⑦それぞれの大冒険〜ハルキ編〜
前回の話で、カメリアと共に消え去ったハルキ。彼は一体、どこで何をしているのでしょうか?あの雷はなんだったのでしょう?
7話目は、2つに分けて投稿します。今回はハルキ編です。
1.ハルキ救出大作戦
朝食を食べ終わり、私たちは真剣に話し始めた。
「どうやってハルキを助けましょうか?」
「うーん…。」
「情報によると、魔族は地下深く、デビル洞窟に住んでいるらしいです。」
「じゃあ暗いの?」
「いや、そこまでは…。」
「こっそり侵入して、こっそり助けるとか?」
ミユキが言った。でも、私は答えた。
「そもそも、どうやってそこに行けばいいの?」
「そうです。そこなんですよ。」
「ニャにかいい方法はニャいのかニャ?」
(説明しよう!入口の場所は、すぐ近くにあるのだ!)
「ナレーション、それ本当?」
(説明しよう!私は、真実しか言わないのだ!)
「ほんとかニャ?」
(説明しよう!本当なのだ!)
「じゃあ信じます。」
「家の近くってことだよね?無かったら怒るよ?」
私は、少しきつめに言った。が、
(説明しよう!本当なのだ!)
ナレーションはそう言った。
私たちは外に出て、捜索を始めた。しかし、それらしき物が全く見つからない。
「全然無いじゃん!」
「もう30分は探してるのに…。」
「そもそも、ニャレーションはニャんで知ってるの?」
(説明しよう!入口はあそこだ!)
「あっ、ごまかした。」
すると、謎の手が現れ、指を指した。そちらを見ると、木が生い茂って暗くなっているところに、大きな穴があった。
「もしかして、あれが…?」
(説明しよう!私の手は、真実の方向を指差すのだ!)
「本当だったのですね…。」
蛇子が、少々驚いた様子で言った。
穴をのぞいても、暗くてよく見えない。
「けっこう深い穴なのかな…?」
「そのようですね。」
「この先にハルキが…。」
「行く?」
「……。」
私は、少し迷った。
(行ったところで、勝てるのかな?返り討ちにされるんじゃあ…。)
「どうしよう…。」
(説明しよう!チアキは、今から穴に落ちるのだ!)
「それはないよ〜。あっ。」
気がつくと、地面が無かった。
「キャーッ!」
「チアキー!」
「私たちも追いましょう!」
私に続いて、蛇子たちも降りてきた。
(絶対に助ける。)
2.地獄の2人きり
やっと目が覚めた。雷にうたれてから、1日はたっただろう。相変わらずロープで結ばれたままで、身動きが取れない。
(そういえばカメリアは?)
辺りを見渡したが、僕以外誰も見当たらない。
(デビル洞窟にしては、人がいなさすぎるような…。)
「起きたか。」
「えっ?」
いつの間にか、僕の目の前にカメリアがいた。
「お前のような落ちこぼれたやつといたせいで、困ったことになった。」
「困ったこと?っていうか、落ちこぼれ…」
「ここがどこか分からないのさ。」
「つまり、迷子!?っていうか、落ちこぼれじゃない…」
「あー、困った。よりによって落ちこぼれで、なおかつ出来損ないの奴で、しかも、俺にとっては敵の天族と2人きりだなんて。拷問よりキツい。」
「あのー、僕の言葉をさえぎらないでいただけると嬉しいんだけど?」
「お前は黙れ。」
「むっ。」
「そうだ、ワープしたらいいのか。当然、お前も連れて行く。」
「えっ、ホント!?」
「エンマ様のご命令だからな。」
「僕のためじゃないのか。」
「お前に優しくしたところで、メリットが1ミリもないさ。」
「サラッとひどいこと言うな!」
カメリアは、僕のことを無視し、ポケットに手を入れた。
「ん、おかしいな…。」
「どうしたの?」
「ワープ用のボタンがないぞ?」
「あの雷のせいじゃない?」
「かもな。…って、お前の言うことは信じないぞ!」
「いや、それしかないと思うけど…。」
「こうなったら、さっさと飛んで知ってる場所まで行こう。」
