大会2日目~ エウロが得たもの~ (後編)
「アリア、2つ目の“指令書”はどこだ?」
「“森林コース”って書かれてる」
2人で地図を広げ、森林コースを探す。
「ここか……」
俺が地図を指さすと、アリアが失敗したと言わんばかりに「ああ~」と声を上げる。
「ここからは結構近いみたいだけど、“森林コース”って事は道が入り組んでるかも。ごめん、大変な場所を引いちゃったかもしれない」
「仮にそうだとしても、今回は足じゃなく腕を結んでるだけだから、そこまで気にする必要はないだろ」
「ありがとう、エウロ」
アリアが俺を見てにっこり笑った。
…………可愛く見える。じゃなく、ものすごーく可愛い!!
アリアが可愛くて仕方がない。
なんでだ……?
いや、元々アリアは可愛くないわけじゃない。
ただ、今までアリアと話しててこんな気持ちになった事もない。
……やっぱり俺はどこかおかしい。特に心臓がおかしい気がする。
大会が終わったら、速攻で検査をしよう。最悪入院かもしれない。
今回は足が固定されていない分、先ほどよりもスムーズに体が動く。
その為、他愛もない会話をしながらでも、 十分な速度で移動できる。
「やっぱり腕が固定されていると動きづらいね」
「そうだな。でも思っていたより、道は悪くないな」
「うん、それは思った。よかった!」
道路状況にもさほど影響を受けず、次の場所までは難なく辿り着く事ができた。
アリアと2人、ひときわ大きな木の前にいる男性の上級生の前に立つ。
軽く挨拶を済ませると、時間を掛けないよう気を遣ってくれたのか、すぐにクイズを出題してきた。
国に関するクイズではあったが、魔法のクイズ同様、こちらも5問連続で正解する事ができた。
「おめでとうございます! それでは、こちらが最後の“指令書”です。最後の“指令書”は暗号になっています。暗号を解読し、ゴールへ辿り着けたら、全ステージクリアとなります」
今までの“指令書”は箱から引いていたけど、最後の“指令書”は手渡しだった。
もしかすると、最後の目的地はみんな同じ場所なのかもしれない。
「腕の固定を外しますね。最後は何も固定しません。自由にそのまま移動してください。では、これが本当のラストです! 頑張ってください!」
激励の言葉を掛けながら、魔法で パッと腕の固定を外してくれた。
ついに本当のラストステージに突入だ。
自分を落ち着かせつつ、 「よし!」っと気合いを入れ直す。
とりあえず、腕の固定が外れてよかった。
二人三脚の時もそうだったけど、アリアとの距離がずっと近すぎたから……ある意味、これで集中できる!
「まずは暗号を解くか」
「そうだね」
2人で“指令書”を開くと、どこからか見ていたのか、実況であるメロウさんの声が聞こえてきた。
「おおっと、ついに第5ステージ! 最後の指令書を開いたペアがいるぞー! それも2組!! キナさん、ペア名は分かりますか?」
「はーい! ええと、オーン&セレスペアと、そして、エウロ&アリアペアでーす!!」
「あれ!? この2組って、第1ステージの時もトップだったペアで……確か4年生ですよね!?」
「そうでーす!!」
メロウさんが興奮気味に実況を続ける。
「なーんと!! 今のところ上位1、2位が4年生というのは……“エンタ・ヴェリーノ”史上、初めての事じゃないですか!?」
「そうですねー!!」
「このまま優勝、準優勝できたとしたら……歴史に残る快挙ですっ!!」
2人の実況を聞き、アリアと顔を見合わせた。
「……エ、エウロ!」
「アリア!」
「優勝まで、もう少しだね!!」
「そうだな、オーンとセレスには悪いが、俺たちが優勝しよう!!」
アリアが「うん!」と力強くうなずく。
自然に『優勝しよう』という言葉が出てきた自分に驚いた。
……とはいえ、今は暗号の解読作業が先だ。
