には護衛艦付きでも危ないから最悪な状況らしいし…』
おやじ隊員D
『嫌な時代ですよね。全く』
●おやじ隊員達の携帯に、メールが入る
会長
『行きますか』
■地下ドッグ
ブリーフィングルーム
山田艦長
『今回のターゲットは、海亀らしい』
黒沢
『あくまでも保護を優先です。クライアントには連絡済み、保護した後は、こちらで自由して良いそうです』
おやじ隊員B
『スッポン鍋?』
今里
『海亀だし…』
おやじ隊員C
『刺身?』
今里
『そんな残酷な事したら、駄目でしょう』
会長
『保護した後は、どうするんですか?』
●モニターに、いきなり、深作指令登場
『皆さん、ご無沙汰してます。』
山田艦長
『深作指令、無事にお帰りでしたか?』
深作指令
『今日、帰ってきました。それで、藤本園長に連絡をしたタイミングで、この件でした。』
今里
『ここで簡単に、説明しましょう。深作指令とは、藤本指令達と共に、大弩號のプロジェクトを立ち上げた創設者の1人です。』
相田
『現在は、京都の動物園の園長、詳しくは、別の機会に…』
会長
『誰に話てるの?』
今里&相田
『秘密』
●深作指令の横から顔を出す藤本指令
『と、言う事で、艦長、皆さん、早く保護して、皆で飲みに行きましょう』
会長
『で、保護した後は…あ、そうか!』
深作指令
『その通り、餌付けして、我が動物園で飼育します。その後、動物園のアイドルとして、デビュー!それも、大型魚介類としては、世界初の一大プロジェクトになります』
おやじ隊員A
『ようは、見世物にして、一儲けですね。』
深作指令
『そう!あ!ゴホン…じゃなくて、大型魚介類の生態系の研究を目的としてですね…』
おやじ隊員B
『その研究成果でも、更に一儲けですね。』
深作指令
『ピンポ〜ン!やっぱりWでボロ儲け…ゴホン、ゴホン、あくまでも世界平和の為に……』
キャバ嬢隊員達
『ひど〜い。信じられない〜。』
『何でも、お金なのね』
『愛護の気持ちはないのね』
『生かさず、殺さずって事なんだ』
『大人って最悪〜』
おやじ隊員達
『君らもたいがいひどい人だよ』
『確かに』
『同伴に、シュワシュワ〜』
『違う意味、もっと質が悪いかも…』
キャバ嬢隊員達
『私達は、何も悪い事してないし〜』
『売り上げイコール、給料だし』
『若い女の子と話せるなら、安い金額でしょ』
『夢の世界をプレゼントしてるよ』
『スケベな男が問題でしょ』
『そんな事言うんだったら、ビッグママに報告するわよ』
おやじ隊員達
『そ、それだけは〜』
『ごめんなさい』
『悪いのは、あの人達だけです〜』
山田艦長
『黒沢くん、そろそろ、まとめてくれ』
黒沢
『了解!今日の飲み会は、深作指令のおごりで、海亀の先行公開時には隊員とその家族を、まとめてご招待で如何でしょうか?』
深作指令
『え?』
おやじ隊員A
『もう一声!』
黒沢
『今日の二次会も、深作指令のおごりで!』
深作指令
『ええ〜』
キャバ嬢隊員A
『場所は?』
黒沢
『もちろん、あなた達のお店で!』
キャバ嬢隊員B
『ビッグママに、予約入れときます。』
深作指令
『あんまりだ〜』
黒沢
『深作指令、商談成立!』相田
『最後は、やっぱり私欲ですね』
今里
『ま、こうなると思いましたが…(笑)』
深作指令 涙声で…
『よろじぐ〜』
隊員達、張り切って!
