08 ◎ボジョレー会、2度目勝負!編
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【あらまし】(ボートレース予想エピソード、コメディです。読者様の舟券購入の参考になりましたら良いのですが……)
前回の予想がはずれ、天才プログラマー茂木は、改良した新たな予想方法を発表した。それは『競艇選手のやる気』を予想方程式に取り入れることだった。
茂木に言わせると、選手に『やる気がある時とない時がある』と言う。それはどういう意味なのか?
そして、予想集団『ボジョレー会』の第2戦『2―6』『6―2』勝負! 結果は……
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【主な登場人物】
丹沢純也 30歳男 美浦市役所住民課職員
由利源吾 30歳男 美浦市役所税務課職員
茂木数魔 30歳男 美浦市役所情報統計課職員
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【前書き】
●この小説には多くの数字が出てきます。そこで読者の皆様が読み易いように横書きとなっております
●多人数での会話も多いことから、誰が話しているのか、すぐにわかるよう会話の頭に台本形式で、氏または名を付けて表現しました
●この物語はフィクションです。実在の個人・団体、実際のレースとは一切関係ありません。ボートレーサーと市役所職員をモデルに、フィクションとして制作されたものです
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【01】 これで当たる! 『SCSEX方程式』
日曜日。茂木の部屋。
茂木数魔(もぎ・かずま・30歳)の部屋に、市役所同期入所の丹沢と由利がやって来た。3人で立ち上げたボートレース予想集団『ボジョレー会』の集まりである。
茂木「前回の『ススムちゃん』作戦を改良しました。前回は、ハズレましたが、これで、当たる確率は数段上がるはずです」
由利「さすがだね。もう改良するなんて」
丹沢「『ススムちゃん』作戦って、どんなだっけ。もう一回復習の意味で教えてくれないか」
茂木「はい、いいですよ。出走表で重要視するのが、
『S』選手勝率、
『S』スタート、
『M』モーター、
『C』コース、の4つです」
丹沢「ふむふむ」
茂木「
『選手勝率が高く』、
『スタートが早い』。
『モーターが良くて』、
『コースはインより』。
頭文字を並べると『SSMC』。日本語のゴロに直すと『ススムちゃん』作戦です」
丹沢「なるほど」
茂木「今度は、言い方を変えるとともに、選手のやる気度をひとつ加えました。アルファベットで並べるとこうなります。
『S』スタート
『C』コース
『S』捌き
『E』エンジン
『X』やる気など不透明な部分
です」
由利「選手のやる気って、勝つためには、大きな要素だからな」
丹沢「私は、仕事のやる気はゼロに近いけれどなあ。ははははは」
茂木「いや、丹沢さんは、仕事熱心だよ。住民票についても、戸籍についても、よく知っているからなぁ」
丹沢「ははははは。そうかい? 見ている人は、見ているんだなぁ。ははははは」
由利「こいつは、謙虚さというものを知らない!」
丹沢「ははははは」
茂木「このボートレース予想の基本は、アルファベットの頭文字で言うと、『SCSEX』です!」
丹沢「なんじゃそれは! スペシャルクライマックスセックスか?」
由利「ははははは。それはウケる! よくそんな馬鹿なことを思いつくな」
丹沢「自分で言って、なんだか興奮してきた」
茂木「まったく、あなた方は下品なんだから」
丹沢「学生の頃、ごみ置き場に出ていたビデオを拾って見た映画で『SEX方程式』というのがあったなぁ……」
