第一期 第15話R 『おやじの会とは…』
14話と対になります。
■地下ドッグ
●大弩號の整備中
相田
『黒沢さん』
黒沢
『ん?』
相田
『この前、今里から聞きました。新人メンバー集めの話』
黒沢
『素敵な話だろ!』
相田
『た…確かに…(汗)でも、やっぱり設立や初期メンバーについての話が気になります』
黒沢
『やっぱりそうだよね。知りたいよねぇ〜』
相田
『はい』
黒沢
『じゃあ、ちょこっとだけ教えようかなぁ〜?』
相田
『後から、教えない〜とかは嫌ですよ』
黒沢
『わかった、わかった、初期メンバーの話は、ほんと長くなるから、ちょこっとだけ教えてあげる』
相田
『優しい回答…何か、こんたんありますよねぇ〜』
黒沢
『君も、そんな目で僕を見てるようだけど、根本的に間違いだよ〜。じゃあ今夜、藤本司令と飲みに出掛けるから財布持って、着いてきてね』
相田
『やっぱり…』
黒沢
『ギブアンドテイク、みんなで、幸せになろうよ〜』
漢艦シリーズ 大弩號
第一期 第15話R 『おやじの会とは…』
■おやじ隊員のベースとなっている、おやじの会とは?幼稚園に在園中の園児のお父さんの集まりである。
【新会員募集時期は、毎年、4月〜5月くらい】
毎月、いずれかの日曜日に、イベントを行います。
目的は、日頃、仕事で忙しく、子供と中々遊ぶ機会の少ないお父さん、そんなお父さんに月一だけは、子供と遊ぶ時間を作る事である。
もちろん、会のお父さん達が中心になり、子供達と遊ぶイベントを企画・運営をする。
更には、同じ世代の子を持つ父親通しの交流が目的でもある。
そして、その後の数回の飲み会で、園長先生が、大弩號のメンバーに介入。
毎年、介入に成功を納める流れである。
■大弩號の試運転は、2年前の秋から開始されたが、当初は、おやじの会のメンバーも少なく、動かすのがやっとのメンバーだった。※まだ、幼稚園に出来たばかりのおやじの会だったので、現役のおやじの会のメンバーが、かなり少なかったのである。
●大弩號も故障が多かったが、敵の数や、大きさも小さめだったので何とかクリアできた。
●そして、翌年から大弩號も改良重ね、おやじの会も人数が増え、やっと会長職が決まる等、組織化になった。
●大弩號の活動も、試運転を兼ねた出撃から、本格的な戦闘に、徐々に突入する。そして、それまでメインで戦っていた海上自衛隊との共同戦線から、大弩號へ単独シフト。
※余談だが、大弩號のエンジンは、特殊な水素系のエンジン、武器もエコなので、海の汚染などから考えるとなるべくしてなったとも言える。
●そして、今年の2月、年長のお父さんが卒園【おやじの会としては、四期、大弩号としては二期】で抜けて、今のメンバーでの運用になり、この物語が始まる。
※会長始め、三役は新・年中のお父さんから選別している。
※卒園メンバーも増え、OB会の設立も準備されている。
■ある日
新会員が、連日シュミレーター訓練を受ける中、いよいよ仕上げの大弩號での訓練を経験する日が来た。
■大弩號の右サイドに、コンテナが接続される。
艦長
『出航!』
●大弩號が大阪湾へ…
モニターの黒沢
『ダミー・バルーン放出します』
●コンテナから、沢山のダミーの大型魚介類が…。
艦長
『新隊員の皆さんと、ポジションチェンジしてください』
●艦橋内の座席の人が入れ替わる。
艦長
『主砲発射準備』
新隊員A
『発射準備OK』
艦長
『撃て〜』
●バルーンに命中
黒沢
『つぎ、マニュアル発射用意して下さい』
●新隊員、数名が主砲に向かう…
訓練は、数時間続いた…
■地下ドッグ
ブリーフィング・ルーム
黒沢
『今年は、更に良い感じのメンバーが揃いましたね』
艦長
『うむ。だが、敵の数も増えてきておる』
●後ろのドアが開き
藤本司令
『これから、大弩號は、私達、いや日本の希望になると思います。その為のメンバーについて考える日が来るかも知れません』
艦長
『そうですな…』
●解決してない課題は、いくつもある。
中でも、メンバーの事が重要である。
基本的に、在園中の約三年間が契約になるが、この入れ替わりを固定するべきなのかどうか?
OB会を設立して旧メンバーを集める事や、プロを入れる必要性の検討。
その他にも沢山の課題が残っている。
まだまだ、大弩號は未完成な艦なのだが、メンバーも未完成なのだ。
藤本司令
『みんなが飲み会をしています。行きましょう。』
●立ち上がり、藤本について行く、艦長、黒沢、外に出る。
一旦閉じたドアが、再び開き、黒沢が、マイクに向かう。
黒沢
『出掛けるけど、しっかり働けよ〜』
今里・相田
『ひぇ〜』
『り、了解です』
●そして、飲み会が盛り上がった。
藤本司令
『と、言う流れです』
相田
『こう何て言ったら…ラストのあたり、悲しくなります』
黒沢
『ギブアンドテイクって、ところかな?』
相田
『全く説得力ないっす。それに、初期メンバーの話は、さわりぐらい…』
黒沢
『その辺は、作者の都合なんだよ』
相田
『作者??』
藤本司令
『ま、細かい事は気にせず、飲みましょう。相田くんのおごりで!』
●相田は思った、この2人は、きっと悪魔だと…
●黒沢、藤本司令の姿が、悪魔になって、高笑いを始めた!
相田
『ひぇ〜(涙)』
黒沢
『何かデジャブーを感じるような終わり方な気がする…』
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■ここだけの話 その2
前回、おやじの会は、実在する会だと書きましたが、今は、OB会も、ちゃんと設立されています。
今までの経験を生かした、大弩號のお話が、これから続きます。楽しみにして頂けるのでしたら、幸いです。
作品の方向を悩んでいた時期に書いた為、その迷いが出ていたので、補足に時間が掛かりました。