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飛べない天使と仲間たち  作者: なかつわこ
8/12

⑥空を裂く稲妻、サンダラン様復活

いよいよ3人目の女神様復活です!

今回は一体、どんなピンチが待ち受けているのでしょうか?

1.ハルキ大ピンチ!

 今日も朝がやってきた。昨日はハルキに全てを任せてしまい、少し迷惑をかけてしまった。スフラ様が復活できたのはよかったけど。

 相変わらず、ハルキは朝に弱い。もう9時だというのに、まだ寝ている。

(昨日のことで、疲れたのかな。)

 ミケはまだ目覚めない。でも、ミユキが一晩中見ててくれた。魔族(デビル)のことや、ツバキのことを知ってるかもしれないから、なんとしてでも目覚めさせないと…。それに、せっかく出来た友達だしね。

「チアキ、朝食ができましたよ。」

 いつの間にか、蛇子が部屋に立っていた。

「わっ、蛇子。全然気づかなかったよ。」

「瞬間移動して来たので、気づかなくて当然です。」

「へぇ〜。」

サラッととんでもないことを言った気がするが、気に求めなかった。だって、蛇子はなんでも出来るから、特に気にならないもの。

 すると、階段を駆け上がる音が聞こえた。

「みんな!ミケが目を覚ましたよ!」

「えっ!?」

「本当ですか!?」

「うん!来て!」

私たちは、ミケのもとに行った。

 ハルキの左手の甲が光っていることには、誰も気づかなかった。


 自分に異変を感じ、僕は起き上がった。

「あー、よく寝た。にしても、なんか変だな。」

僕は、ふいに自分の左手を見た。すると、☆印が光っていた。

「え、何これ!」

「覚醒の時。」

「えっ?」

聞き覚えのある声だ。

「カメリア!?」

「そのとおり。」

いつの間にか開いた窓。カメリアは、僕の後ろにいた。

「おっ、びっくりした!」

「悪役に対してそのリアクションって…。」

カメリアは呆れた素振りを見せ、言った。

「お前の神力が、覚醒しそうなのさ。」

「マジで!?」

「マジだ。」

「マジかー。」

「頭おかしくなりそうだからもうマジって言うな。」

「オッケー。()()で理解した。」

「してないじゃねえか。」

「そんなことより、なんでカメリアがここに?」

「決まってんだろ。お前を捕らえに来たのさ。」

そう言ってカメリアは、ロープで僕を結んでしまった。

「い、いつの間に!」

「反応が遅いぞ。」

「くっ…。」

「よし、じゃあこのままワープして…。」

「…カメリア。」

「なんだ?」

「何あれ…。」

空に、真っ黒な雲が浮かんでいたのだ。明らかに不自然だった。

「なんだあれは。」

「カメリアの仕業じゃないのか?」

「違うし。」

その雲はゴロゴロと音をたてている。

「いやな予感…。」

「さっさとワープしたほうがいいな。」

カメリアがポケットからスイッチを取り出し、押そうとした。その時!