気持ちを切り替え、アリアと一緒に暗号文へと目を通す。
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波打つ地平が行方を示す。
昇り始めた太陽は3つ数えて空へと留まり
我らが誇りと栄誉を照らしだす。
左右が分かたれ、一葉に希望を差し出す時
始まりは終わりの場所へと姿を変える。
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……もっと大掛かりな物を想像していたけど、作り自体はわりと簡素だ。
だからといって、見ただけで内容を読み解く事は難しい。
文章の意味に悩みながらも、アリアとお互いの意見を出し合っていく。
「“波打つ地平”か……。“森林コース”はわりとデコボコとした道だったけど、そういう意味じゃなさそうだよな」
「うーん……“行方を示す”って事は、単純に考えると“目的地までの行き方を教えてくれる”って事だよね?」
「行き方を教えるか……方法は色々あるからな。とりあえず地図でも開いてみるか」
「そうだね」
俺が両手で地図を広げ、正面から覗き込むようにアリアも目を落とす。
名前や場所を何度か確認してみるも、一向にそれらしきものが見つからない。
「いくら高等部が広いとはいえ、海なんてないしなぁ」
「そうなると“波”って、何かを比喩した言葉になるのかな?」
「比喩か……“波”……電波、音、振動……実況の声とか? でも、そこまで考えて話してるようには感じないけどな」
「“波”がつく言葉っていう可能性もあるよね。波音とか波線、波形……あっ!」
何か閃いたのか、アリアが俺の手から地図を奪うと、そのまま自分の目の高さまで持ち上げた。
「この地図って山折りと谷折りを何度か繰り返してジグザグになってるよね?」
「え、うん、まあ……」
「この形って、横から見ると波の形に似てない?」
「……あ! たしかに!!」
という事は、“波打つ地平”ってじゃばら折りになってるこの地図を指してるのか!?
そう考えると“行方を示す”の意味も納得できる。
いいぞ! 的が絞れた分、次の暗号はわりと簡単に推測できる。
「そうなると“昇り始めた太陽”は方角の事かもな」
「私もそう思った! 太陽が昇るのは東から。地図は北が上になってるから、東は向かって右の方だね」
「次の“3つ数えて空へと留まり”だけど……」
「あ、それも思いついたの!」
すごいな!? 魔法に詳しいのは知ってたけど、アリアって暗号とかも得意なのか。
「最初に書いてあった“波打つ”だけど、地図を示してるだけじゃなく、場所も表してるんじゃないかなって。ほら、この地図って折り目が縦に5本入ってるよね? 見ようによっては地図を6等分してるみたいじゃない?」
「そうか! “昇り始めた太陽は3つ数えて空へと留まり”っていうのは、東側──右側から数えて3つ目で止める……つまり、3番目に描かれている場所のどこかが目的地って事か!」
とはいえ、高等部は本当に広い。
場所を6分の1に絞ったとしても、その1つには山ほど選択肢がある。
次に書かれているのは“我らが誇りと栄誉を照らしだす”だけど、おそらく“栄誉”は優勝の事だろう。
その前に記されている“誇り”……“我らが”という事は、みんなにとっての“誇り”って事かな。
「俺達──生徒にとっての“誇り”って学校だよな。“エンタ・ヴェリーノ”の生徒である事」
「学校に関する何か…… “エンタ・ヴェリーノ”を象徴する何かが置いてあるところかな?」
「たぶんな。学校を象徴するものって、一般的には校章とかだよな……」
「絞った場所の中で校章が飾られているのは、校舎の正面玄関、剣術場の入口……うーん、結構あるよね」
またしても手詰まりになってしまった。
そもそも、俺達は高等部の敷地にある建物や施設すべてを把握しているわけではないから、校章のある場所なんて分かるはずもない。
