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愛したいのに・・・  作者: 安 和
7/7

現在

 毎朝の日課を そつなくこなしてはバイトに行く。

何が楽しいのか・・・ 

 そんな考えや悩みなんてなかったけれど、今日の通勤途中で偶然にしては奇跡に近いぐらいの出来事があった。


 いつも以上に乗り込んでくる乗客に押され、彼女が・・・。

彼女が、押され流され僕の目の前にきた。

 僕はと言うと、鼻息がフンフンして心臓の拍動が速くなってしまい いつ倒れてもオカシくない状態に。絶対に彼女に聞こえてるかも・・・と不安になりながらも グッと踏ん張って吊革に掴っていた。

捻挫が治りかけてきたのに そのせいで、足はガクガクとして降車の時には フラフラと酔っ払いみたいな足つき。運転手には

「大丈夫ですか?」と言われたけど 答えることもままならず・・・いつものコンビニのトイレで鼻血を出してしまった。

 フワリと香る彼女の匂いが今日は、ビンビンに鼻から入ってきたから。興奮してしまった。


 時折、揺れるバスの中 僕に当たる度に「ごめんなさい」「すいません」と謝る彼女。

僕は、答えることも出来ず軽く頷き返すだけ。香りも甘ければ、声色も甘い・・・僕のシャツには仄かに彼女の匂いが付いた。

 今日は、なんて良い日なんでろう。鼻にティッシュをつめながら鏡を見て僕は、今までしたことない笑顔をしてみた。


 彼女の柔らかい胸も当たり、匂いも・・・

そんなことばかりが頭の中をグルグル駆け巡り、仕事が手に付かずにいた僕に 相変わらず里中君は、ちょっかいを出してきたけれど 今日の僕は何を言われたのか、何をされたのか判らなかった。

 里中君に昼御飯のオカズを取られても・・・気付かなかった。

 ただただ、彼女の匂いを思い出すことだけで いっぱい、いっぱい。

 

 コレが恋なのかなぁ・・・?と考えてみた。でも、考えた末には悩みも出てきた。

僕は『デブで汗かき』、僕は『周りを不愉快にさせてしまう』、僕は『口下手』。

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