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女子ボートレーサー と市役所職員  作者: 池井 けい
第1章 住民課、丹沢純也
8/17

08 ラブホテルに入ろう!編

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【あらまし】

 丹沢「私はあなたに期待してるんです。あなたに夢をかけています」

 丹沢の言葉に、ボートレーサーの爽香は一生懸命練習することを決意する。

 爽香はターンの時、他艇の水しぶきを浴びてもひるまないように、丹沢と由利にバケツの水を思いっ切り顔にぶつけてもらうのだった。

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【主な登場人物】

速水爽香  20歳女 女子ボートレーサー

丹沢純也  30歳男 住民課職員、純粋な性格

由利源吾  30歳男 税務課職員、丹沢の親友

美浦市スポーツセンターの監視員

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【前書き】

●この小説には多くの数字が出てきます。そこで読者の皆様が読み易いように横書きとなっております

●多人数での会話も多いことから、誰が話しているのか、すぐにわかるよう会話の頭に台本形式で、氏または名を付けて表現しました

●この物語はフィクションです。実在の個人・団体、実際のレースとは一切関係ありません。ボートレーサーと市役所職員をモデルに、フィクションとして制作されたものです

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【01】 爽香は、トレーニングづけ 


 爽香の胸には、丹沢から言われた言葉が深く刻み込まれていた。

丹沢「私はあなたに期待してるんです。そして信頼もしてます。あなたに夢をかけています。あなたの舟券を買ったのは、私があなたに勝って欲しいという夢なのです」


 その言葉を胸に爽香はトレーニングに励んでいた。走り込み、腹筋トレーニング、体幹トレーニングに打ち込んだ。爽香は、過去今までにない必死な気持ちでトレーニングに臨んだ。毎日これでもかというほど、自分をいじめ、体を鍛えた。

 爽香は、荒川の土手を走りながら、ぶつぶつ呟やいていた。

爽香「あたし生きていけるのかしら?」

爽香「元々、ボートレーサーになることに、母親は反対だった」

爽香「一ヶ月以上経っても賞金はゼロ」

爽香「家賃は滞納」

爽香「おばあちゃんの大事な絵を市役所の人に売却」

爽香「ボートレース場係員から引退のすすめ」

爽香「あたし生きていけるのかしら?」

 爽香は、腹筋しながら、ぶつぶつ呟やいていた。

爽香「生活費がない」

爽香「自分の居場所がない」

爽香「頼れる人がいない」

爽香「相談する相手がいない」

爽香「あたし生きていけるのかしら?」

 爽香は、体幹トレーニングをしながら、ぶつぶつ呟やいていた。

爽香「なんとしても勝たねば」

爽香「なんとしても賞金を得なければ」

爽香「なんとしても負けない技術を身につけなければ」

爽香「そうしなければ、生きていけない!」

 いろんなことを考えながら体を鍛えていた。考えることによってその練習する時間が短く感じられた。考えることによって練習の苦しさが軽減されるように感じられた。


 速水爽香は走りながら考えた。

爽香(あたしは第1ターンマークで思い切って突っ込んでターンできないのよね。どうしても恐怖心が先に立って大回りしてしまうか、または、他のレーサーよりも一歩遅れてターンしてしまう。もし、もしもだけれどレーサーの間を切り裂くように抜けて行ったらどんなに気持ちの良いことか)

 爽香は過去のレースを思い出していた。

爽香(スタートラインから第1ターンマークまではトップで到達しているのに旋回するときにあまりにスピードを落としてしまう。それはなぜなんだろう? 恐怖心? 遠慮? もう先輩のレーサーに遠慮してはいられない、賞金がなければ生活できないのだから。そして、転覆や落水への恐怖心はなんとしても取り除かなければ。それにはどうすればいいんだろう?)


【02】 丹沢と由利は『淫乱の友』?


 ある日、速水爽香が丹沢の職場に電話をした。

爽香「ボートレースのことで相談があるのだけれど、相談に乗ってくれない?」

丹沢「もちろん、いいとも。でも私は、そのことについて詳しくないので友人を誘っていくね」


 丹沢はボートレースのことは詳しくないので由利を誘って速水爽香の部屋を訪れた。

 由利が爽香に挨拶をすると、

爽香「由利さんと丹沢さんってどんな関係なんですか?」

由利「丹沢さんと私の関係は市役所に入った同期で『きんらんのとも(金蘭の友)』ですね」

爽香「『インラン(淫乱)ノトモ?』」

由利「いえ、『きんらんのとも(金蘭の友)』ですね」

爽香「良くわかんない?」

丹沢「私にもわからん。『淫乱の友』なら納得するけれど」

由利「『きんらんのとも(金蘭の友)』とは『深く理解しあい、信じあっている親友』のことです」

爽香「由利さんって、難しい言葉を知ってるのね」

丹沢「由利さんは()()があるんだね。いつから?」

由利「()()()()!」

爽香「ははははは、バカねぇ」

丹沢「ウケた、ウケた」

爽香「相談と言うのは、お二人とも知っているとおり、あたし何度走っても最下位ばかりなの。何がいけないのか、どうしたら勝てるのか、どんな練習をすればいいのか、どんなことでも良いから言ってみて」