「そうだね。」
「飛んでだがな。」
「ん?」
「だから、飛んで。先行ってるぞ。」
「ん、んん?あっ、侮辱だな!?バカにしてるのか!」
「反応もだが、理解も遅いな。じゃ。」
「ちょ、追いてくな!」
「待つと思うか?」
「いや、思わない!」
「じゃあ聞くな!…うわっ!?」
カメリアは、壁にぶつかって落ちてきた。僕は言った。
「何してるの?」
「何か、見えない何かにぶつかっただけだ!」
「見えないの?」
「…いや、見えるさ。」
(嘘だ、絶対…。)
案の定カメリアは、あらゆる壁にぶつかり、何度も落ちた。
そして、ようやく諦めたようで、僕に言った。
「やっぱ見えねえ。どこなら行けるのか教えろ。」
「じゃあロープをほどいてよ。」
「逃げるなよ?」
「約束する。」
「分かった。」
カメリアは、ロープをほどいてくれた。そして言った。
「ほどいたぞ。さっさと教えろ。」
「こっちだよ。」
僕は、唯一壁が無い狭い道を指した。
「壁なんかどこにも無いけどなあ。なんでお前には見えるんだよ?」
「僕は視力がいいんだ。」
「関係ねえだろ。とにかく、早く行こうぜ。」
「あっ、結構狭いから、ぶつかるかも…。」
僕は警告した。が、遅かった。
「痛っ!騙したな!」
「騙してないよ!」
「じゃあ、なんで今ぶつかったんだ!」
「通れるよ!ほら!」
僕は、歩いてその道を進んだ。カメリアも、悔しがりつつ僕の後に続いた。
僕は言った。
「それにしても、ここはどこなんだろう?」
「そうだな…。『闇洞窟』かもしれねえな。」
「何それ?」
「100万年に一度落ちるか落ちないかと言われている暗黒の稲妻に当たったら、闇洞窟に強制ワープさせられるのさ。言い伝えによれば、一度来てしまったら、二度と出られないらしいぞ。」
「それヤバくない!?」
「…そうだな。よく考えたらヤバいぞ。」
「まあ、先に進むしかなさそうだね。」
しばらく進むと、ひらけた場所に出た。しかし、相変わらず出口がない。
「もう狭くないよ。」
「そうか。」
僕たちは、横に並んで歩いた。僕は言った。
「カメリア、こんなこと聞くのもあれなんだけど…。」
「何だよ。」
「エンマって、どんな人なの?」
「そんなの言うわけねえだろ。敵に情報は教えない。」
「じゃあ、神力はどうやったら覚醒するのかな?」
「☆印が光った時に何かきっかけがあれば、覚醒するんじゃないか?」
「そうなんだ。それは教えてくれるんだ。」
「確証はないけどな。というより、覚醒してくれた方が好都合だ。」
「ふーん。」
そんなことを話していた、その時!
「止まれ!」
「えっ?」
カメリアがそう言うので、僕は止まった。直後、目の前に地割れが発生した。それも、跳び越えられないほど幅が広く、深い。
(もし進んでいたら…。)
想像するだけでゾッとする。
「危なかったな。」
「うん。ありがとう、カメリア。でも、なんで?」
「そ、それは…。あ、エンマ様がな!『傷つけずに連れてこい。』って命令したんだ!あくまでエンマ様のため!お前のためではないっ!」
「そ、そうなんだ…。でも、ありがとう。」
「お礼なんて。」
「どちらにせよ、僕を助けてくれたことに変わりはないからさ、お礼を言って当然でしょ。」
「そう、なのか?」
「うん。」
「……。」
3.薄れた記憶
なぜ俺は、あいつを助けたのだろうか?考えても分からない。
(お礼か…。)
感じたことのない不思議な感覚があった。
(なんだ、この感覚…。どこか暖かい、不思議な気持ち…。)
「あっ、これ!地割れのせいで進めないじゃん!どうしよう…。」
「俺は行ける。飛べるからな。」
「いいなあ。…そうだ、助走をつけたらいけるかな?」
「やってみろよ。」
(無理だろ。)
あいつ、いや、ハルキは、かなり遠くまで行った。
「よーし。」
(本気かよ…。地割れの幅、20mはあるぞ。…はっ!)
