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7話 日々の労い②

7話 日々の労い

(ジュース。甘いジュース・・・・)

「飲んでいいぞ、好きなだけ」

そう言いシチューを口に運ぶ。(うん、美味しい。しっかりと野菜の旨味が染み出てる。これは明日グラタンでもいいな)じゃがいもを小さく細切れにして口の中に入れる。口入れた瞬間とろけると同時に甘さが口を満たす。

しっかりと素材が素材独自の味を出している。

「じゃ、じゃ頂きます」

最初にジュースを口にして、数秒固まる。その後何も無かったかのように、ニンジンを口入れる。

「美味しい……です」

頬緩めて、嬉しそうに呟く。

「それは良かった……、学校はどうだ?」

会話内容が出てこない。くそ、真面に人と接してこなかった事が今仇になってる。

「学校ですか?」不思議そうにこちらを見る保野華に

「あぁ、別に嫌じゃないなら言わなくてもいいからな」保野華は数秒沈黙してまたシチューを食べ進める。

「何もないですね。楽しい事も、嬉しい事も、そんな場所です。ヴァルキュリアは」黙々と淡々と喋る保野華を見て心が痛くなる。

「けど、学校外の時間は自由だろ?ヴァルキュリアは。何か友達と遊んだりとか……」

「いえ、私は隊長なので書類仕事に特訓それに……それだけですね」

「何とも思わないのか?」

真剣にそれに本人は気にしていなけどもやっぱり、心が痛くなる。自分が学生時代楽しめなかった。だから生徒に子供には青春を謳歌して欲しい。ただの偽善だと言われても変わらない。

「……皆が楽しんでいられるためには、誰かが陰にならないといけないんです」

声が震え始める。小刻みに震えて持っていたスプーンも小刻みに揺れる。それに気づいて保野華はジュースを一気に飲みして気持ちを静める。隊長である以上部下を背負う以上“甘え”は不必要。人に“弱さ”を見せるのは禁忌。

「別に良いんです、私の人生なんて、誰かの為になるならどうでも」

その“言葉”は冷たくそして切なく、……。

「そうか、わかった」

俺はゆっくりと立ち上がり保野華が居るところに向かう。

「だったら今夜思う存分遊ぶぞ!!」

唐突の誘いに保野華は口をポカンと開けて固まる。部屋にはシチューの牛乳の匂いで満たされていて。その甘さ故なのかそれても、急な不意打ちだったからなのか、保野華はどうしても断ることが出来なかった。

「何処にですか?」

静かに口を開けて問う。それは“嬉しさ”と“戸惑い”が混ざった今まで感じた事が無い胸の高まりが混ざった疑問。

「この時期だから、千紫万紅連合学院だな」

「千紫万紅連合学院ですか?」

「あぁ、あそこは自然豊かだからな、北の方に向かえば雪景色もみれるんじゃないかな」そう言い皿に残っていたシチューを平らげる。

「雪……」

そう呟き。保野華は立ち上がる

「私、雪見に行きたいです!!」

「だったら行く、千紫万紅連合学院」

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