目次 次へ 1/44 プロローグ とある少女の独白 私を特別な名前で呼ぶ彼が好きだった。 飴玉を転がすような甘い声でもない、こちらとしては少々不本意な、彼特有の平均的な、親愛だけが篭った声だったけれど、それだけでよかった。 それだけでよかったから、その声を永遠に失った時、全てがどうでもよくなった。 だから私は 「次の世界では、貴方がいないことを祈るわ」 「俺は君のこと、嫌いじゃなかったけどね」 赤い赤い世界で。次の世界では、神様がいることを祈りながら。 引き金を引いた。