「バリバリ、ドーン!」

真っ黒な稲妻が、僕を直撃した。ロープを持っていたカメリアも巻き添えだ。

「うわーっ!」

僕たちは叫んだ。そして、気を失ってしまった。


2.ミケの正体

 ミケは、ベッドに座っていた。

「私、一体何を…。」

「ミケ…。よかった。」

「ミケ、あなたに聞きたいことがあります。」

蛇子が言った。

「魔族について、何か知っていますか?」

「魔族…。確か、エンマって人がいた気がする…。」

「どんな人?」

「黒髪で、黒い服で、つり上がった赤い目だったと思う。」

「ツバキについて、知っていることは?」

「ツバキ?それは知らない…。」

「そうですか。」

「でもよかったよ。ミケが無事で。」

「チアキ…。」

 ミケは、意を決したように立ち上がった。

「私、話さないといけないことがあるの。」

「なに?」

「実は私…。」

ミケはそう言って眼鏡を外した。すると、驚いたことに、頭に猫耳が現れ、頬からヒゲが左右3本ずつ生えてきた。猫の尾もある。

「私、猛獣族(アニマル)ニャの。」

「……えーーーーーっ!?」

私たちは叫んだ。私は言った。

「な、なんで猛獣族なのに、わざわざ騎士学校に来たの?」

「分からニャい。何かに操られるようにここに来たの。」

「ハルキが言ってた呪いですかね?」

「ミケ、心当たりは?」

「うーん…。」

 しばらくの沈黙の後、ミケは言った。

「そういえば、6月の終わり頃にニャにか…。」

「何があったの?」

ミユキが、心配そうに聞いた。

「思い出せニャいわ。考えようとすると、頭がモヤモヤして…。」

「そっか…。」

「でも、なんで隠してたの?」

私は聞いた。ミケは答えた。

「違う種族だから、バレたら追い出されると思ったの。」

「そうだったの…。」

他の種族とは、あまり仲が良くない。勝手に他の種族の場所に行って、もしそれがバレたら、大変なことになるだろう。

「でも、チアキがいろんな人と仲良くしてるのを見て、きっと大丈夫だと思って。だから言ったの。」

「私のこと、信じてくれたの?」

「当たり前よ。友達じゃニャいの。」

「ミケ…。」

(呪いの力でハルキを狙って私に近づいたんじゃなくて、自分の意思だったんだ。)

「ところで私、チアキたちが女神様を復活させていることは知ってるわ。」

「そうなの?」

「操られて命令を受けた時に知ったの。」

「そうなんだ。」

ここで、ミユキが言った。

「ミケも、協力してくれる?」

「えっ?」

「女神様の復活。人数は多い方がいいだろうし、ミケは猛獣族の猫人間でしょ?きっと、強い味方になってくれると思うの。」

「ニャるほど!そういうことニャら、協力するわ!」

「本当!?ありがとう、ミケ!」

新しい仲間が増え、とても嬉しい気持ちになった。

 と、その時!

「バリバリ、ドーン!」

「うわーっ!」

「!?今の声は?」

「ハルキの声でした。でも、もう1人の声がしたような…。」

「ちょっと行ってみよう!」

私は、部屋の中を見た。…ひどい惨状だった。窓は割れ、床は一部が黒焦げ。めちゃくちゃになっている上、ハルキがいない!

「ハルキ?どこにいるの!」

「……。」

返事は無かった。

「まさか、カメリアが…?」 

「その可能性は否定できませんね。」

「そんな!早く助けないと!」

「チアキ、落ち着いてください。私にいい考えがあります。」

「えっ?」

「いつものように、女神様の復活に行くのです。そうすれば、カメリアが私たちのもとに来るでしょう。そして、力を合わせて返り討ちにするのです。弱ったところで問い詰めれば、言うかもしれません。」

「すごくいいアイデアだね!」

「…でも、復活の石がないと…。」

「あっ。」

復活の石は、ハルキが持っている。ハルキがいない今、復活に行ったところで意味がないのだ。

「あら、確かにそうですね。どうしましょう…。」

「!これ見て!」

ミケが言った。そこには、復活の石が置いてあった。

「復活の石だ!…でも、なんで?」

「ハルキが、(すんで)のところで残していったのかもしれません。」

「ハルキやるじゃん。」

「では、サンダラン様の復活に行きましょうか。」

蛇子が言った。私たちも心を決め、言った。

「うん!」


3.三種の神器

 いつものように、蛇子の超能力でスカイアイランドに行き、目的地の「電気の島」に行こうとした。

「待ってください!」

(この声は…。)

振り返ると、ヒカリ様が浮いていた。

「ヒカリ様!」

「皆さんに、少しお話があります。」

「話?」

「太陽の神殿に来ていただけますか?」

「分かりました。」

私たちは、太陽の神殿に行った。

 ヒカリ様が言った。

「これからあなた達は、強い魔族と戦うことになるでしょう。そこで、これを託そうと思いまして。」

ヒカリ様は、大きな金庫を開き、3つの武器を出した。

「ヒカリ様、それは?」

「『三種の神器』です。」

「三種の神器…!?」

蛇子が、驚いたように言った。

「それは、過去の争いの原因となり、消滅したはずでは…?」

「残っていたのです。これを手にすれば最強になる。そんな言い伝えがあるのですから、簡単には消えないでしょう。」

「これを、私たちに…?」

「そうです。では、チアキ。あなたには、『ライトサーベル』を授けましょう。」

(説明しよう!ライトサーベルとは、闇だけを切り裂く伝説の剣のことだ!体を傷つけず、心の闇だけを切る、悪を浄化するための神器である!)