丹沢「そうだったんだ。何も知らなかったよ。私はボートレースに関しては、まったくの素人だから速水さんにとって役に立つようなアドバイスがひとつも言えないな。由利さんなら参考になるアドバイスが出来るんじゃないかなぁ?」


由利「そうだな、第1ターンマークまでトップで来てるのに旋回が終わると5着か6着、せっかく直線のスピードは出ているのに、すごくもったいない気がするな」

爽香「そうなのよね、あたしもそう思う」

由利「ターンの練習はしてる? 」

爽香「いっぱいしているわ」

由利「全速ターンも? 」

『全速ターン』とは、旋回するときに一番外側を全速力で回ることである。

爽香「随分練習したから出来てると思う」

由利「モンキーターンも? 」

『モンキーターン』とは、旋回するときにお尻を持ち上げて体重を艇の左前方に寄せ素早くターンすることである。

爽香「一応それもできるわ」

由利「差し技も出来る?」

『差し技』とは、相手レーサーの内側を廻ることである。

爽香「出来るはずなんだけど、レーサーになってから一度もやってない」

由利「ではそこから改善してみては?」

爽香「わかったわ、やっぱりそこなのね、あたしが加入している埼玉県支部会のレーサーと練習してみる」

丹沢「今言った支部会って何」

爽香「支部会というのは、同じ県出身のなどが集まって会を作るの。そのことによって仲間意識を高め、いろいろ情報交換をしたり、一緒に練習して技術を高めたりするのよ」

丹沢「でも福島県出身の人がなぜ埼玉県の支部会に入るの?」

爽香「それは福島県にはボートレース場がないから」

丹沢「えっ、ボートレース場というのは日本全国47都道府県にひとつずつあるんじゃないの?」

爽香「いいえ全国に24カ所にしかないわ」

丹沢「そうなんだ」

爽香「日本で一番北にあるのは群馬県の桐生ボートレース。それより北の都道府県にはないのよ」

丹沢「なぜないの?」

爽香「きっと寒くなると水面が凍ってしまうからじゃないの」

丹沢「そうか、水面が凍ったら走れないもんな」

由利「埼玉県に引っ越して、埼玉支部会を選んだんだ」

爽香「うん、埼玉支部会に加入させてもらい、挨拶状も事前に支部会のレーサー全員に出したわ」

由利「それなら問題ないね。先輩方から、いろいろ親切に教えてもらっているんじゃない?」

爽香「うん、いつもやさしくしてもらってる」

丹沢「良い職場環境なんだな」

由利「丹沢の職場は最悪だからな」

丹沢「それを言うな。思い出したくないんだから」

由利「ははははは」

爽香「丹沢さんは何か仕事で困った事とかないの?」

丹沢「そうだな、今回の住民実態調査で思い出したんだけれども、美浦市に住んでいるのに住民票を移してない男性が居るとか?」

爽香「例えば、どんな?」

丹沢「住民票では、母と子供だけの母子家庭なのに、住民実態調査に行くと、内縁の夫が住み着いていたり」

爽香「その男性もきちんと住民票を移せばいいのに」

丹沢「そうしたら、児童扶養手当が打ち切られたり、遺族年金がもらえなくなったりするからさ」

爽香「ふーん、悪知恵を働かせているのね」

丹沢「うん。挙げればきりがないさ」

爽香「突然調査に行って大丈夫なの?」

丹沢「中には怒ってホースで水をかけてくる者もいるし、バケツに水を入れてこちらにかけてくるのもいるよ」

爽香「じゃあ洋服にかかったらびしょびしょになっちゃうじゃない?」

丹沢「でも顔を狙ってくるので洋服はそんなに濡れないかな」

爽香「ふーん、そうなんだ。……待って!」

丹沢「どうかした?」

爽香「そうだ。それ、それよ!」

丹沢「『それよ!』って?」

爽香「ねぇこの美浦市に公営のプールはないの? 」

由利「あるよ」

爽香「今から連れて行ってくれる?」

由利「車で来たからいいけれど」

