第一期 第10話R 『背中で語れ!!』
前回の続きになります。
●戦闘水域
二匹目のタコは、動かなくなった大弩號を数回、足で叩くと、沿岸に向かって進み出す。
大弩號、沈黙…
今里・相田
顔色が青くなる。
『救援を出さないと…』
慌てる二人
●そこへドアが開く
振り返る今里・相田
『!』
■大弩號の艦橋
非常ランプが点灯
艦長
『みんな大丈夫か?』
額から血が出ている。
黒沢
『何とか…』
ビッグママ
『こちらも何とかね…』
藤本司令
『私は、大丈夫ですが…』
周りには、先生達が倒れている。下のキャバ嬢隊員達も力尽きていた。
艦長
『皆や艦は状況はどうだ』
ビッグママ
『皆、怪我はしてるけど、意識はある。』
黒沢
『艦も基本システムは大丈夫そうですが、潜航システムは損傷しました。復旧は難しいです。そんな事より皆の状態からして動かせる人が…』
『ここに居ますよ』
艦長、黒沢
『!』
漢艦シリーズ 大弩號 第一期 第10話R 『背中で語れ!!』
●おやじ隊員レギュラーメンバー登場!
会長
『下部の着艦口を開けて下さい。』
ビッグママ
『あんたら…やっとその気になったかい……待ってたわよ』
●着艦口からアームが出てきて、輸送艇が収納された。
艦橋に、おやじ隊員レギュラーメンバーが入ってくる。倒れている先生達を看護しつつ、座席に着く、おやじ隊員達
傷口を押さえている 藤本司令
『皆さん、よく…よく戻って来てくれました』
会長
『遅くなりました。全員じゃありませんけど、そこそこのメンバーは居ますから、どうにかなります』
艦長
『うむ。さあ、反撃です。号令を藤本司令』
藤本司令
『はい。大弩號、反撃開始!』
おやじ隊員達
『おー』
●大弩號が再び、動き出す。
黒沢
『ダメージコントロール』
●所々、攻撃で船体に穴が開き、半分、傾いている大弩號が、建て直される。
艦長
『まずは、ターゲットをこちらに引き戻す。サイドバンカー砲発射用意!』
おやじ隊員B
『ターゲットロック、発射準備了解』
艦長
『撃て〜』
おやじ隊員B
『発射!』
●大弩號のサイドに装備されているサイドバンカー砲が発射された!
●タコに命中、前回と同じようにタコが反転して、大弩號へ接近する。
黒沢
『また、同じパターンですね』
艦長
『主砲、正射で、撃て〜』おやじ隊員B
『了解!発射!』
おやじ隊員E
『ひょっとしたらまだ、他に居るかも知れません。広範囲で、魚介類の反応を手分けして探しましょう』
おやじ隊員F
『反応あり、本艦下に、二匹、目の前のを入れて、三匹、これで全部みたいです』
艦長
『黒沢くん、B装備黒は、あと何回くらい使える』
黒沢
『損傷率が高いので、あと一回が限界かと』
艦長
『あとは、気合いで…』
『大丈夫ですよ〜多分…』
黒沢
『今里・相田!』
今里
『001が、すぐさま駆けつけます。ご安心を!』
相田
『と、言いたいのですが、黒沢さんの適当なマニュアル見ながらなので…』
黒沢
『こらこら…』
おやじ隊員A
『そうと決まれば、行くぜ〜』
会長
『B装備スタンバイ完了』黒沢
『タコの目に赤い文字が確認できます。前回同様、爆発の危険が考えられる為、緊急ブースターを使い、加速を着けて、一気に叩き、爆発をやり過ごします』
ビッグママ
『そんなのあったのなら、早く使えバカ!』
●大弩號、後方から、緊急ブースターが現れ、加速開始。
黒沢
『ついでに、防壁展開』
ビッグママ
『だから、そんなのあったのなら、早く使えアホ!』
●大弩號が、宙に浮くくらい急加速し、タコに向かう!B装備の刃が輝く!