「ミユキには、『氷雪の魔術書』を授けましょう。」

(説明しよう!氷雪の魔術書とは、氷の魔術を使うために必要な呪文、魔法陣などが書いてある本のことだ!それを使って発動した魔術は、闇を固め、粉々に砕き、消し去ることができる!これもまた、悪を浄化するための神器である!)

「ハルキにも用意したのですが…。」

ヒカリ様は、悲しい顔で1つの弓を取り出した。

「これは、『陽光の弓』というのですが…。」

「ハルキは今、魔族に囚われていまして…。」

「それもあるのですが、この弓…。」

よく見ると、弦が切れていることに気がついた。

「使えないってことですか!?」

「おそらく。弦の無い弓で矢は打てませんよね…。」

「他には無いんですか?」

「三種なので、3つしかありません。」

「そんな…。」

「でも、ハルキにはこれが1番合うと思うんです。一応渡しておいてください。」

「分かりました。」

(説明しよう!『陽光の弓』は、人類が発見した時には、すでに弦が切れていた!そのため、誰も使った事がない!つまり、詳細は不明なのだ!)

「この声、ニャに?」

「ただのナレーションだから、気にしないで。うるさいかもしれないけど。」

「ニャレーション…。」

「ともかく、私はあなた達を信じています。何事もない平穏な日々を、いつの日かもたらすでしょう。」

「ヒカリ様…。」

(ハルキが今の言葉を聞いたら、喜んだだろうな…。)

「あの、私とミケには、なぜ何もないのですか?」

「蛇子は、超能力を使うことができます。ミケは、猫の能力を使って、巧みに動き回ることができます。」

「それを活用したらよいのですか?」

「そういうことです。」

「そういうことなら、納得です。超能力には自信があるので。」

「私もニャっ得。」

「分かってくださり、ありがとうございます。」

「それでは、そろそろ行きますか。」


4.電気の島は感電注意

 電気の島につき、私たちは驚いた。

「なんか、ところどころ地面に電気はしってない?」

「確かに。」

「運が悪ければ感電しますね。ちょっと行ってみます。」

「うん。…え?」

私は、スタスタと歩いていく蛇子に慌てて止めた。

「さすがに危ないよ。いくら蛇子でも、やめた方がいいって…。」

(説明しよう!電気の島の電圧は、約10億Vなのだ!)

「ナレーション!余計に怖くなったよ!」

「よければいいんですよね?」

(説明しよう!電気の島では、落雷が多発しているのだ!)

「ナレーション!いい加減にして!…ごめんね蛇子、恐怖をかきたてちゃって。あれ、蛇子?」

蛇子は、もうとっくに進んでいた。

「蛇子ー!」

でも、蛇子は軽やかに電気をかわしていた。雷も上手くよけている。

「蛇子すごい…!」

「それほどでもないですよ。…よっ。」

喋りつつも雷をよける蛇子。

(すごいなー、蛇子は。)

「建物が見えたので、見てきますねー!」

蛇子は、さっそうと走っていった。

「私も行こう。」

「チアキ!?本気で行くの!?」

ミユキが言った。私は答えた。

「うん。私だって、蛇子みたいになりたい!」

「でも、危険だよ。」

「私も危ニャいと思う。」

「でも…!」


 電気や雷をかわし、ようやく到着した。

「神殿ですかね…?」

チアキたちはまだ来ていなさそう。

(私でも結構きわどかったから、遅くなってもおかしくはないですね。)

「さてと、入りましょうか。」

私は、電気の神殿に入ろうとした。と、その時!

(気配?)

私は、サッと横に飛びのいた。その直後に、大きな一匹の狼が飛びかかってきた。

(あのまま立っていたら、噛まれていましたね。)

「はずした、か…。」

その狼は間違いなく、ムーンウルフだった。

「お久しぶりです。」

「少しは慌てろよ。」

「それはやめときます。」

「変なやつだ。まあいい、そんなことより、聞きたいことがある。」

「なんでしょう?」

「オレンジの髪で、羽の生えたやつを探しているのだが、知らないか?」

「いえ、知りません。」

私は答えた。事実、今どこにいるか、分からないから。

「そんなはずがない。お前なら知っているはずだ。」

「いえ、知りません。」

「正直に答えろ。」

「いえ、知りません。」

「……。」

「いえ、知りません。」

「いい加減にしろ!どうせどこかに隠れているんだろ。」

(あ、そうです!)

