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世界2周目、君はモブ。  作者: 有在ありおり
第2章
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白永さんちに、お宅訪問?

「え、ここって……」


箱根さんと、フード男が案内してくれた場所に来て、俺は驚いた。


「私たち……“神待つ者たち”の新拠点よ」

「普通の家に見えるけど」

「空間系の能力者がいるから、中は相当広いわよ。便利よね」

「そ、そうですね」


同意しながら、俺は動揺していた。現役総理大臣を銃殺し、日本を恐慌に陥れた組織の本拠地にしては、こじんまりとしている。そういう感想は、驚きの前では小さなものだ。なにせ、ここは。


『私の記憶では、確か、ここだった気がするんですけど』


メイネが、俺の家と間違えた場所だったからだ。あの時は空き地だった。今は、家が建っている。だけど、周りの景色は、あの夜に見たものに間違いない。


「えっと、つまり、俺達が来た後に、この家は建ったってことか?」


それにしても、この家、どっかで見たことあるような。


「なにぶつぶつ言ってんのよ。さ、入るわよ」

「気をつけてくださいね。本拠地だけあって、罠もたくさんありますから」




人を殺す罠だと、違和感を抱きながら思った。


「この床は踏んじゃダメ。落とし穴に落ちてジ・エンドだから」

「この扉も開けたら、瞬間的に毒ガスが吹き出す仕組みです」


箱根さんとフード男は、すたすたと歩きながら、罠の説明をしてくれた。


「……」

「どうしたのよ」

「いや、あの、ここ見覚えありません?」

「はぁ? 私たちの拠点なんだから、見覚えあるに決まってるじゃない」

「できてすぐですけどね〜」

「じゃなくて、あの玄関も、廊下の長さも、リビングの位置も」


今登っている階段の位置も。 


「俺の家と、そっくり同じ作りなんです……」

「……そういえば、あんたの家、こんな感じだったわね」

「確かに。言われてみれば、そうですねぇ」


気のせいだとは思う。けど、不思議な既視感が、すっと俺を襲っていた。 


「もうすぐ、兄貴の部屋だ……」


階段を登り切る。だけど、その先に、扉は1つしかなかった。兄貴の部屋にあたる部分は、そっくりなくなっていた。


「なんで……」


俺の部屋の扉しか、存在していなかったのだ。


箱根さんが、扉のドアレバーに手をかける。


「開けるわよ。私の後ろに隠れてなさい」


2人して、箱根さんの後ろに隠れる。箱根さんが、「おいで」と小さく呟いて扉を開けーー



ぼとぼとぼとっ!



箱根さんの目の前に、植物が降り注いだ。違う、箱根さんが、盾のような形になるように召喚した植物が、一瞬にして、粉々に千切れたのである。


「燈は、そっちに着くのね」


打ちっぱなしのコンクリートの床に立っていたのは、優しげな笑みを浮かべた二階堂鏡子。と、


「東堂さんっ!!」


ぐったりした様子の東堂さんが、床に寝かされていた。


「東堂さんに、何したんですか」

「ムカつくことを言ったから、シメただけ。でも安心して。この女はそうそう簡単に死なないから」


何を安心しろというのだろう。俺は、周囲に視線を走らせた。

だだっ広い部屋。本拠地にいるのは、どうやら二階堂鏡子だけらしい。俺たちを見る者は他にいない。


「箱根さん」

「何?」


俺は、考えていることを箱根さんに話した。二階堂鏡子は、待ってくれている。それは、余裕の表れだ。


「何を話してるのかなぁ? 大体わかるけど」

「さあ、なんでしょうね」

「おいで」


箱根さんが呟き、足下から数本の植物が勢いよく這い出る。そのまま、二階堂鏡子に迫り……


「単調……っ?」


複雑にからまり、先程の盾のような形へ。二階堂鏡子を覆う植物の盾は、一瞬にして破壊される。


だが、俺にはそれで十分だった。破壊された植物の雨。それを隠れ蓑にして二階堂鏡子に迫っていた俺は、横から二階堂鏡子を押し倒して……


「2人を返せ」


初めて、人の首に包丁を突き付けた。


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