艦長
『切り裂け!』
●沿岸から接近してきた二匹目のタコを一瞬にして切り裂き、離脱。そして、タコは爆発した。
黒沢
『快感!』
ビッグママ
『アホかい、お前は!それより、続けて、下から三匹目が、その後から四匹目が、時間差で接近中だよ!』
艦長
『海面に向けて緊急ブースターと後部推進ロケット全開!艦首を海中に潜らせ、三匹目のタコにB装備を向けろ!』
●緊急ブースターと後部推進ロケットにより、大弩號の前部が海に、艦首から3分の1が海に潜り、3分の2が空に浮く。
おやじ隊員A
『推力アンカー射出!ブースター、ロケット、推力維持、艦首固定』
おやじ隊員B
『三匹目のタコに、ターゲットロック完了』
黒沢
『B装備、緊急射出準備OK』
艦長
『B装備、射出!』
会長
『射出します!』
■近くに接近中の001空母?艦橋
今里
『えらい大胆なカッコ』
相田
『前から沈んでるように見える…』
●三匹目のタコに向けて射出された出刃包丁のB装備。
●見事に、頭部に刺さった。そして、三匹目のタコが沈み、下にいた四匹目のタコと接触した。
●接近する001空母?
相田
『間に合った感じですか?』
黒沢
『いいから急いで!大浪漫に付けといたコンテナを射出してくれ!マニュアルに書いてあるから!』
今里・相田
『大浪漫??』
艦長
『この態勢の維持は、艦の強度が持たない。真っ二つになる』
ビッグママ
『はやくおし〜!』
今里
『了解!大弩號のビーコン確認』
相田
『コンテナ、緊急射出します』
●001空母?の艦底から、コンテナが射出!
●ビーコンに合わし、大弩號に向かうと同時に、コンテナがパージ。中から、ドリル ユニットが現れ、大弩號の先端にドリルが装着される。
黒沢
『よっしゃ!ぶっつけ本番、大成功!』
艦長
『このまま、船体を維持し、艦首一撃砲を撃つ!』
会長
『了解!』
●一撃砲の赤い大きなスイッチを押す。
すると座席が割れて、中からレバーが出てくる。
サイドのレバーを引くすると、大弩號の艦首ドリルの回転が始まる。
おやじ隊員D
『回転率30%、水素エンジンバイパス接続、一撃砲へエネルギー伝達開始。一気に80%へ』
●ドリルの回転から渦巻きが発生。二匹のタコを巻き込むと同時に動きを止める。まるで、蜘蛛の巣に掛かった蝶々のように…。
艦長
『よし、次は、艦尾を海に潜らせろ、ブースターとロケットを逆に!』
おやじ隊員A
『了解』
黒沢
『船体が折れないように!』
会長
『衝撃とGには、気をつけて下さい!』
艦長
『海中から空へ、一本釣りだ〜』
●今度は、ブースターとロケットの推進力を逆にし、大弩號の後方が海に潜り、艦首が一撃砲の渦と共に、海面〜海上へ向けられる。
それと同時に、海中から空へ、渦と共に舞い上がるタコ二匹!
●艦首のドリルのターゲットが、タコに合わされる!
会長
『照準OK!』
おやじ隊員D
『回転率MAX』
●回転の渦巻きがMAXになった瞬間に7色に変わる。
おやじ隊員B
『艦首展開』
艦首のドリルが展開!
艦長
『艦首一撃砲、発射!』
会長
『発射!』
トリガーを引く!
●空に舞い上がったタコを目掛けて、艦首のドリルが発射!