爽香「じゃあ決めた。よし、今すぐ3人で行こう!」

丹沢「今すぐプールかい?」

爽香「思い立ったが吉日よ!」

由利「今の話を聞いていて推測するんだけれど、ひょっとして、1マークの?」

爽香「もちろん、そうよ」

丹沢「なんだ、なんだ? 二人だけわかり合ってずるいぞ。私にはさっぱりわからない」

由利「ボートレースで最初のターンマークを旋回するときに、前を走るボートのしぶきが顔にかかって、前が全然見えないんだよ」

丹沢「なぁーんだ、そんなことか」


爽香「『なぁーんだ』はないでしょう。あたしにとっては死活問題だし、前に突っ込めないから、あなたに10万円が返せないのよ」

丹沢「だったらワイパー付きのヘルメットを買えばいいじゃないか。すぐ解決さ」

由利「そんなの売っているのか?」

丹沢「結構売っているよ」

爽香「ワイパー付きヘルメットなんてボートレースではまだ認められてないのよ」

丹沢「なら、認めるようにボートレース管理事務所に投書しておこうか?」

爽香「結構よ」

由利「爽香さんは、爽香さんの顔に我々がバケツで水をかけ、この練習により第1ターンマークの恐怖心をなくしたいんだよ」

爽香「さすが由利さん! ズバリ当たりよ。やっぱり頼りになるわ」

丹沢「私だって頼りになるだろう」

爽香「そうね、お金も出してもらったし」

丹沢「お金だけかい?」

由利「お金に物を言わせているのか?」

丹沢「ひとを時代劇の越後屋みたいに言うな」

由利「越後屋に顔つきが似ている」

丹沢「人聞きの悪い!」 

爽香「ふふふふふ」

丹沢「ははははは」

由利「ははははは。よし、とにかく行こう!」


【03】 バケツの水で特訓


 3人は由利の車に乗り、水着を取りに家に寄り、コンビニで軽く食事をし、美浦市スポーツセンターへ向かった。

 夜8時半、美浦市のスポーツセンターのプール。

 ポリバケツ2個を持参し、3人が水着になってプールサイドに立っていた。

由利「あと30分で終わってしまうから早速始めよう」

爽香「そうね、じゃぁ二人とも手伝ってくれる?」

由利「いいとも」

 爽香はプールサイドで四つん這いになった。それはモーターボートを操縦している状態を真似したものである。由利はプールに入り、バケツで水を汲んだ。そのバケツをプールサイドの丹沢に手渡した。爽香は四つん這いになったまま顔を少し前へ向けた。丹沢は爽香の顔めがけてバケツの水をかけた。爽香は思わず目をつぶってしまった。

爽香「続けて!」

 丹沢は、また爽香の顔めがけて放水した。爽香は少し下を向いた。少し下を向いたまま眼は前方を見るように心がけた。

爽香「続けて!」

 丹沢は、また爽香の顔めがけて放水した。

爽香「もっと思いっ切り!」

 その様子に気付いた監視員が3人のところへやってきた。

監視員「これはいじめか?」

爽香「違うんですあたしが頼んでやっているんです」

監視員「本当か、脅かされて言ってるんじゃないのか?」

丹沢「本当に彼女の言うとおりなんです。逆に、私が脅かされてやらされているんです」

監視員が爽香を指差して

監視員「君はMなのか」

爽香「はいそうなんです、わかりますか?」

 めんどくさくなってそう答えた。

監視員「そうなんだ、では仕方がない、しかし周りの目があるんだから、こんな公共施設でやらないでどこか他のプールでやってくれないかな?」

爽香「ごめんなさい」

丹沢「すみませんでした」

由利「わかりました、では外へ行きます」

 3人はプールを出ると由利の車に乗り込んだ。

爽香「やっぱり無理ね。あたし、あきらめるわ」

由利「いや、あきらめる必要はない。私に考えがある、他で同じことができる所ところがあるからそこへ行くよ」

丹沢「すべて由利さんに任せるよ」

爽香「お願いします」


【04】 ラブホテルに入ろう!