由利「そんなもん、拾うな!」
茂木「ホントですか?」
丹沢「日活ロマンポルノ映画作品のひとつじゃなかったかな?」
由利「そう言う話はどうでもいい。茂木さんもそんな話に、付き合わなくていいから」
丹沢「さっき我々を下品だと言っていたのに『SEX方程式』に喰いつくねぇ」
茂木「すみません。この『予想方程式』に、あまりに合致した映画のタイトルでしたから」
由利「本題に入ってくれ」
茂木「では、本題に」
茂木「この五つの要素を得点化し、過去のデータを蓄積しました。これにより、我々が毎レース予想をしなくても、プログラムがかなりの的中率を持った予想を立ててくれるのです」
由利「最初の『S』のスタートというのは、どの程度のスタート実績を参考にするんだい」
茂木「そのレース場に出場した過去3節のスタート記録をデータにし、平均化します」
由利「なるほど、全国平均ではなく、そのレース場だけの平均スタートだね」
茂木「その方がより正確なスタート予想が立ちます。やはり、地元プール(レース場)ならスタートは早いでしょうし、ほとんど行かないプールでは、スタートが遅くなります。それを24レース場一律にデータ化しては、ハズレる可能性が高くなると思います」
丹沢「素晴らしい!」
「パチパチパチ」大きな音を立てて拍手した。
由利「うん、その通りだな」
茂木「次にコースですが、ボートレースは左回りのスポーツですので、一番左側からスタートする1号艇が当然一番有利です」
由利「それは間違いない」
丹沢「陸上競技だってそうだもんな」
茂木「ですので、枠順にコース進入すると仮定し、1号艇から順番に段階的に加点をします」
由利「当然だろうな」
茂木「そして『捌き』、つまり選手の運転技術を得点化し、データにします」
由利「ふむふむ」
茂木「各レース場にあるエンジン(=モーター)も、その性能に応じて得点化します」
由利「それも当然だろうな」
茂木「これだけでは、まだ正確に舟券を的中することはできません」
丹沢「えっ、そうなんだ」
茂木「自分で何度も試したのですが、当たりませんでした」
由利「もう試したんだ」
茂木「はい。そこで何が足らないのか、ずーーーっと考えました」
由利「伸ばしすぎだ!」
丹沢「ちょっと大げさではないか?」
茂木「その結果、出た答えが『やる気』でした」
丹沢「『やる気』って、なんだ? まさか『SEX』?」
由利「ちゃうちゃう! そんな訳ないだろ!」
丹沢「お前はチャウチャウ犬か!」
茂木「ははははは」
由利「その選手がそのレースでのやる気だろう?」
茂木「正解です!」
丹沢「選手は毎回1着を取ろうと頑張るんじゃないの?」
茂木「それはそうなんですが」
丹沢「選手によっては『このレースは6着になるぞ!』って、そんな選手が居るの?」
由利「ははははは。それいいね、面白い」
丹沢「選手が、わざと抜かれたり、コースの奥まで走ったり、そうやって6着争いをするのかな?」
由利「ははははは。でも、すぐ審判に見つかって、出場停止だな」
丹沢「そうか、ボートレースにも審判がいるのか」
由利「ああ、全国24のレース場に必ず居る。スタンドの上の方から監視しているんだ」
丹沢「スタンドの上で、審判が『アウト!』とか『セーフ!』とか、船同士がぶつかったら『デッドボール』とか、ジェスチャーをやっているわけか」
丹沢がジェスチャーを交えて言った。
由利「やるわけないだろ!」
由利が丹沢の胸を軽くはたいた。
茂木「もちろん、選手は毎回より良い着順を狙っているのですが、大原則として事故を起こさないよう安全に気を付けて走ります」
由利「ボートレース場内では、よく『凡事徹底』なんて言葉が使われていて、」
丹沢「なんだ? 『凡事徹底』って」
