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2話 出会いは突然に

「初めまして、今日の当番の黒鷺保野華です」

「今日はよろしくな」

濃いグレーのシップアップパーカーを着ている。パーカーの左肩にはオオカミのエンブレムが付いている。下は水色のプリーツスカートを刷いている。そして印象的なのは豊かでウェーブのかかった黒髪。頭上には同じ色のケモ耳が生えていて、黒い尻尾もある。エレミヤは非常に不思議な場所であると再認識する。ケモ耳も居れば羽を付けている人もいる。悪魔風の人もいる。そして全員に共通しているのは頭上には光輪が付いている。何度見てもここが基本軸の世界なのか疑問を持つ。まぁ、そんな事を深く考える必要はないんだけどね。

「……」

(それにしても小さいな)

保野華を見て最初に思った事は彼女の身長である。立場上、言ってはいけないが「小さくて可愛い!!」と思うくらいに身長が小さいに。

「えっと先生どうされました?」

保野華はさっきから言葉を発しない俺に不安そうな声で聞く。

「あ、すまん。ちょっと考え事をしてたんだ」

我に返って優しい(?)笑顔で伝える。

「あ、荷物と武器はそこに置いといてくれ」

エレミヤの可笑しい所はもう一つ住人全員が武器を持って基礎身体能力が高い。身体能力が高い理由は本当にわからない。ただ、銃に関しては連邦政府では法律で禁止されていないので護身用でハンドガン、SMGなどを持っている。が、保野華は、保野華とほぼ同じ大きさの鞄を持っている。恐らくその中に銃が入っている。

俺の見立てでは身長は140cmちょっと。つまり140cm級の武器を持っている事になる。(スナイパー系統か)

「ありがとうございます。それで、初めてで分からないんですけど私は何をすれば良いんですか?」

「そうだな……」俺は机に積まれている仕事の山を眺めて少し黙り込む。

「これをお願いできるか」そこから、FGCOの決算報告書など比較的重要度の低い仕事を取り出して隣に座っている保野華に渡す。

「分かりました」

ここで思ったのは何時も無駄に長いだけのオフィスデスクが初めて役に立った。これで仕事で分からない所も直ぐに教えられる。書類に判子、サインをしていきふと保野華の方を見ていると黙々と仕事を手伝ってくれている。書類仕事に慣れているのかのような手つきで仕事を終わらせていく。

「……」少し嬉しく感じ頬が緩む

数時間後

時刻は16時ちょっとすっかり夕方になっている。勿論には保野華しっかりと休憩を取らしている。夕日がガラス張りの広い執務室に差し込む。

そう思いながら最仕事が終わり、俺は座りながら体を伸ばす。

「ふぅー。今日はありがとうな、保野華」

「いえ、それよりもこの部屋に開く事が出来る窓ってありますか?」

「一応……あそこだけあるぞ」

「じゃあ、お借りしますね」

執務室唯一の開閉型の小窓に保野華が近づきカバンからライフルを取り出す。

(Barrett Model M82…ゴツいな )

手際よく組み立てる保野華を見つめながら心の中で呟く。

「……なんで、ここで組み立ててるんだ?」

「仕事…任務です」

「任務?」

「はい、FGCOで闇市(ブラックマーケット)の商人が取引するらしいのです」

「え、あ、けどそれ、対戦車ライフル…」

人を狙撃するのに対戦車ライフルは殺意が高すぎると言う話である。いくら、エレミヤ人が強いとしても対戦車 ライフルだとひとたまりもない。

「いえ、狙撃対象は取引される物なんです」

そう答えて射撃体勢になる。

「…うぅ、緊張する」

そう保野華は眉をひそめ呟く。

「だったら俺が狙撃補助しようか?」

勿論、エレミヤに来る前は銃を使用していたからある程度は扱うことが出来る。愛銃はAK 416とデザートイーグル。因みにBarrett Modelは使ったこともない。ただ狙撃補助くらいは出来るはず、多分。


「え、大丈夫なんですか、耳壊れますよ?」

そう保野華は鞄から防音用のヘッドホンを取り出す。

「大丈夫だ、俺も一応持ってるから」

机の引き出しを開けてヘッドホンを手に取る。

「取り敢えず、深呼吸だ。落ち着いて標準を合わせろ」

射撃体勢の保野華の隣座りアドバイスする。アドバイスを聞き保野華は一度目を瞑り。落ち着かせる。

「…風は追い風だから、偏差は問題ないな」

そう言いながら、俺は保野華がターゲットにしているであろう標的に目を凝らす。西のからの夕日が少し眩しいのを忘れば狙撃に最も適している。そう思いながら保野華を見る。相変わらずまだ緊張しているようだ。額に汗が流れ、体が小刻みに震える。

「落ち着け」

そう言い俺は保野華の頭を優しく撫でる。

「…はい」

保野華は返事をして一度目を瞑る。そして、目を開けると同時に引き金を引く。

放たれた銃弾は真っ直ぐと直線を描くように飛び、取引商品に命中する。

「当たったな…」

そう呟き保野華の頭を無意識に撫でる。

「ありがとうございます…けどその、手、」

頬を赤くして保野華は目を逸らす。

「あ!すまん、無意識なんだ、本当に他意はないんだ」

慌てて撫でていた手を勢いよく離す。慌てて 保野華から離れて、保野華を見る。やってしまった。可愛いものを撫でてしまう。昔からの癖が出てしまった。

う?生徒を可愛いって思うのも犯罪かって?

・・・・それは置いといて

「嫌だったよな、すまん」

背筋を伸ばしつつも、威圧的にならない程度に少し前かがみになる。謙虚な態度で落ち着いた声で、感情的にならないよう、誠意を伝える

「いえ、その…撫でられるのは好きなんですけど」

もじもじしながら頬を赤くして伊織の方を向く。

「少し恥ずかしかったので…」目線をそらして尻尾を振る

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