 由利は二人を乗せ、しばらく車を走らせた。やがて人家の無い所に一軒のラブホテルが立っているのが見えた。

由利「ここに入るよ」

爽香「えーっ嘘でしょ」

丹沢「なんでここなの?」

由利「このラブホテル、プール付きの個室があるんだよ」

爽香「嘘っ! そんなこと言ってあたしを無理矢理、」

由利「でも、その部屋が空いてなかったら帰るから」

爽香「もし、それが嘘だったらあたし大声を上げるからね。そして警察に言うからね」

由利「もし、プールがあったら?」

爽香「心から感謝する。一生感謝する。他に何か望みでも?」

由利「いや充分だ」


 3人は車から降りラブホテルに入った。受付の手前に、各部屋のパネル写真がバックライトで浮かんで見える仕組みだった。

 爽香がいち早くその部屋のパネルを見つけた。

爽香「あった! 本当にあった!」

由利「バックライトが点いているから空いているぞ」

丹沢「良かったな。」

 プール付きの部屋のパネルの下に

「408号室 休憩17,000円、宿泊25,000円」と二段書きされていた。

 由利は受付に行き

由利「408号室休憩で」

受付「1万7千円になります」

由利「クレジットカードでお願いします」

受付「はい、わかりました」

 左記ほどの408号室のパネルのバックライトが消えた。

 部屋の鍵を受け取ると3人はエレベーターに向かった。


 エレベーターで、

由利「ここなら個室にプールが付いているラブホテルだから、思いっきり練習できるぞ」

爽香「すごーい、こんなラブホテルがあったんだ」

由利「全国には、結構あるよ。この辺にはあまり無いけれど」

爽香「由利さんは、なんでこんなラブホテルを知っているの?」

丹沢「私も聞きたかったんだ」

由利「いや私も初めて来た」

爽香「本当?」

丹沢「嘘だ! だってここに来るまでいくつかラブホテルがあったけれど、迷わずここに来ただろう」

由利「そうだっけ?」

丹沢「白状した方がいいぞ。いったいいつ誰と来たんだ?」

由利「言えない」

丹沢「『言えない?』」

爽香「わかった、不倫なんだ」

由利「それはない」

爽香「即答ね。じゃぁ恋人と」


【05】 由利さんは、過去に誰と来たの?