見えた、見えたぞ…。
俺に見える半透明のハルキは、跳び越えようとしたが、届かなかった。
…俺には、ちょっと先の未来が見える。この力で、敵を倒したり、攻撃をよけたりしてきた。見えるのは、ほんの数秒後のこと。相手が攻撃を仕掛けてくるところ、相手に隙が生まれる瞬間。それから…。
仲間が傷つく瞬間。
「だめだ!絶対に届かない!」
しかし、ハルキはもう走り出していた。
「お前には無理だ!止まってくれ!」
「いや、やってみないと!」
(こうなったら、力ずくで!)
俺は、ハルキの正面に立った。
(ぶつかったら止まるだろ。)
(説明しよう!ハルキの走る速度は、自動車並みなのだ!)
「!い、今の声は?」
(説明しよう!私は、ナレーションである!)
「は、はあ。そんなやつが…。」
(説明しよう!このままではカメリアは、車にはねられるようなダメージを受けるのだ!)
「えっ!?」
俺は、慌ててよけようとした。ハルキも俺に気づき、止まろうとしている。が、間に合わなかった。
「え、ちょっ、なっ…。」
ドーン!
ものすごい音をたててぶつかってしまった。
(なんだこの威力は…。)
俺はよろけ、地割れに落ちてしまった。
「カメリア、ねえ、カメリア!」
「う、うーん…。」
ハルキに呼ばれ、俺は目が覚めた。
「ここはどこだ…?」
「地割れの底だけど。」
「そうか。…って、ん?」
「何?」
「地割れの底?」
「うん。」
「お前が俺を引き上げたんじゃなく、お前が落ちてきたってことか?」
「そうだよ。」
「なにしてんだよ…。」
俺は呆れて額に手を当てた。
「お前は飛べないんだろ?戻れないじゃないか。」
「そうだけど…。バラバラになって1人ぼっちになるより、2人一緒の方がいいじゃん。」
「でも…俺たちは敵同士だろ。」
「そんなの関係ないよ。このピンチは2人で乗り越えないと。」
「…なんで、そう思うんだ?」
「えっ?」
「お前は、俺のことが嫌いなんだろ。」
「確かに、嫌いだったよ。」
「だった?」
「うん。火の島に行った時、カメリアは僕のことをさらおうとしたの、覚えてる?」
「もちろんさ。」
「その時はさ、ひどいやつだなって思ったんだ。でも、水の島に行った時は、僕のことを助けてくれた。」
「別に、そんなつもりじゃ…。」
「カメリアはきっと優しい人なんだろうなって、その時から思い始めたんだ。」
「…優しくなんか。」
「それに、さっきも僕のこと、助けてくれたじゃん。」
「……。」
俺は、何も言い返せなかった。ハルキは続けた。
「だから、もう嫌いじゃないよ。」
「…でも!」
俺は言った。
「たとえ俺たちが敵どうしの関係じゃなかったとしても!種族が違う限り、協力は不可能だ!」
(よりによって天族と魔族だぞ!)
しかし、ハルキは落ち着いた様子で言った。
「カメリアはそう思うんだ。知りたかったんだ、カメリアの気持ち。…でも僕は、種族が違っても、姿が違ったとしても、仲良くできると思うんだ。実際に僕は、チアキや蛇子、ミユキやミケと、仲良くしてるし。だったら、敵どうし…天族と魔族でも、仲良くできるんじゃないかな。」
「……。」
すると、謎の声が聞こえた。
『大丈夫。』
「!?」
(今のは何だ!?ハルキの声じゃない。直接頭に響いてくる…。)
小さな女の子のような声だ。その声はまだ続く。
『確かに姿…けど、きっとな…できるよ。怖が…で。わた…なろう。』
(なぜとぎれとぎれに…。昔どこかで聞いたのだろうか?)
思い出そうとした。しかし、昔のことを思い出そうとするほど、なぜか頭がズキズキする。
(俺は…何か忘れているのか?)