由利「『平凡な事を徹底して行う』って、ことなんだ」
丹沢「由利さんは教養あるなぁ~。いつから?」
由利「今日よう! やらすな!」
茂木「ははははは」
丹沢「『平凡』かぁ~」
感慨深く言った。
由利「フライングしない、事故を起こさないってことさ」
丹沢「でも、フライングもあるし、転覆もあるよね」
由利「それは無理しているからさ」
茂木「そうなんです。『やる気がある』とは、普段以上に無理することなんです」
丹沢「なんで、無理するんだ???」
茂木「それが、実にいろいろあるんです。自分でもびっくりしました」
丹沢「いろいろ?」
茂木「例えば、『勝負駆け』と言って、ここで2着以内に入れば、明日の準優勝戦に出場できるとか、」
丹沢「ふむふむ」
茂木「それと、ボートレーサーのランクを決める級別審査対象月の最後、つまり4月下旬と10月下旬は、この開催で頑張ればA級になれるとか」
丹沢「ふむふむ」
茂木「逆のパターンですが『無理をしない』とは、ここは事故を起こさず完走さえすれば、準優勝戦に乗れるとか、この開催で事故さえ起こさなければA級を維持できるなど、選手の思惑が働きます」
丹沢「へぇーっ、そんな駆け引きがあるなんて、まったく知らなかった」
茂木「A級とB級では、A級の方が出走回数も多いし、A級の方が賞金の高いレースに出られます」
丹沢「収入が全然違うってことね」
茂木「ええ。事故率の高いA1級の選手が、A級を維持するために、完走だけを目指し、人気になってはいけないと、人気にならない6号艇を希望するという場合もあります」
丹沢「そうなんだ。内枠なら当然舟券を買っちゃうもんなぁ」
茂木「選手の気持ちとしては、大切なファンを裏切りたくないんでしょうねぇ」
丹沢「なるほど」
茂木「そう言う時は、暗黙の了解で『買わないでくださいね』と訴えているんです」
丹沢「実際に、選手が6コースを希望することなんてあるのかい?」
茂木「10月下旬に、本人が外枠を希望し、11戦中6回が6号艇、5回が5号艇となった。例もあります」
由利「良く調べたねぇ。たいしたもんだ」
「パチパチパチ」
丹沢が大きな音を立てて拍手した。
【02】 『2―6』『6―2』の裏返し!
茂木「それで、突然ですみませんが、」
丹沢「どうした?」
茂木「今日なんですが、第9レースに面白いレースがあるんですよ」
由利「『面白い』って?」
茂木「ええ、その選手の『やる気度』が現れるレースです」
丹沢「『やる気がある』方、それとも『無理をしない』方?」
茂木「『無理をしない』方ですね」
由利「本当にそんなのがわかるの?」
茂木「はい、1号艇の選手は『無理をしない』と推測しました」
由利「1号艇がコケたら、払戻がつくぞ!」
丹沢「狙い目の舟券は?」
茂木「ズバリ『2―6』『6―2』の裏返しです」
丹沢「それって『2―6』の舟券を買って裏返すのか?」
由利「そんなところでボケなくていいから」
丹沢「ははははは」
茂木は無視した。
丹沢「無視かよ……」
茂木がパソコンで今日第9レースの出走表を、55インチ大型テレビ画面に映し出し、真剣に見始めた。
【テレビ画面】
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【出走表】 平和島 最終日 9レース 一般戦 G3オールレディース
1号艇 里見千鶴 45歳 A2級 勝率5.62 モーター- 112432妨
2号艇 篠塚亜矢 29歳 B1級 勝率4.87 モーター○ 6335341
3号艇 長屋光江 56歳 B1級 勝率4.12 モーター◎ 2264114
4号艇 前地紗也 25歳 B1級 勝率3.47 モーター- 4166264
5号艇 田辺芳子 29歳 B2級 勝率2.56 モーター△ 1365241