 エレベーターが4階に着き、3人は部屋へと向かった。受付で渡された鍵でドアを開け、中に入った。さっきの話が続いた。

由利「そんなの居ない」

爽香「じゃぁ、別れた恋人と?」

由利「爽香さんはまるで芸能リポーターだな」

爽香「丹沢さんは越後屋で、あたしは芸能レポーター?」

丹沢「ははははは」

爽香「だって興味あるじゃない? そうでしょう丹沢さん」

丹沢「うん。でも由利さんに恋人が居ないのは確かだ。今まで聞いたことがない」

爽香「じゃぁプロの人と入ったんだ?」

丹沢「デリバリーヘルスっていうやつだな」

由利「勝手に決めるな!」

爽香「ねぇねぇ、二人とも、今日絶対あたしに変なことをしないでよ。あたしはデリヘル嬢じゃないんだからね」

丹沢「誰がするか! 真剣な練習のために来たんだから」

由利「そうだ、そうだ。最下位脱出のための特訓なんだから」

爽香「ホントかな? だってデリバリーヘルス嬢を呼ぶくらいなんだもん」

由利「だから、『勝手に決めるな』と言っているだろう」

爽香「なら、正直におっしゃい! 誰と来たの?」

由利「言えない訳がある」

丹沢「相手と、そんなに揉めたのか?」

爽香「料金を値切ったんだ」

丹沢「もち合わせが無かったとか」

爽香「無理矢理だったんだ」

由利「だから、『勝手に決めるな』と言っているだろう」

爽香「ふふふふふ。ムキになっている。」

由利「さっき、『心から感謝する。一生感謝する』って言ってなかったっけ。これって逆にいじめてるぞ」

爽香「もちろん感謝しているわよ。でも、それとは別でしょ。あたしに知る権利はないの?」

由利「じゃぁ一言だけ言うけれど、それ以上は絶対に聞かないでくれ」

爽香「いいわ、もう。何も聞かない。言いたくないものを聞くのも悪いじゃない」

丹沢「そうだな、由利さんの秘密を聞いて、それをまた自分が秘密にするのは苦しいし」

爽香「そうそう。あたし、聞いてもすぐ喋っちゃうし、」

丹沢「私も隠し事は出来ないタイプだから」

由利「いや、聞いてくれ。たった一言しか伝えられないけれど聞いてくれ」

爽香「聞かない」

丹沢「うん、聞かない」

由利「いや、ぜひとも聞いてくれ」

爽香「まぁ、どうしても、言いたいというのなら、」

丹沢「聞いてあげてもいいけれど」

由利「じゃぁ話すから、二人とも耳だけ貸してくれる?」

爽香「ここに3人以外誰も居ないのに?」

由利「隠しマイクがあるかもしれない」

丹沢「大袈裟だな」

 爽香と丹沢が由利に耳を近づけた。

由利「家屋調査」

 由利が小声で言った。

丹沢「なーんだ。以前、税務課固定資産税担当の時に、家屋調査でここに来たってことね」

由利「声が大きいよ」

丹沢「そう言わなきゃ、速水さんがわからないだろ」

由利「そっか」

爽香「なぁんだ、つまらない。聞くんじゃなかったわ」

丹沢「まったく、つまらない。聞くんじゃなかった」

由利「もうこれ以上は言わないよ。職務上知りえた秘密は死ぬまで言えないからな。これ以上は守秘義務違反になる」

爽香「それ以上誰も聞かないわ。面白くないし」

丹沢「同感だ」

由利「良かった」


【06】 ラブホテルのおもちゃ


 爽香が部屋の片隅に、おもちゃ箱が置いてあるのを発見した。

 爽香がその箱を覗き手にした。

爽香「あたし、こういう所、初めて来たの」

丹沢「そうか、まだ若いもんね」

爽香「ねぇねぇ、なんでロウソクがあるの?」

丹沢「防災用だろう。いつ地震があるかわからないからね」

爽香「ねぇねぇ、これなぁに?」

丹沢「電動バイブレーターだね」

爽香「なんでバイブレーターがあるの?」

丹沢「泳ぐと肩も凝るからね」

爽香「ねぇねぇ、なんで手錠があるの?」

丹沢「警察官が来て、奥さんとおまわりさんごっこして遊ぶんだろう」

爽香「ねぇねぇ、なんでムチがあるの?」

丹沢「競馬の騎手が来て練習するんだろう」

由利「ボートレーサーが来るぐらいだから、競馬の騎手が来てもおかしくないだろう」

爽香「そうよねぇ。うん、なるほど。二人とも詳しんだね」

丹沢「そうでもないさ」

爽香「二人の関係って『淫乱の友』ね」

由利「ははははは」

丹沢「なんだ、知ってのか?」

爽香「誤魔化し方が見事だわ」

丹沢「知ってたら聞くなよ」

爽香「ふふふふふ」


 部屋の中のもうひとつのドアを開けると7mぐらいのプールが目に飛び込んできた。

爽香「わーっ、すごい! 感動だわ」

 プールのある部屋はダークブルーの照明でプールの水面は青く輝いていた。

爽香「プール付きの部屋だから料金が高かったのよね。いくらだったっけ?」

由利「休憩だから1万7千円。一応私がクレジットカードで払っておいた」

丹沢「いったい誰が支払うんだ?」

爽香「3人だったらそんなに高くないわね。でも、あたしの練習のために来たんだから、賞金を獲得したら全額あたしが払うわ」

丹沢「いや、賞金をもらってない人に払わす訳にはいかないよ。全額私が出すよ」

由利「私が二人を連れてきたんだから、今回は全額私が出すよ」

爽香「そう、悪いわね」

丹沢「そうか、悪いね」

 二人がすぐに同意した。

由利「言うんじゃなかった、仕組まれた」


爽香「二人にお願いがあるんだけれど」

丹沢「なんだい」

爽香「あたしがここに来たことを絶対に誰にも言わないでね」

丹沢「なんで?」

爽香「あたしの入っているモーターボート選手会って、風紀や礼儀作法に厳格なのよ。スポーツの健全な発展や社会貢献を目的としているから、選手としてレース以外の場でもきちんとした生活を送らないとお客様に見放されるでしょう」

