カリスマ
私は久しぶりに取ることができた休みを外で過ごそうと考えた。
普段から人に見られる仕事をしているので、休みの日くらい誰の目にも止まることのない優雅な時間を過ごしたいのだが、どうしても私の中に眠るカリスマがそれを許さないらしい。こうしてそのままの姿で顔を晒すのはいけないと言われているがそんな事私には関係ない。
ほらみろ、素人達が私を見ている。
道行く人が皆私を注目している。
写真を撮る者。
その目に本物を焼き付けようと凝視する者。
中には恥じらいからか顔を赤らめ、手で覆う者もいる。
私は両手を広げ天を仰いだ。
遠慮することはない。
君たちの好きなように私を楽しむがいい。
「ちょっとすみません」
おいおい止してくれ。
今私は皆の物だ。
ただどうしてもというなら仕方がない。
声の聞こえた方を向くと私の手元がカシャリと音をたてた。
「まず服を着ようか」