「カメリア、大丈夫?」
「え?あ、あぁ。」
「ならよかった。急にぼーっとするから、ちょっと心配しちゃった。」
(そういえば、5年くらい前までの記憶が全然ないな…。)
「あっ、抜け道がある!行ってみようよ!」
「でも、そこを通っても上には上がれないだろ。」
「行ってみなきゃ分かんないよ!」
ハルキはそう言って俺の手を握り、無理やりにも俺を連れて行った。
「はあ…。まあ、行ってみるか。」
4.危険すぎる抜け道
「うわーっ!」
僕たちは、地割れの底にあった抜け道を通っていた。でも…
「なんで岩が転がってくるのーっ!?」
「お前が安全確認もせずに走り続けるからだろ!」
「だったらそう言ってくれればよかったのに!」
「っていうか、そろそろ手を離せ!」
「あっ、ごめん。」
僕は、カメリアの手を離した。カメリアが僕のスピードについてこれるのか心配だったが、僕の横を飛んでついてきたので、ひと安心した。
「おい、前を見ろ!」
「えっ?」
前を見て、僕は絶望した。
「い、行き止まり…。」
「どうするつもりだ。」
「うーん…。」
考えている間に、岩が近づいてくる。この辺りは天井までの高さが3mほど。岩の大きさも3mほどで、飛び越えるのは不可能だ。
「あーっ、もうだめだー!」
「俺に任せろ。」
カメリアはそう言い、指を鳴らした。すると、岩の動きが止まった。
「どういうこと!?」
「岩の時間を止めただけさ。」
「へえー、すごいね!」
「さて、いよいよあれを使う時か…。」
カメリアはコートの内側から、鎌のような物を取り出した。
「それは…?」
「エンマ様からいただいた物さ。『絶望の鎌』という名前の神器だ。」
「それで、どうするの?」
「岩を砕く。」
「えっ!無理でしょ!」
「いや、いける!」
すると、絶望の鎌の刃の部分が、紫色に光り輝き…
「『闇の一閃』!」
カメリアが、それを勢いよく縦に振った。そして、岩が粉々に砕け散った。
「すごい!本当に砕いた!」
「だろ?ついでに壁も壊しておこう。」
カメリアは、絶望の鎌をサッと壁にかすらせた。それだけで壁が破壊され、先に進めるようになった。
「すごく強いんだね、それ。」
「ま、俺自身が強いから、滅多に使わないけどな。」
カメリアはそう言い、絶望の鎌をコートの内側におさめた。そして、先に進み始めた。
「そういえば、カメリア飛ぶの速かったよね。」
「そうか?」
「見た感じ翼は無さそうだけど…。コートで隠してるの?」
「いや、生まれつき無い。」
「えっ!魔族なのに!?」
「エンマ様によると、生まれた時から翼は無かったらしい。一生飛べないと思ってたんだが、ある時なぜか飛べるようになったのさ。」
「そうなんだ…。」
(僕もいつか、自分の力で飛んでみたいな。)
そう思っていると、何か気配がした。いやな予感がして、後ろを見ると、そこには…。
「カメリア!あれ、あれ!」
「なんだよ。…な、なっ!」
大量のコウモリがいた。カメリアは言った。
「まずいぞ、毒コウモリだ!触れるだけで毒がまわるぞ!」
「えーっ!?」
「逃げるぞ!」
「分かってるよ!」
毒コウモリはとても速く、あっという間に追いつかれそうになった。
「カメリア、さっきの鎌でどうにかできない!?」
「数が多すぎる!無理だ!」
「そんな!」
毒コウモリはキーキー鳴きながら、僕たちに迫ってくる。
「もうだめ、追いつかれる!」
「くっ、こんなところで終わるのか…。」
諦めかけた、その時!
(?…水の音?)
「カメリア、水の音だ!川とかかな?」
「そういえば、闇洞窟には1本だけ川が流れているらしい!」
「毒コウモリって水の中まで来る?」
「来たらビビるわ!」
「じゃあ、急いで川まで行こう!」
音のする方に行くと、やはり川があった。でも、かなり流れが速い。
「うーっ、怖い…。けど、今は仕方ない!」
「ビビってないで、早く飛び込むぞ!」
カメリアが先に川に入ったので、僕も後を追った。
5.守りたい
川に入ったものの、流れの速さは予想外だった。まるでさっきまで大雨が降っていたかのような感じだ。
(なんだこの勢い…。あっ、あいつは?)
ハルキのことが心配になり、後ろを見た。しかし、ちゃんとついてきたようで、ほっとした。
ん、心配…?
(俺のバカーッ!天族は敵だ!)
…自分に怒っている場合ではない。こうしている今も、流されているのだ。
(何か…何かないのか?)