「あー、バレました。」

「お、ようやく諦めたか。で、どこにいるんだ?」

「あそこです。」

私は、私が来た道にあった岩を指差した。

「あの後ろか。助かったぜ。」

ムーンウルフは、その岩の方に向かった。

(そろそろですかね…。)

私が上を見ていると、予想通り、雷が落ちてきた。そしてムーンウルフに命中。

「ギャーッ!」

「あ、言い忘れてました。ここ、よく雷が落ちるんですよ〜。」

「よ、よくもやったな!」

「雷を落としたのは、私ではありません。」

「?」

「偶然です。あなたの運が悪いだけ。」

「!!!もう許さんぞ!」

(あら、やりすぎたかしら?)

「お前のせいだからな!ちゃんとつぐなってもらう!」

「どうやってですか?」

「それはだな…。」

そして、ムーンウルフは私に向かって走ってきた。そして言った。

「今ここでこの俺の餌になるだけさ!」

「なっ…!」

(速い。さすがにこれまでですか…。)

諦めかけた、その時!

「!!?」

ムーンウルフが、足を止めた。私の方を見て、ただただ驚いている。

「な、なんだ…?」

(どうしたのかしら?)

すごく息があらい。そんなに動いたかしら…。

「この気配、この雰囲気。マズイ、マズイぞ…。」

「何がですか?」

私は、ムーンウルフの方を見た。怯えたように震えている。そして…。

「も、も、も、申し訳ございません!」

「えっ?」

「失礼しました!」

ムーンウルフは、すごい速さで逃げていった。

「ギャーッ!」

「またですか…。」


やっぱり、行くのはやめることにした。蛇子が何をしているか分からないが、どうにかして、電気を止めてほしい。

 すると、何やら足音がした。

「なんだろう?」

その直後、私の横を大きな何かが通り過ぎていった。

「なんだったんだろう?蛇子ではなさそうだけど…。」

「変ニャ気配だったわ。」

「でもなんだろう、感じたことのある気配だったような…。」

ミユキは、考えるような素振りをした。

「…やっぱり分かんない。」

「まあ、気にしなくていいんじゃない?」

「うーん、そうかな…。」

 すると、何やら機械音がした。そして、地面をはしる電気が無くなった。

「消えた?」

「皆さん、電気を止めておきました!」

「蛇子。よかった、これで進める。」

「でも雷はどうにもできませんでした!」

「え〜っ!?」

「がんばってくださーい!私はここで待ってまーす!」

「わ、分かったー!」

(と言ったけどどうしよう?)

