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一番モテないヒロインに転生しましたが、なぜかモテてます  作者: Teko
子どもの頃(入学前)編
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10歳、本当にイベントは発生しますか!?

私の年齢が10歳。


その年にお茶会が開催されるという事は……ついに“婚約者を決めるイベント”が起きるお茶会なんじゃ!?


いやいや、お茶会は年に2回開催される時もあるって前にセレスが言ってた。

つまり、今回のお茶会でイベントが発生しない可能性もある。


いやいやいや、待てよ。

確か去年は1回しか開催されていない。

という事は、やっぱり今度のお茶会でイベントが発生するのでは!?


その場合、私の婚約者は誰になるんだろう? 今のところ、誰もピンと来ないな……。


いやいやいやいや、落ち着け、私。

そもそも、なんで焦ってるんだろう。


私は所詮、脇役ポジション。

全然、焦る必要はなかった。


そう、私はあくまで傍観者。

“乙女ゲーム”を見ている気分で、イベントを楽しもう。



……ただ気になっている事がある。


9歳の時に参加したお茶会で各キャラの親に会ったけど、自分の子供に無理やり婚約者を作らせるような人達には見えなかった。


仮に話が盛り上がって「婚約させましょう」という流れになったとしても、子供達が「No!!」と言えば、婚約の話はなくなるような気がする。


少なくとも私の両親はそういう性格のはずだ。

そう考えると、なぜゲームの中では婚約の話が進んだのだろう? うーん、分からない。


まっ、いいか。

まずは本当にお茶会が開かれるのか、お父様に確認してみよう。



---------------------------------------


夕食の時間。

ふと、お父様が「エレがいないと寂しいね」と口にした。


実は今、エレはこの家にいない。


優秀なエレは《闇の魔法》が制御できるようになり、その証である“オペークプルーフ”とやらを取得する為、試験を受けに行っているのだ。


《闇の魔法》 の中には危険な効力を持つものも多く、採点基準もかなり細かいらしい。


試験期間はなんと1ヶ月!! という長さ。

それも泊まり込み。


1ヶ月も可愛いエレに会えないのは寂しいけど、エレが「僕の力をきちんと証明したいです」とお父様に話している姿を見たら、やっぱり応援したくなるよね。


試験を受けに行く日、エレはいつものように「行ってきます」と私の頬にキスをした。

エレが「アリアも」と言うので、私も同じようにキスをして、エレをぎゅっと抱きしめた。


「初めてアリアから抱きしめてくれたね」


エレは嬉しそうな顔をして笑った。


毎日エレとハグをしているからか、ハグに抵抗がなくなってしまった自分がいる。

慣れって怖いな。でもエレの嬉しそうな顔が見れたからハグしてよかったかも。


そしてもう一度「行ってきます」と言って、エレは手を振りながら去って行った。


ちょっと寂しそうなエレの表情を思い出すと大丈夫かなあって心配にもなるけど、エレならきっと大丈夫!!

お姉ちゃんは、応援しているからね!


「アリア? 大丈夫かい?」


返事がない私にお父様が声を掛ける。

おっと、自分の世界に入りすぎた。


「ああ、えっと、大丈夫、大丈夫です。エレがいなくて寂しいなって思っていたら、いつの間にか自分の世界に入ってました」

「……アリアは、相変わらずだね」


そう言って、お父様は苦笑した。


お父様、相変わらず……って何ですか?

いい意味で言ってくれたと思っておこう。それはさておき、お父様に聞かなきゃ。


「お父様。近々、お茶会があるんですか?」


私が質問すると、お父様は思い出したように話し出した。


「そうそう、アリアにお茶会に行くかどうか聞こうと思っていたんだ。よく知っていたね」


お父様は私が知っていた事に少し驚いているようだ。


「ミネルに手紙で教えてもらったんです」

「ミネルくん?ああ、そうか。手紙のやり取りをしていると言っていたね。ミネルくんから聞いていたんだね」


私がうなずくと、お父様がお茶会について詳しく教えてくれた。


「1週間後にミネルくんの家で開催予定だよ。ミネルくんから聞いてるかもしれないけど、3ヶ月前かな? ミネルくんに妹ができてね。そのお祝いも兼ねて集まる事になったんだよ」


ミネルに妹ができた事は手紙で知っていた。

名前は“ウィズ”ちゃんという事も手紙に書いてあった。

そういえば、『すでにお前より優秀な顔をしているぞ』とも書いてあったな。


ミネルめ!

今度会ったら『ウィズちゃんは、ミネルよりも優秀な顔をしているね』って言い返してやるんだから!!


ウィズちゃんとお茶会で会えるのは嬉しいな。

きっと可愛いだろうなあ。ウィズちゃんに会いたい!


「もちろん、行きます!」



ウィズちゃんの話ですっかり“婚約者を決めるイベント”の事を忘れていた私は、お父様に元気よく返事をした。


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