地図にも記されていない以上、確認するには1つ1つを見て回るしかないが、現実的に不可能だ。
そこで、時間のロスを避ける為にも、先に後半部分の解読を進める事にした。
「“左右が分かたれ”か……。何を左右に分けるんだろうね?」
「その後にある“一葉”も何を指すんだろうな。“一葉”って事は“1枚の葉”だろ? ……1枚の葉……葉……」
“葉”という単語に、昨日の記憶が頭をよぎる。
アリアも同じ考えに至ったらしく、2人そろって「あっ!」と声を上げた。
「これって、もしかして第2ステージの事かな!?」
「俺もそう思った! そうなると“左右が分かたれ”っていうのは……」
「左右に付いていた葉を、半分に分けるって意味かもしれない!」
「葉の数は左右合わせて8枚だったから、分けると4枚になるな」
続く文章には“一葉に希望を差し出す時”とあるから、つまり1枚の葉に4枚の葉を差し出すって事だろう。
“差し出す”というのは、おそらく“足す”という意味だろうから、合計すると葉は5枚になる。
1から5に。
そして、最後の“始まりは終わりの場所へと姿を変える”という文章から、暗号の答えはおのずと浮かび上がってくる。
「……“あの場所”なら、間違いなく校章もあるよな」
「ステージの正面にもあったし、旗にも大きく描かれてたよね」
うなずき合い、2人そろって地図を指差す。
「多分、ここだね」
「そうだな。これで間違えたら、優勝はなくなるが……」
「大丈夫! 自信あるよ!!」
アリアが自信たっぷりに笑みを浮かべる。
『お兄さんを超えられないなんて事はない』と言った時と同じ顔だ。
「だから、アリアの自信はどこからくるんだよ」
俺がツッコミをいれると、アリアが「あはは」と楽しそうに声を立てる。
……咄嗟に選んだ相手ではあったけど、アリアとペアになれて本当によかった。
「よし、行くか!」
「うん!」
2人で気合を入れ直し、最後の目的地である“第5グラウンド”へと全速力で走った。
会話する時間すらも惜しみ、ただただ、一心不乱にゴールを目指す。
徐々に見えてきた“第5グラウンド”には、立派なフィニッシュ用のアーチが飾られていた。
よしっ! 俺たちの考えは間違えてなかった!
ふと、前方へ目をやると、 ゴールに向かって走っているオーンとセレスがいた。
2人の方が暗号の解読が早かったのか、それとも“第5グラウンド”から近い場所にいたのか……今はそんな事はどうでもいい!
頑張れば追いつける距離だ!!
「アリアっ!」
斜め後ろを走っているアリアの方へ手を伸ばす。
アリアが俺の手をぎゅっと握り返し、2人で懸命に走った。
距離は確実に近くなってきている。
あと少し、あと、もう少し……というところで、オーンとセレスが先にアーチをくぐった。
「ほぼ、同時にフィニッシュ!! 優勝はオーン&セレスペア!!! 準優勝はエウロ&アリアペア!!!」
ま、負けた……負けちゃったか……。
それでも、まあ、準優勝なら想像よりもずっといい結果だ。さらに僅差だったし。
自分でもよくやったと思う。本来なら、間違いなく嬉しいはずだ。
……だけど、なぜかつらい。
複雑な気持ちで横にいるアリアへと視線を動かす。
負けた事が悔しかったのか、涙がそっとアリアの頬を伝っていた。
なんとなく涙を見せたくないんじゃないかと思い、アリアをそっと抱き寄せる。
そうか、やっとわかった。
俺もアリアに感化されて、いつの間にか口だけじゃなく、本当に優勝を狙ってたんだ。
だから、嬉しさよりも悔しさが優っているのか……。
諦める事には慣れていたつもりだったけど、俺にもちゃんと悔しいって思える気持ちが残ってたんだな。
しばらくすると、アリアは手で乱暴に涙を拭い、やっと顔を上げたかと思えばニコッと微笑んだ。
「ありがとね、エウロ。もう大丈夫!」