すると、ミケが言った。

「サンダラン様に来てもらって、ニャんとかしてもらうとか。」

「そう出来たらいいけど…。」

「蛇子に頼むとか?」

「なるほど!じゃあ呼んでみるね。」

私は、できるだけ大きな声で言った。

「おーい、蛇子ー!」

「なんですかー?」

「サンダラン様呼んで、雷止めてもらってー!」

「了解です!」

そう答え、蛇子は神殿に入っていった。

 しばらく待っていると、急に雷が大量に落ち始めた。

「キャーッ!」

「何!?」

「ニャにごと!?」

私たちが慌てていると、黄色い髪の少女が走ってきた。でも、速すぎてよく見えない。

 その人は私の方に来て、目の前で止まった。危うくぶつかりそうだったので、私は少しよろけた。

 そして、その人は言った。

「ごめんね!雷おさえるの忘れてた!」

「えっ、えっ…。」

「今止めるから待ってて!」

「は、はい…。」

あまりのスピードに圧倒され、状況がなかなか理解できない。そうこうしているうちに、雷が収まり、空が明るくなった。

「あっ、止まった…。」

「次からは気をつけるから、許してーっ。」

「はい…。」

「この方が、電気の女神のサンダラン様です。」

「あっ、蛇子。ほんとに呼んでくれたんだ。」

「疑われることなく、すぐに呼べました。」

「ありがとう。」


5.サンダラン復活

 サンダラン様は、わくわくした様子で言った。

「わざわざ地上から来るってことは、何か用があるの?」

「あ、はい。実は、サンダラン様を復活させに来たんです。」

「ウチを!?いや〜、よかった。やっと戻れるんだ。…ところでさ、ちょっといい?」

「なんですか?」

「ハル君知らない?」

「ハルキのことですか?」

「そうそう。知り合いでしょ?ヒカリから聞いたの。」

「ハルキは…。」

私は、ハルキが今どうなっているかを話した。

 サンダラン様は言った。

「敵に捕まったんだ…。」

「そうなんです…。」

「ウチに出来ることある?」

「うーん…。復活したら、何か変わったりしますかね?」

「確かに。でも、復活の石がないと無理だよ。」

「持ってます。」

「…え〜っ、ほんと!?」

「本当です。」

「す、すっごーい!あんな貴重な物を!?」

すると、なんだか空模様が怪しくなってきた。そして…。

「あなた達、すごいんだね!」

と言った時、大量の雷が落ちてきた。

「なんでー!?」

「あっ、ごめん!私、驚いたり、興奮したりしたら、近くに雷落としちゃうの!」

「そ、そうなんですか!?…ギャーッ!」

見事に雷にうたれてしまった。

「チアキー!」

ミユキたちが叫んだ。でも、サンダラン様が、

「心配御無用。」

と言い、私に触れた。すると、しびれた感覚が嘘のようになくなった。

「な、何をしたんですか?」

「電気を吸い取っただけ。この感覚が好きなんだよねー。」

「感電が好きなんですか。」

「そ。…で、早く復活の石出してよ!」

「あっ、はい。」

私は、復活の石を取り出し、サンダラン様の額に当てた。

「祈っていい?」

「はい。」

「復活の石よ。その力で、私を元にお戻しください。電気のように輝く希望を、どうかお授けください。太古の王ハレン様、私は今、ここに祈ります。」

すると、サンダラン様に雷が落ちた。その電撃が消えると、大人になったサンダラン様が立っていた。黄色い髪はポニーテールに結ばれている。キラキラ輝くストラップのような物が、服のところどころについている。首には、稲妻の形をした黄色い石のついたネックレスがあった。

「いやー、ほんとに戻った。ありがとね。」

「いえいえ。」

「あっ、そうだ!これあげる!」

サンダラン様は、ネックレスの石と同じ形の物を私に渡した。

「記念品ってことで。じゃあねー!」

サンダラン様は、やっぱりすごい速さで飛び去っていった。

 私は言った。

「っていうか、カメリア来なかったね。」

「なんでだろう…。」

「都合が悪かったのでしょうか?」

「ハルキにニャにかしてるのかもしれニャいわ。」

「そうかも。じゃあ、早く探さないと…。」

(どうか、ハルキが無事でありますように!) 

私はそう思った。明日は絶対、ハルキを助け出す。


6.一方そのころ

 いつの間にか夜になった。帰るのにこんなに時間がかかるなんて。

「遅いぞ。一体何時だと思ってるんだ。」

「エ、エンマ様!」

俺は、ひざまずいた。エンマ様は言った。

「もう日付が変わった。どうだ、特訓の成果は出たか?」

「い、いえ…。」

「ったく、無理して昼間に行くからさ。そんなことより、なぜそんなに疲れているのだ?」

「そ、それが!ものすごい女に遭遇しまして!雰囲気がなんか、エンマ様のような威圧感がありまして…。」

「ほう。」

「それで、あの、その…。」

「怖くて逃げてきた?」

「うっ。」

(き、気づかれた…。)

「何をしているのだ!そんなのは雰囲気だけだ!たかが人間ごときに怯えるな!」

「す、すみません!」

(よかった。あいつがエンマ様かと思ったが、違ったようだな。)

「まったく、お前がしくじってどうする!?」

エンマ様は続けた。

「今はカメリアが()()()から、お前しか私の役に立てないのだぞ!」

「…カメリアが帰ってないのですか?」

「あぁ。ハルキをさらいに行ったっきりさ。まさかやられたんじゃないだろうな…。」

「それはないと思いますが…。」

「好き勝手喋るな。お前はもう寝とけ。」

「は、はい!申し訳ございませんでした!」

そう言い、俺は眠りについた。

(あいつ、どこに行ったんだ?)

今回のお話はいかがでしたか?

復活には成功したものの、ハルキは助けられませんでしたね。

次回は、ハルキを助ける冒険に!

そして、ついにツバキが!?

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