過去 ~その2~
いつだったか・・・多分、小学生の高学年になってからか。
僕の一人遊びに変化があった。
今まではママから買ってもらったテレビゲームが主流だったのに
天気がいい日には、外へでかけるようになった。
当てなんか無かったけど、ほとんどが少し歩いた所にある児童公園か工事現場の敷地だった。
人がいるときはブラブラその周りを歩くだけ・・・
いや、捨て猫とか飼い犬とか探していた。
あいつらって、可愛いから。
たまには触ろうとすると警戒して吼えられたり引っかかれたりしたけど、全然、気にしていなかった。
時に子猫なんか見つけちゃうと無性に興奮して、逃げても追いかけ続ける。
何処に住んでいるのか、兄弟はいるのか、親は?とか色々と想像して。
まぁ、いなければ僕と同じで一人ぽっち。
だったら僕が友達になって遊んであげようじゃないかってな具合で。
でも、ある時に追いかけすぎたのか子猫が車に轢かれて死んでしまった。
僕は、ショックというよりビックリしたけれど、
ドロッとしている赤黒い血の塊を目の前にした僕は、興奮した。
ただジィ~っとグシャグシャになった子猫の腹から飛び出しているモノに釘付けだった。
体の中から今にも噴出しそうな血液が僕をとりまいて、顔が火照り熱を帯び、
手指の先がジンジンと脈を打つ。
目の奥がグラグラと揺れる。
コレが僕の待っていた興奮。
人目があったかもしれないけれど、気がついたら僕は子猫を抱きかかえ
安全な場所、人目が無くなる場所、僕の秘密基地につれて帰った。
秘密基地だから誰も知らないし教える気も無い。
だからこそ、何でもできるから子猫の死体を持って帰ったのだが
いざ、ワンツーマン?になったら何をしようか迷った。
洋服は子猫の血で真っ赤か、特に腕にはドス黒い血と少し黄色がっかたグニュグニュの内臓が着いてしっまて臭い。
その時は無我夢中で、飛び出した内臓を触っていただけだったかな。
ただ、帰り際にすれ違う人に変な目で見られたり 家ではママが金切り声色で
「かおるちゃん、怪我なの! 臭いじゃないの! どうしたの!」
と五月蝿かった。
それでも、今さっき体験したことに興奮が収まらず 初めて
「うるさいっ!!」と怒鳴ってしまった。
そのまま脱衣場にいき、全身鏡の前で自分の姿を見たときは
さすがにオエェ~ってなったけど。
シャワーを浴びていると 外からママの泣き喚く声が聞こえてきた。
「・・・ちょっと言い過ぎたかな・・・」
そんな衝撃的な一日のおかげで、僕の奥底にある何かが出てきた気がする。