「そうか」
「うん! 十分悔しがったから……次は準優勝した事を喜ぶよ」
「……ははっ、まいったな。さすがアリアだ」
2人でひとしきり笑い合った後、オーンとセレスの元へ向かった。
まずは、2人の優勝を称えなきゃな。
「オーン、セレス。優勝おめでとう!」
「ありがとう。正直、追いついて来てるのは分かってたから、もう少しゴールが遠かったら危なかったよ」
オーンも笑ってはいるけど、さすがにこの大会は疲れたみたいだな。
俺も疲れたけど、こんなに充実した気分は久しぶり……いや、初めてかもしれない。
「あなた達も頑張ったじゃない。本当に2位になるとは思わなかったわ」
「うぅ、悔しいよ~! でも、オーンもセレスも本当におめでとう!」
冗談っぽく悔しい顔を見せたアリアも、すぐに笑顔になり、セレスと楽しそうに会話をしている。
「おぉっと! 今、ミネル&ルナペアがゴールしました! 6位入賞ですね。今年は本当にすごい! 前回大会までは、4年生が1組入賞できるだけでも十分すごかったのですが……今年はなんと3組もいます。それも優勝、準優勝ともに4年生ですし……まさに前代未聞ですね!!」
歴史的瞬間に立ち会えたのが嬉しかったのか、メロウさんがテンション高めに叫んでいる。
ミネルとルナもゴールしたのか。
……ん? 何か言い合いしているような……?
「もう二度とルナとは組まない!」
「それはこっちのセリフ」
あの2人はもう、何ていうか……相変わらずだな。というか、どんどん仲が悪くなってないか!?
こんなに言い争っているのに、それでも6位に入るなんてすごいな。仲が良ければ優勝もできたかもしれない。
口論し続ける2人を眺めているうちに、時計の針が16時を回る。
メロウさんの終了の合図とともに、テスタコーポ大会は終了した。
「みなさん、お疲れ様でした! これより表彰式を行います。優勝、準優勝ペアの他、8位までに入賞したペアはステージへ登壇してください」
幼なじみ達と一緒にステージへ上がり、名前を呼ばれるのを待つ。
8位から順に名前が呼ばれ、理事長が労いの言葉とともに表彰メダルを生徒の首に掛けていく。
そして──ついに俺たちの名前が呼ばれた。
「準優勝、エウロとアリアペア!」
少し緊張しながらも、2人で理事長の前まで進む。
「お互いを思い遣るだけでなく、ピッタリと息の合った連携は見ていた上級生達も圧倒されたと聞いています。本当におめでとう!」
理事長が優しく微笑み、表彰メダルを俺とアリアの首に掛けてくれた。
「ありがとうございます!」
「楽しい大会でした。来年は優勝したいです。ありがとうございます」
フッと笑いそうになった。アリアらしいセリフだな。
理事長に一礼し、元の場所へと戻る。
優勝したオーンとセレスの表彰が終わると、今度は今大会のリーダーであるリーセさんがステージに登壇した。
「みなさん、本当にお疲れ様でした。年々、出場者のレベルが上がっている事を実感しています。それに相応しく、大会の内容も難しくしているつもりなんですが……去年と変わらないクリア率だったようなので、嬉しい反面、少し悔しい気持ちもありますね」
本当にルナのお兄さんなのか!? と疑うくらいに愛想がいいな。
冗談めかして笑いを取りながらも、リーセさんの話は続いていく。
「残念ながら入賞できなかったみなさんにも、他の賞を用意していますので後日改めて発表します。それでは最後に……審査員特別賞を発表します!」
審査員特別賞……? ああ、確かリーセさんとか大会実行委員の人達が決める賞だったっけ?
「今年は満場一致でエウロ&アリアペアになりました! 各ステージでのやり取りや戦略など、担当した上級生達からの評価は非常に高く、私たちも見習う点が多かったように思います。本当におめでとう!」
へー、俺とアリアか…………って、俺とアリア!?