ドリルは、一瞬にして二匹のタコを貫く。
そして、渦巻きも更に激しく真空状態に。そして、水が、カマイタチのようになり、タコの体を粉々に粉砕する。
7色の渦巻きが徐々に水しぶきへと変化する中、大弩號がゆっくり姿を現す。
艦長
『みんな、ありがとう』
藤本司令
『本当に、ありがとうございます』
●おやじ隊員レギュラーメンバーの笑顔。
その周りには、黒沢、ビッグママ、キャバ嬢隊員、先生達、モニターには、今里・相田
●各地域の戦いもほぼ終了。大弩號と001空母?は、帰艦した。
●朝方
会長が家に帰ると、手紙があった
『お父さん、守ってくれて、ありがとう』
『いつも、ご苦労様』
少し涙ぐむ、会長
他の隊員の家でも、同様の出来事があった。
●エピローグ
■地下ドッグ
大弩號、001空母?が並んでいる。よく見ると…
大弩號は、ちょっとボロボロ、001空母?は下部が半塗装状態
■管制室
相田
『おやじ隊員の復活も、めでたし、めでたし。それに、こうして二隻並ぶと、なかなか壮観ですね。でも、まさか001が空母とは…002は何ですかねえ?』
今里
『大弩號以外のゲートの事は、黒沢さんも教えてくれないし…。今回は、あくまでも緊急事態だし。でも、ゲートオープンした時は、ほんとびっくりしましたね』
相田
『ほんとに、マニュアルは手書きで適当だったけど、セミオートタイプの艦だったから何とか動かせて良かった。』
今里
『ひょっとしたら002以降も全部が艦で、すべてオープンしたら、壮観な大艦隊になったりして!ま、人も居て、使用許可を出して貰えればですが…』
黒沢が部屋入って来る
『それは無いな』
今里
『え、何でですか?』
黒沢
『秘密…あ、それと001は、地球名を大浪慢と言うんだよ。ちなみに、修理・修復・改良・開発、すべてが完了してなく、今回、動いたのは奇跡だったの。よく動かせたねえ』
今里
『奇跡って…やっぱり曰く付きだったんですね』
黒沢
『動いたしOKOK』
肩を落とす、助手達
相田
『修復って?黒沢さんが今まで、こっそり造船していた艦じゃないんですか?』黒沢
『それも秘密、それと、000は、大弩號じゃないよ。名前は皇、そういえば、読者の皆さんにも言って無かったよね。で、外装を着けて、外観を変更したのが大弩號=地球名って訳、わかった?』
今里・相田、肩を更に落とす。『あ〜あ』
■ブリーフィングルーム
藤本
『以前から、少しは聞いていましたが、そんな事が…』
艦長
『もう過去は変えられませんが、未来は、選べる、そして、これから作れます。でも、まさか、こんな形で二隻が並ぶ事になるとは…』
ビッグママ
『運命?それとも宿命?かしらねぇ』
艦長
『やはりあの頃をつい思い出してしまうな…』
ビッグママ
『……』
藤本司令
『ですが、これからは大浪慢の力も必要です。黒沢さんが言うには、大弩號と同じで40%程度の復元率だそうですが…』
ビッグママ
『修復しつつとなると、基本的には、交互の使用になりますね。ただ、同時に出撃の場合は、艦長の負担が…』
艦長
『それでなんだが、hitomiいや、ビッグママ、これから大浪慢をお願いしたい』
ビッグママ
『…あの時と同じ様な結果にはしたくない、あの子達に同じ思いをさせたくない…。分かったわ、引き受けさせて貰います。』
艦長
『すまない…』
藤本司令
『宜しくお願いします。あと、おやじ隊員も復活しましたし、それに伴い、二隻の人事構成を検討しましょう。』
艦長
『そうですな』
ビッグママ
『了解』
●艦長、ビッグママ、大弩號、大浪漫には、どんな秘密があるのか?そして、002以降のゲートは、開くのか?実は、ゲートの数は、32×32=1024もあるのだ!
相田
『おやじ隊員の復活は、これ以上、触れないんですね』
今里
『それより、いったい、誰と話してるんですか、黒沢さん?』
黒沢
『ヒ…ミ…ツ!ハートマーク!』
少しクライマックス要素はあります。それは、当初は、13話コンセプトだったので、このままクライマックスに突入する予定だったからです。