6号艇 薮上瑞枝 22歳 B1級 勝率2.56 モーター× 5235621
※『モーター』のうしろの印はモーターの予想印。その後の数字は前走成績
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由利「これ、きっとマンシュウじゃぁないか?」
丹沢「満州? おいしい餃子を食べさせてくれるお店のことか?」
由利「『マンシュウ』とは、百円券で一万円以上の配当金が付くことを言うギャンブル用語だ」
丹沢「なぁんだ、当たったら餃子を食べに行こうという意味かと思ったよ」
由利「『万舟券』の『万』と『舟』を『まんしゅう』と読んだのが由来と言われている。現在では競馬など他の公営競技でも使われているけれどな」
丹沢「教養あるなぁ。いつから?」
由利「言わすな!」
丹沢「つまらん奴だ!」
茂木「うまくいけば、一万円ぐらい付くかも知れませんね」
丹沢「百倍か。それで、1号艇がコケる理由は?」
茂木「昨日5日目、準優勝戦に乗ったのですが審判から『妨害失格』を取られたのです」
丹沢「それは残念だな。そう言う場合は、優勝戦に乗れないんだ?」
茂木「優勝戦どころか、その下の選抜戦にも乗れないんです」
丹沢「そんなことあるの?」
茂木「ありますね。危険を犯したペナルティとして、一般戦に回されます。それで、今日最終日は、第9レースに回されたんです」
由利「9レースって一般戦だもんな」
丹沢「そうなんだ。勉強になるなぁ。そのレーサーは、相当悔しいだろうな」
茂木「でしょうね。ということで、1号艇は相当ショックを受けているはずです。一般戦では賞金も安いですし」
丹沢「ふむふむ」
茂木「1号艇の気持ちとしては、『ここは無理せず無難に走ろう』、『次の開催でリベンジしてやる!』という気持ちではないかと思うのです」
丹沢「そうだな、二日連続で妨害はまずいからな」
由利「確かに。自分が1号艇ならそう思うな」
茂木「でしょ、でしょ! ですから、スタートが早くエンジンの伸びも良い若手の2号艇と、ベテラン6号艇の一騎打ちと見て勝負です!」
由利「確かに面白い!」
丹沢「うん。その理論は一理あるな。素晴らしい、やってみようよ!」
茂木「では、『2―6』、『6―2』を1万円ずつ買いますよ」
丹沢「うん!」
由利「うん!」
二人が頷いた。
茂木がパソコンを操作して、『2―6』、『6―2』の舟券を1万円ずつ購入した。
ボートレース平和島、午後4時、オールレディース第9レース本番。
『オールレディース』とは、女子レーサーだけで行う開催である。
【テレビ画面】
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【出走表】 平和島 最終日 9レース 一般戦 G3オールレディース
1号艇 里見千鶴 45歳 A2級 勝率5.62 モーター- 112432妨
2号艇 篠塚亜矢 29歳 B1級 勝率4.87 モーター○ 6335341
3号艇 長屋光江 56歳 B1級 勝率4.12 モーター◎ 2264114
4号艇 前地紗也 25歳 B1級 勝率3.47 モーター- 4166264
5号艇 田辺芳子 29歳 B2級 勝率2.56 モーター△ 1365241
6号艇 薮上瑞枝 22歳 B1級 勝率2.56 モーター× 5235621
※『モーター』のうしろの印はモーターの予想印。その後の数字は前走成績
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♪ファンファーレと共に、6名の女子レーサーが水面に出てきた。
実況「進入は枠番通り」
丹沢「いいぞ!」
実況「10秒前、5秒前、スタート!」
6艇が一斉にスタートした!
