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女子ボートレーサー と市役所職員  作者: 池井 けい
第4章 予想屋、穴吹六郎
33/40

03 ◎ルールの変更

【04】 多く儲けた方と結婚します!


六郎「その子が『全12レースで的中した数ではなくて、今から残り11レースをお二人が毎回連勝単式を3点予想し、その舟券を千円ずつ3点買い、最終的に多く儲けた方、または負けが少なかった方と結婚します』って。すると相手の予想屋が『わかりました。そうすると、残り11レースだからひとレース3千円ずつ賭けるとして、今3万3千円あって最終的にいくらになるか多い方が勝ちですね』と」

金塚「へえーっ、ルールを変えたんですね。ここでルールを変えたということは、その子は何か思ったんでしょうね」

六郎「『何か』って?」

金塚「いや、絶対にその子はあなたと結婚したかったんですよ」

六郎「それは、どうかなぁ?」


 金塚の後ろ国民年金課事務室で、吉川美南主事と烏丸千歳係長が興味津々に、

美南「『その子』と結婚出来たのかしら?」

千歳「どうなんでしょう???」


六郎「その子は単純にルールを公平化したんだと思うよ。千円の払戻を当てても、1万円の払戻を当てても同じ1勝じゃあおかしいと感じたのではないかな?」

金塚「そうですかねぇ、まぁそれもあるでしょうけれど、このままではあなたに勝ち目がないと思ってルールを変えた、つまりあなたに勝って欲しかった、」

六郎「そこまでは、わからないなぁ」

金塚「で、第2レースはどうなりました?」

六郎「両者ともハズレたよ」

金塚「そうですか、」


六郎「第3レースでは相手が『1ー3』で的中し払戻が800円。俺は、ハズレた。第4レース、第5レースは共にハズレ。第6レースでは共に当たったが払戻は本命が来て『1ー2』で400円。第7レースでは共にハズレ。第8レースでは相手だけが当たり『1ー4』で1200円、ここでもう差がついていたね。第9、第10レースは共にハズレ。第11レースでは相手がダメ押しとなる『2ー1』で千円の払戻を当て、ほぼ二人の予想レースは、決まった感じだった」

金塚「でも最終第12レースがありますからね。勝負事は最後までわかりませんよ」

六郎「ははははは。あんたは、勝負師だね」

金塚「賭け事のことはよくわかりませんが、仕事では最後に逆転というのが、よくありますからね」

 そう言って金塚はほほ笑んだ。

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