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エピローグ 『私のシナリオに文句は言わせない』

「ああ、困ったことになったね」


 薄暗い部屋の中で、ヘルツォークは言う。頬には治療が施された跡があり、彼はその痛みを噛み締めていた。


「もう少し慎重になるべきだったかもしれない。それは認めよう。正直、彼の事は少し舐めていた。彼の価値を見誤っていたね」


「――――」


「もともと今回の案件には何か裏があると思っていたんだ。クライアントの情報もかなり少ない。これは深く調べる必要があるね」


「――――」


「全く、困ったものだ。ただでさえ出費が多いというのに。施設をめちゃくちゃにされて、優秀な子たちを二人も失ってしまった」


「――――」


「ああ、そうだね、シャノを失った。正直言うと……かなりショックだ。彼女の心の中にある気持ちは察していた。だからなるべく上手くコントロールできるよう最善を尽くしてきたつもりだったけど、限界が来てしまったようだ」


「――――」


「それにしても、あの男……ロイ・ジュリアスは何者なのだろうね。恐らく今回の仕掛け人は彼だろう。シャノを誘導して、二人を脱出させた男。ただの代理人ではなさそうだ」


「――――」


「今回の件には、何か裏で大きな力が働いている。我々一人一人は単なる歯車で、誰かが最初の歯車を回した。動き始めた以上、もう止まることはない」


「――――」


「しかし私はここで終わるような男ではない。大丈夫さ、打つ手はある。誰だか知らないが、彼らの思い通りにはさせない」


「――――」


「しかしタイミングが重要だ。焦っては彼らの思い通り。地道に手を打とう。彼らにされたように、裏から操り返す」


「――――」


「幸い私には、この頭脳がある。新しいシナリオを考えなければ。誰にも文句が言えない、完璧な復讐劇を」


「――――」


「君に任務を与えよう。裏から彼らに付け込み、その時を待て。完璧なタイミングまで耐えるんだ。それは君には何の苦にもならないね」


「――――」


「私が再び、主導権を取り戻す。まずはシャノを、あの子を取り戻すんだ。手順は細かく伝える。手がかかるね、全く」


「――――」


「さあ、そろそろ時間だ。ついに君の人生に意味が与えられるんだ。準備はいいかい?」


「――――」


「さあ立て、出来損ないの歯車」


 ヘルツォークは、彼女に任務を与えた。長い月日の末、彼女の人生に価値がもたらされる。


 銀髪の少女は立ち上がると、淡い青色の目を開けた。


これで正真正銘一章完結です!

二章はある程度展開を決めてから投稿しようと思うので、少しだけお待ち下さいm(_ _)m

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