思わず、俺と同じく驚いた表情をしたアリアと顔を見合わせる。
急な展開に動揺しながらも、少しずつ湧いてきた実感に我慢ができず、アリアとハイタッチを交わした。
「やったね!」
「やったな!」
喜びを分かち合う俺達に、隣にいたオーンが拍手を送ってくれた。
「おめでとう。ダブル受賞はすごいね」
「優勝した私たち以上に目立つなんて。まあ、さすが私の親友ね!」
「アリアおめでとう」
なんだかんだ言って嬉しそうなセレスと、変わらず無表情なルナもお祝いの言葉を掛けてくれる。
……って、2人ともアリアにだけかよ!
ミネルも複雑そうな表情ではありつつも拍手で祝ってくれた。
──こうして、初参加の第48回 テスタコーポ大会は無事に幕を閉じた。
閉会式も終わり、ステージから降りると「アリアー」と名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
声の聞こえる方へ振り返ると、アリアの弟である“エレ”がこちらに向かって手を振っている。
エレは俺たちの元へ走ってくるなり、勢いよくアリアに抱きついた。
よく見るいつもの光景のはずなんだけど……なんか面白くないな。
いやいや、仲のいい姉弟なんだから、面白くないというのはおかしいよな。
……ん? よく見るとアリアのお父さんとお母さんも来てないか!?
「アリア、エウロくん、凄かったね。おめでとう!」
アリアのお父さんが自分の事のように喜びながら、お祝いの言葉を掛けてくれた。
「見に来てたんですね」
「ああ、中盤あたりからだけどね。それに、来てたのは私たちだけじゃないよ」
「えっ?」
そう言って、アリアのお父さんが後ろへと視線を動かす。
つられて見てみると、そこには俺の両親がいた。
「エウロー! すごいじゃなーい!!」
「ああ、さすが俺の息子だ!」
「あら、私の息子でもあるわよー」
えっ! な、なんで2人が!?
「ど、どうして?」
「リオーン(アリアの父)に誘われたんだ。『アリアが“優勝するから見ないと後悔するよ”って言ってたから、一緒に見に行かないか?』ってな。観覧席で叫んで応援してたんだぞ! ほんとーっに惜しかったな!」
「そうよー。最後はハラハラドキドキしたけど、見に来てよかったわー」
2人とも興奮しているのか会話が止まらず、嬉しそうに俺の事を語り合っている。
そんな両親を見ていたら、自然と笑みがこぼれていた。
「……俺ってすごいだろ?」
完全に無意識だった。気づけば声に出していた。
俺はどうも大会までの1ヶ月間で、アリアの影響をかなり受けてしまったようだ。
でも、悪い気分じゃない。むしろ、それが心地良い。
──そうか。俺にとってアリアは特別な存在になってたんだな。
「アリア!」
エレと話しているアリアに声を掛けると、きょとんとした顔でこちらを見た。
「どうしたの?」
「俺の中でアリアは特別な存在っぽい」
「……えっ? 特別って?」
素直な気持ちをぶつけると、アリアが不思議そうに尋ねてくる。
俺の両親やアリアの家族は俺のセリフに驚いてるようだ。
「えーと……俺もよく分からないんだけど、そう思ったから伝えておきたくて」
「何それ(笑)」
アリアが屈託のない笑顔で俺に応える。
その横でエレが……え!? 睨まれた!? ……いや、にっこりと笑ってた。気のせい……か?
「初めてできた異性の友人って意味で、アリアの事が特別なんじゃないですか?」
俺のセリフに対し、エレが自分なりの見解を示す。
何だろう? 表情は穏やかなんだけど、さっきから微妙に圧を感じる……。
「なるほど……な。確かにそういう事なのかもしれない」
「私もエウロとはいい友人になれると思ってたから、そう言ってくれて嬉しいな」
言葉に出してはみたものの、なんかスッキリしないなぁ。
でもまあ、アリアが嬉しそうに笑ってるから、今はそれでいいか!