由利「えっ! 4号艇がトップスタートだ!」
茂木「まずい!」
丹沢「1号艇もいいね」
茂木「まずい!」
丹沢「1号艇、やる気満々だな!」
茂木「そんなバカな!」
由利「また違反するぞ。やけくそか?」
丹沢「我々ボジョレー会に逆らおうって気だな。面白いじゃないか。ははははは」
スタート直後の直線。
由利「もう『1―4』で決まりかな?」
茂木「どう見ても1号艇はやる気がありますねぇー。なんで?」
丹沢「ははははは。ははははは。ははははは」
由利「丹沢さん、予想外の展開で頭がおかしくなっちゃったよ」
1周1マーク。
丹沢「おーおー、4号艇がマクったよ」
由利「1号艇も伸び返した!」
実況「1周1マーク、4号艇がマクった。それを1号艇が張る。二艇が外へ流れた! そこへ、ズバッっと差したのは6号艇と2号艇!」
丹沢「あれれれれっ?」
由利「ななななんと?」
茂木「……」
実況「バックストレッチ、6号艇と2号艇がトップ並走!」
丹沢「えーっ!」
由利「おーっ!」
茂木「……」
実況「第2マーク、内側の6号艇が先にターン、2番手に2号艇」
丹沢「げっ」
由利「高目だ」
茂木「……」
実況「順位変わらず、6、2、4の順」
丹沢「うんうん」
由利「ふーっ」
茂木「……」
実況「6番ゴールイン、2番ゴールイン」
茂木「やっぱりね」
由利「どこが、『やっぱり』だ!!!」
丹沢「1号艇のどこが『やる気がない』だ!!!」
茂木「私の予想通り『2―6』『6―2』で完璧でしたね」
丹沢「……」
由利「……」
二人が啞然。
由利「誰がどう見ても『1―4』、『4―1』のレースだ!」
丹沢「『1』があそこまで張らなければ、」
茂木「それも読んでいたんです」
丹沢「ウソだ!!!」
由利「ウソだ!!!」
茂木「『1』の気性の荒さを読んだ上での『2―6』『6―2』です」
丹沢「茂木さん、あまりに予想外の展開で、レース中、まったく声が出てなかったよ」
由利「うん、驚いて、目は真ん丸で、口を開けて、ヨダレたらして、呆然としていたとしか見えなかったな」
茂木「誰が『ヨダレ』ですか!」
放送「払戻し、6番2(ふた)番、4千飛んでふた十円(4,020円)」
丹沢「おーっ!」
由利「すげぇー」
茂木「40万円だ!」
丹沢「ははははは」
由利「ははははは」
茂木「ははははは」
由利「ラーメン、腹いっぱいだ」
茂木「苺大福、腹いっぱいですね」
丹沢「病気が重くなるぞ」
少しして、
丹沢「さぁ、焼肉食いに行くぞ!」
由利「最高級霜降りカルビを腹いっぱい」
茂木「特上のトロタンもお願いします!」
3人が出かけて行った。
丹沢「ははははは」
由利「ははははは」
茂木「ははははは」
街路に3人の笑い声が響き渡っていた。
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【後書き】
本編をお読みいただき、誠にありがとうございました。
今回の物語は、ボートレースという勝負の世界に潜む「人間臭さ」をテーマに描きました。データや確率だけでは測りきれない選手の心理状態――それを主人公の茂木は、あえて「SCSEX方程式」という、少しばかり誤解を招きそうな(?)名前で定義しました。
ボートレースをご存じの方なら、一号艇の「妨害失格」がいかにその後のレース運びに影響するか、ピンときたかもしれません。しかし、本作の肝はそこではなく「理論武装したつもりが、結局は現場の熱量に振り回される」というギャンブル特有の滑稽さと醍醐味にあります。
1号艇・里見選手の「予想外のやる気」に肝を冷やし、言葉を失い、ヨダレ(?)まで垂らして呆然としていた茂木。それでも結果的に「読み通り」と平然と言い切ってしまう彼の図太さは、ある種、勝負師に必要な資質なのかもしれません。
丹沢、由利、そして茂木。市役所の同期3人組が、あーだこーだと理屈をこねながら、結局は当たった配当で焼肉に繰り出す。そんな、どこにでもあるけれど、かけがえのない「大人の放課後」の空気感を楽しんでいただけたなら幸いです。
最後に、もし皆様がボートレース場に足を運ぶことがあれば、ぜひ選手の「やる気」……もとい、方程式の「X」を探してみてください。ただし、茂木たちのように「高めの配当」で特上カルビにありつけるかどうかは、それこそ「方程式」の外にある運次第ですが。
それでは、また次のレース(作品)でお会いしましょう。
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【お願い:あなたの「やる気(X)」をください!】
茂木くんの編み出した「SCSEX方程式」。
最後に必要な要素は、選手の「やる気」……そして、作者の「執筆意欲」です!
「続きを読みたい!」という皆様の熱いポイント評価(星)とブックマークが、作者にとっての最高のエナジー(やる気)になります。
焼肉を食べに行った3人の次なる勝負を応援いただける方は、ぜひ下の評価欄からポチッとお願いいたします!
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