殺人を犯した教師の疑問
教室の隅にあるロッカーを開けると、とてつもない異臭とともに、どす黒い液体が床に広がった。ロッカーの中に閉じ込めていた女子生徒からとめどなく流れている、血だ。
ロッカーを開けた背広姿の男は、異臭に耐えられなくなり、思わず、その場で、ロッカーに向かって嘔吐した。黄色い――でもどこか透き通っているような液体が、ロッカーの中の女子生徒のセーラー服を染めていく。
チラリと見ると、ロッカーの中にいる女子生徒は、彼の担任するクラス――2年B組の生徒だった。
「ん……?」
たまっていたモノを全て吐き出すと、男は小さく首を傾げた
昼休みにロッカーの中に閉じ込めた女子生徒は、隣のクラス――2年C組の生徒だった。これはいったい、どういうことなのだろう。酒を飲んでもいないというのに、酔っ払って、間違ってしまったのだろうか……。
男は唸り声を上げ、首をさらに傾げる。
五分考えても、誰かが死体をすり替えたという答えしか、浮かばなかった――――
昼休みに殺人とか凄いなぁ……なんて