丹沢「それはもっともだ。人の目と人の口って怖いからな」

由利「丹沢さんは大丈夫だよ。丹沢さんに言うってことは壁に向かって言っているのと同じ。人間と違って誰にも喋らないから」

爽香「すごい例えね。丹沢さんは壁なんだ」

丹沢「由利さんも大丈夫だよ。口が堅いいから」

爽香「えっ? 丹沢さんは由利さんの唇に振れたことがあるの?」

丹沢「ああ、この前キスした」

爽香「二人はそう言う関係?」

由利「そんな訳ないだろ!」


【07】 ラブホテルのお風呂


 プールに入るつもりで3人は水着に着替えた。爽香は浴室で着替えた。

爽香「ねぇねぇお風呂もすごいのね。ちょっと入って温まらない。それからプールでもいいでしょ」

丹沢「そうだな、せっかく来たんだもんな。元を取らないと」

由利「うん、賛成だ」

 浴槽にお湯を張った。

爽香「うわーっ、すごい。浴槽が七色に輝く!」

丹沢「えっ、ほんとだ」

爽香「オーロラみたいね。これはインスタ映えするわ」

由利「そんなのインスタに上げたらバレちゃうぞ」

爽香「あっそうか」

丹沢「ははははは」

爽香「浴室にテレビも付いてる」

丹沢「これはいいな」

由利「うちにも欲しい」

爽香「うわっ! ジェットバスだ!」

丹沢「すごい!」

由利「なんでもあるなぁ」

爽香「専用の入浴剤を入れれば、泡風呂にもなるんだって」

丹沢「いたれりつくせりだな」

由利「これははまりそうだ」


 爽香は水着のまま浴槽に浸かった。

爽香「お先に。あぁ気持ちいい!」

 丹沢が爽香の隣に入り、

丹沢「あぁ最高だな!」

由利も爽香の逆隣りに入り、

由利「気持ちいいー」

 3人が並んで座った、

爽香「こうしていると嫌なことすべてを忘れられるわ」

丹沢「『両手に花』の逆バージョンだな」

由利「なんて言うんだろう? 反対の言葉は聞いたことがないな」

爽香「『両手に変態』じゃない?」

丹沢「それはないだろう」

爽香「ふふふふふ」

由利「ははははは」


 丹沢がジェットバスのボタンを押した。

 四方から勢いよく泡が出てきた。

爽香「第1ターンマークみたいだわ」

由利「さすが女子レーサー!」

丹沢「潜ってみる?」

爽香「うん!」

 5秒で顔を上げた。

爽香「第1ターンマークで転覆したときと同じだわ」

丹沢「どういう意味?」

爽香「何も見えない」

由利「そんなときはどうするの?」

爽香「ひたすらハンドルを強く握っているわ」

由利「『命綱』じゃなく、『命ハンドル』か」

爽香「その通り。うまいこと言うわね」

丹沢「だから市役所に来た時もテニスボールを握って握力を付けていたんだ」

 爽香が市役所に来たときの様子を頭に浮かべていた。

爽香「そう、習慣づけないと。選手生命が掛かっているからね」

丹沢「よおし、じゃぁ練習だ!」

 丹沢はシャワーを手にした。そして蛇口を最大に回し、爽香の顔をめがけて放水した。

爽香「きゃっ!」

 そこに由利が参戦し、風呂桶で浴槽からお湯を汲み、爽香の顔をめがけて放水した。

爽香「うわっ! 二人は反則よ」

 丹沢はなおも放水を続けた。

丹沢「ははははは」

 爽香は下を向いて

爽香「息が出来ないでしょ」

 そこに由利がまた風呂桶で爽香の顔にお湯をかけた。

爽香「もう! ははははは」

 笑い出した。

丹沢「ははははは」

由利「ははははは」

 これが爽香の青春、そして丹沢と由利は、忘れていた「青春」という言葉を思い出していた。


【08】 プールで転覆の練習?


 3人が温まり、充分にはしゃいだところで今度はプールに行った。

爽香「いい練習になったわ。」

由利「それなら良かった」

爽香「第1ターンマークで旋回するときに、先に周る艇の水しぶきって半端じゃないから」

由利「私もユーチューブの体験映像で見たことがあるけれど、本当に前が見えないよな」

爽香「それでも前を行く艇と艇の間を突っ込んでいかないと、上の順位になれないわ」

由利「恐怖心との戦いだな」

爽香「うん。でも今のお風呂で、少し良くなった気がする」

丹沢「ここに来た甲斐があったね」

爽香「うん。さぁ次はプールでの練習!」

爽香は持ってきたヘルメットをかぶりプールサイドに立った。シールドを下げ、

爽香「ねぇ、あたしがここに立つから二人であたしのことを、横からや後ろから、いろんな方向にしてプールに突き落としてくれない?」

由利「転覆の練習だね」

爽香「レーサーになったら転覆を恐れてはいけないのよ。転覆を恐れているとどうしても果敢さがなくなり、その結果6位を走行することになるから」

由利「でも、転覆で命を落とすこともあるんだろ」

丹沢「そうか、命を落とすの『落とす』は、『水中に落ちる』の『落ちる』からきているのかな?」

爽香「わかんない」

丹沢「まぁどうでもいいや」

爽香「とにかくあたしとしては、突然、水中に落とされても慌てないように、そして溺れないようにしたいの」

丹沢「泳げる人は、大丈夫なんじゃないの?」

爽香「泳げる人でもヘルメットが邪魔して呼吸が出来なくなるのよ」

由利「かと言ってヘルメットなしでレースは出来ないしな」

爽香「ヘルメットが無かったら命に関わるような大怪我をするわ」

丹沢「落ちてからヘルメットを脱ぐことはできないの?」

由利「顎の下で、ベルトを締め固定しているから無理ね」

丹沢「そうなんだ」

爽香「ヘルメットを脱ぐのは、レスキュー艇に上がってからね」

丹沢「よし、わかった。それじゃ行くぞ!」

 丹沢が横から体当たりをして、爽香をプールに突き落とした。爽香の体が真横から落ちた。体で水を打つ音が響き渡る。爽香はヘルメットをしたまま水中で15秒間我慢し、浮き上がってきた。それを何度も何度も繰り返した。この特訓で、爽香は体力をかなり消費した。