『了解!』
●深作指令の横にいる、藤本指令は、他人のフリ
会長
『でも、大弩號は攻撃兵器ばかりだし…』
山田艦長
『確かに。どうする黒沢くん』
黒沢
『大丈夫です。こんな事もあろうかと!』
相田
『さっきのプライベート工場から、ドッグに移動させた新装備を使うんですね。』
今里
『まさか、あ…あれを〜』
黒沢
『まさに、グッドタイミングでしょ』
山田艦長
『???』
黒沢
『皆さん、ちょっと待っててください』
●黒沢、管制室へ向かう
●ブリーフィングルーム
黒沢がモニターに映る
両サイドに、今里&相田&内海&蔵前
黒沢
『皆さん、今回は、このP装備を使います。このP装備で、新しい大弩號のスタイルが誕生します。正に、奇跡の瞬間!隊員の皆さん!一緒に見届けましょう!思い起こせば、数日前、奇跡を信じ!愛を胸に!造り上げたこのP装備………』
相田
『まえふり長いよ〜』
今里
『見ない方が幸せかも…』
黒沢
『………いよいよ幕開きです。大弩號、第二章!
整備員の皆さんも、気合い入れて、準備、宜しく!』
●黒沢が、カードを高く上げ
黒沢
『P装備カード、スラッシュ〜!』
●整備指示モニターに、P装備の文字が浮かぶ
●地下ドッグが真っ暗になり、聞いた事のあるような音楽が流れだす。
●地下ドッグ全体にミラーボールが全開!
まるで、昔のキャバレーか、ディスコの雰囲気。
今里
『いつ用意したの?』
蔵前
『私達が、さっき、用意しました。』
内海
『音楽も、実は、オリジナルで、作曲家のM氏に依頼し、即興で打ち込んでもらい完成させました』
相田
『素敵…』
蔵前
『ブイ!』
内海
『でしょ!』
今里
『そもそも、何か間違ってる』
■000のゲートが開き、中から一隻の戦艦が、管制室の横のドッグに移動。そして、固定される。
黒沢がマイクで…
『武装はA型装備で、スタンバイ』と、声を入れると、沢山の隊員と作業員が出て来る。それと同時に、固定された戦艦の下が開き、前部意外のパーツがせり上がる。そして、戦艦に装着される。
●そして、前部ゲートにスポットライト!
黒沢
『前部装備ゲート、オープン』
●一同、見守る中…
パーツがせり上がる!
一同、一瞬にして目が点になり、固まる。
●そこには、パンダの顔が…。無表情のパンダの顔が、艦首一撃砲の代わりに…それに、二本の手も付いている。
パンダのコスプレ姿の黒沢
『感動的な瞬間だ……………長い沈黙……………………アレ??』
●整備員も含め、一同、真っ白な状態。
黒沢
『みなさ〜ん!どうなさいましたかぁ〜?』
●数分後、気持ちを持ち直し、隊員と作業員が乗り込み、準備開始。
■艦橋内
艦長、おやじ隊員とキャバ嬢隊員達。まだ、全員真っ白状態が続く。
山田艦長
『とりあえず、出撃準備。全員持ち場に着け』と指示を出す。
おやじ隊員達は、『は〜い!』とボケた返事をしつつ、座席に着き、キャバ嬢隊員達は下部の艦橋へ移動する。
●山田艦長が、カードをスラッシュ。キーの挿し込み口が現れる。そこに、起動キーを差し込む。システム起動。モニターには、Pマークが点滅、その後、パンダの顔に変わる。
●各隊員も、座席に座りカードをスラッシュ
モニターには、Pマークが点滅、その後、パンダの顔に変わる。
黒沢(パンダの姿)
『艦内のモニター演出も、良い感じ(涙)』
おやじ隊員が、
『運航、システムクリア』『武器管制、システムクリア』
キャバ嬢隊員が、
『皆まとめて、システムクリアど〜す。ても、パンダ、可愛いかも〜』
黒沢(パンダの姿)
『発進ゲートへ移動開始』
●パンダ戦艦大弩號が移動開始。隊員達は、椅子に固定。
前進→上に上がる→回転台に固定→ルート7の所へ回転→ルート7ゲートに入る→ゲート閉まる→ゲート内にある車両と接合→注水→ガントリーロック解除→サイドの車両と接合→外へ向かうゲートが沢山開く→信号機が赤から青へ
艦長
『パンダちゃん!出撃ですよ!!』
●ストッパーが外れ、パンダ大弩號が発進!
加速レールから、ジェットコースターのように発進する…。先端のパンダは、手をパタパタしている。
●大きい滝の中から、飛び出すパンダ戦艦大弩號!
先端のパンダは、手を真っ直ぐにしている。
●そして、海に着水。
絵的に不思議な感じ
続く…
後編に、続きます