俺は水面を見上げた。すると、木の幹が流れてくることに気づいた。
(あれにつかまれば…。)
俺はハルキの手を引き、なんとか水面に上がった。
「早く木につかまれ!」
「う、うん!」
ようやくひと安心できる状態になれた。ハルキが言った。
「毒コウモリ、いなくなったみたい。」
「そのようだな。」
「でも安心はできないね。」
「そうだな。手を離したら大変なことになるかもしれないしな。」
「いや、そうじゃなくて、前。」
「前がどうした?」
俺が前をよく見ると、途中で川が途切れていた。いや、違う。
「滝!?この先は滝なのか!?」
「そうみたい…。」
「いや、俺は飛べばいいのか…。」
今すぐ飛び始めるのが1番安全なのだろうが、そうする気にはなれなかった。
「カメリア、僕を持って飛べない?」
「体力を消費した状態でそんなことしたら、もっとひどいことになると思うが?」
「じゃあ…カメリアは飛んで、先に進んで。」
「…お前をおいていくってことか?」
「そうだよ。」
「そんな…。」
「いいんだ。僕のことなんか放っておいて、カメリアは行って。」
「だが…。」
「カメリアは、強いじゃないか。僕とは違う。弱い僕より、強いカメリアが生き残る方がいいよ。」
「…そんなの…おかしい。」
「えっ?」
「おかしい!世の中は強さで全てが決まるわけじゃない!たとえどんなに弱い人でも、命の価値は変わらない!」
「カメリア…。」
「お前は俺の敵だ。でも…お前を守りたい。エンマ様の命令とかじゃない、これは自分の意思だ!」
気がつくと、滝から落ち始めていた。
「早く、俺の手を持て!」
「僕を持って飛ぶの?大変なことになるんじゃ…。」
「やってみないと分からねえだろ!」
俺はそう言い、無理矢理ハルキの手を掴んだ。
(なんでこんなに助けたくなるのかは分からない。でも…何か感じる気がする。)
「なんとしても、守り抜く!そして、俺たち2人で闇洞窟を脱出する!」
そして、力の限り飛ぼうとした。少しフラフラしているが、なんとか飛べた。
「ふぅ。地面まで行くぞ。」
「カメリア、ありがとね。」
「礼は後にしろ。急がないと落ちそうだ。…というより。」
「どうしたの?」
「もう限界だ。」
「そっかー。…って、えーっ!?」
「すまん!」
そして、俺は気を失ってしまった。
6.それは誤解だ!
「うっ…うーん…。」
俺は、うっすらと目を開けた。
(無事だったのか…。)
ほっとした。のだが…
(ハルキはどこに行った?)
辺りを見渡しても、どこにもいない。あまり名前を呼びたくないのだが、今は仕方ない。
「ハルキ〜!どこだー!っていうか、なんか地面が変だな…。」
ふいに下を見た。すると、驚くべきことに、そこにハルキがいた。
「あーっ!踏んでいた!」
俺は慌てて飛びのいた。
(気づかなかったのがバカみたいだ…。)
「あっ、お前は!」
「なんだ?」
振り向くと、そこには4人の人がいた。1人は剣を持ち、1人は本を持ち、1人は猫のような姿をしており、もう1人は…何も持っていない。
剣を持った人が言った。
「カメリア!ハルキに何をしたの!?」
「は?」
「とぼけてないで、答えて!」
「いや、俺は何もしてねえよ。」
「嘘ついても無駄よ!ハルキが気絶するなんて、よっぽどのことをしたんでしょ!説明しなさい!」
(なんだよ、なんでこいつらがここにいるんだ?そもそも、なんで俺がやったことになってんだよ?)
「教えてくれないなら…。」
その人…チアキはそう言い、俺に剣を向けて走ってきた。
「ハルキの変わりに、私があなたを倒すわ!」
(なんでこんなことに…。俺は、何もしてないのに…。)
壮絶な戦いの幕が、開こうとしていた。
皆さん、今回のお話はどうでしたか?
ハルキとカメリア、敵どうしでも見事なコンビネーションでしたね。カメリアの心境にも、微妙に変化が起き始めました。
最後、チアキに誤解されたカメリア。どうなるのか気になるところですが…。
次回は7話のチアキ編です!