爽香「ねぇ、今度はあたしがプールに真っ直ぐ浮かぶから、二人であたしを丸太だと思ってぐるぐる回して、最後沈めてほしいの」

由利「それってどういう意味があるの? 」

爽香「落水した時に方向感覚を失いたくないの、落水しても自分のボートがどこにあるのか、水面がどっちの方向なのかわかるようにしておきたいの」

丹沢「なるほど、いろんな苦労があるんだな」

爽香「そうよ、自分の命がかかってるんだから最低このぐらいのことはしておかないと。自分の命は自分が守らないと。何が起ころうと、あたしは絶対に他のレーサーのせいにしたくない。すべてが自己責任なのよ」

丹沢「『自己責任』か。重い言葉だな」


【09】 水着を脱がせて、体を


 プールで爽香を水面に浮かべ、由利と丹沢が爽香を丸太のようにグルグル回し始めた。6秒ほど回して最後に沈めた。それを何度も何度も繰り返し練習した。そのときだった。

 爽香はそのまま気を失ってしまった。由利と丹沢の二人が手を離すと爽香は両手をだらーんと水中におろしたままだった。顔を下に向けたまま水面に浮かび、ピクリとも動かなかった。

丹沢「変だぞ」

由利「うむ?」

丹沢「死んじゃった!」

由利「まさか!」

丹沢「えーーーーーっ!」

由利「引き揚げるぞ!」

 二人は急いで爽香もプールサイドに引き上げた。由利が自分の両手のひらを重ねて爽香の胸に当て胸骨圧迫を初めた。30回圧迫したところで、丹沢が爽香の鼻をつまみ爽香の顎を持ち上げ、口を爽香の口にあてがい2回人口呼吸を行った。そして再度胸骨圧迫を始めようとしたところで、爽香の意識が戻った。

 爽香が眼を開いた。

由利「大丈夫か?」

 爽香は、ぼんやりしていた。

 丹沢が爽香の頬を軽く叩いた。

丹沢「大丈夫か?」

爽香「あれっあたし……」小さい声だった。

丹沢「大丈夫か?」

爽香「う、うーん」

 唸るように言った。重く低い声だった。

 そして再び目を閉じてしまった。

丹沢「えっ! 大丈夫か?」

 丹沢が爽香の両頬を両手で挟んだ。

爽香「スーッ、スーッ」寝息を立てた。

丹沢「寝息か?」

由利「そのようだな」

丹沢「特訓で疲れたんだな」

由利「昨日もほとんど眠ってなかったんじゃないか?」

丹沢「そうだろうな。悔しくて眠れなかったんだろうな」

由利「このままそっと寝かせてあげるのが、本人にとって一番いいんじゃないか?」

丹沢「そうだな、同感だ」

由利「でも濡れた水着のままベッドに寝かせる訳にはいかないだろう」

丹沢「ああ、間違いなく体に良くないな」

由利「水着を脱がせて、体を拭かないと」

丹沢「うん、それしかないな」

由利「それって、かなりドキドキするな」

丹沢「うん、爽香の裸を見ることになるからな」

由利「それは倫理上まずいだろ」

丹沢「うん、あとで警察沙汰にされるかもしれないぞ」

由利「それだけは避けたいな」

丹沢「まずい、こうしている間にも、爽香の体が冷えてしまう」

由利「ようし、寝室の電気を消して。浴室のドアを少し開けて灯かりを取ろう。出来る限り裸を見ないで済むように」

丹沢「わかった。すぐやるぞ!」

由利「おう!」

 二人は浴室からバスタオルをそれぞれ持ち、寝室の電気を消した。

 爽香の水着を急いで脱がせた。そして二人で素早く爽香の体を拭いた。

由利「これって介護だよな」

丹沢「うん、介護以外の何物でもない」

由利「うまくいった。布団をかけよう」

丹沢「うん」

 布団を掛け、爽香の体と布団との間に隙間が出来ないように、上から布団を体の脇に押し込んだ。

 爽香は何も気づかないまま、気持ちよさそうに寝息を立てていた。


丹沢「寝息を聞くとほっとする」

由利「うん、良かった。落ち着いた」

丹沢「さてと、ベッドを彼女に取られちゃったな」

由利「どこで寝る?」

丹沢「床しかないな」

由利「ソファーは?」

丹沢「寝返りをうつと落ちそうな気がする」

由利「そうか。じゃぁ私も床にする。布団はどうする?」

丹沢「無しで寝るよ」

由利「風邪ひくぞ」

丹沢「そうか」

 丹沢は部屋の中を見渡した。

丹沢「あれ取れそうかな?」

 丹沢が窓のカーテンを指さした。

由利「やってみる」

 二人が協力してカーテンを取り外した。

丹沢「両開きのカーテンで良かったな。二人分になる」

由利「うん。今日はこれを巻いて寝るよ」

 二人は、体にカーテンを巻きつけ横になった。暗闇の中、爽香の寝息だけが聞こえていた。

由利(『暗闇』という漢字は、両方の漢字に『音』が付くけれど、本当だな。今は、音しか聞こえない。だから『暗闇』か……)

 そんなことを考えてる内に由利も眠ってしまった。


【10】 爽香、あれっ穿いてない?


 朝6時、由利の携帯電話の目覚まし時計が鳴った。いち早くそれに気づいたのは爽香だった。

 爽香がいつもとは違うふかふかのベッドの上で目が覚めた。

爽香「あれっ、ここはどこ?」

爽香「あっそうか。ラブホで特訓していたんだ」

 そう言って寝返りをうった。そのとき手が腰に触れた。

爽香(あれっ穿いてない。ショーツがない。あれっなんで裸なの?)

爽香(こいつらの仕業? まったく『淫乱の友』なんだから)

 爽香は辺りを見回した。部屋の中は暗く、浴室からの明かりで辛うじて丹沢と由利がカーテンにくるまって床に寝ている姿が見えた。

爽香(特訓を始めたのは覚えているけれど、終えた記憶がないわ)

爽香(最後はどうなったの?)

 由利が目を覚まし、続いて丹沢も目を覚ました。

 ベッドの上で

爽香「まさかこの人達とあたし、エッチしてないわよね」

 小声でつぶやいた。

由利「何もしてないよ」

 薄暗い中、床から小声で答えた。

爽香「あたし、最後どうなったの? 記憶がまったくないの?」

 つぶやくように言った。

由利「気を失った」

爽香「あたし何で裸なの?」

由利「濡れた水着のままじゃ眠れないから」

爽香「自分で脱いでた?」

由利「いや、脱がせた。ただし、真っ暗な中で」

爽香「じゃぁ裸を見てない?」

由利「見てない」

爽香「そう……」


 隣で丹沢は目をつぶり黙って聞いていた。

丹沢「あーあ」

 両手両足を伸ばし目覚めたふりをした。

丹沢「あっ何時だ? 仕事に行かないと」

由利「そうだ、仕事だ」


【11】 彼女の唇を吸っていた


 数日後、夜、丹沢の部屋。

 丹沢の部屋に由利が訪れていた。

丹沢「この前の爽香にはびっくりしたなぁ」

由利「そうだな」

丹沢「速水さんがあんなに頑張るとは思わなかったよ」

由利「確かにすごかったな」

丹沢「真剣に水の中でぐるぐる何度も回ってたもんなぁ、私じゃとっくに死んでるよ」

由利「それだけ彼女真剣だったんだろうなぁ」

丹沢「あぁ彼女の生活がかかっているし、彼女の一生もかかってるわけだから」

由利「ボートレースは、本当に厳しい世界だからなぁ」

丹沢「ボートレースの世界では、4位5位6位では、賞金が1円ももらえないとは知らなかったよ」

由利「会社員の世界では、ただ会社に来ているだけでお金をもらっている者が、たくさんいるのになぁ」

丹沢「まったくだ。給料泥棒だよな、あいつとあいつね」

由利「ああ、あいつね。ところで、この前の人工呼吸の役割、なんかおかしくなかったか?」

丹沢「え、えっ? 何かあったっけ?」

由利「なんで私が胸骨圧迫で、なんで丹沢さんがマウストゥマウスなんだ」

丹沢「それ記憶違いじゃない? そんなことあったっけ? まったく覚えてないなぁ」

由利「いや、丹沢さんが気持ちよさそうに彼女の唇を吸っていた」

丹沢「『吸っていた』はないだろ」

由利「ほらやっぱり覚えていたじゃないか」

丹沢「あの日のことは、彼女のために、すべて記憶を消去したんだ」

由利「なるほど。素晴らしい」

丹沢「でも、由利さんの気持ちはわかったから、もし、今度彼女が気を失ったら役割を交代しよう」

由利「約束だぞ」

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【後書き】

回を重ねてまいりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。m(__)m

まだまだ未熟ではありますが、皆様に愛される作品となりますよう努力を重ねていく所存です。m(__)m

読んでくださった方々には「感謝、感謝」です。「本当にありがとうございました」m(__)m

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