裏・闇①
55話です!程よい長さです!作者スイパラ行ってみたいです!それではどうぞ!
僕は宣言通り(無理矢理)みんなを、大きなショッピングモールに連れてきた。
昔から僕は超甘党で、食べたら一瞬で虫歯になるくらい甘いのが食べたいと思っていた程だ。充分歩いて来られる距離だったので飛ばなくても済んだ。
高校から近いので校則違反だが帰りに寄る人も少なくない。勿論僕もよく寄った。主にゲームするか文房具を買うかのどちらかであった。
このショッピングモールは規模がすごく、多彩な飲食店に複数の衣料店、本屋、スーパー、娯楽施設、さらには映画館もある。
今日久々に来てみたけど、平日なのにすごい人の数だ。いろんな店舗がある分、需要も大きいということなのだろうか。
「ほら早くこっちこっち!」
僕は楽しみで仕方なく、高校にいた時の偽りの元気なようにはしゃぐ。今回は偽りではないが。
「おい大地、目立つからやめてくれよ」
「どう見ても俺ら場違いだよな〜。こんな鞄持って入店するやつぜってーいねぇ」
僕の耳元で囁く啓介と素直に言いたいことを言う周吾が周りを気にし始めた。
一と源ちゃんは和気あいあいとトレンドについて話している。
僕は全員分の券を発券機で買い、みんなを誘導する。
えっ?このお金はどこから出てくるかだって?それは……なんでだろうね〜?
それにしても人が多い。席がほとんど空いておらず入れるとしてもあと数人ほどだろう。入店できたのはラッキーだった。
僕は早速早歩きで取りに行く。
見た感じ様々な種類のショートケーキが並び、シュークリームやティラミス、沢山の和菓子があった。
僕はそれらを無差別に取って皿に盛り、早歩きでみんなのところへ戻った。
席に座り、皿に盛ったスイーツを次々に頬張る。
「そんないっぺんに食べたら味わかんないでしょ」
「甘い!うまい!おいしい!」
「甘けりゃいいのかよ」
「さてと、僕らも取りに行きますかね」
「うん、行こう」
啓介と周吾が席を立つ。一と源ちゃんは黙々と勉強している。ここで僕は疑問に思ったことを言ってみる。
「なぁ一、なんでそんなに勉強するの?500年も生きてれば知らないことないでしょ」
一は一旦手を止め、こちらをみる。
「分かってないなぁ大地。僕が100年前何やったか憶えてると思ってるの?第一100年前の事憶えていても今と全然違うはずだよ」
一息ついた後今度は一から質問される。
「そういえば大地、僕らにバリアを張る時、その…なんていうか…技名みたいなのいう必要あるの?思えば具現化するって言ってなかった?」
「それのことね。このバリアはこう見えてめちゃくちゃ複雑なんだ。それで言った方がうまく想像出来ると思ったわけ。自分で自分に暗示をかけるみたいに」
「ふ〜ん。なるほどね。覚えておこうかな」
そんな話をしていると、取りに行った2人が帰ってきた。すぐ戻った僕とは違い、結構時間がかかって戻ってきた。
「こんなとこ初めてだから結構時間かかっちゃったよ〜。ね?啓介」
「え!?うん、そうだね」
いきなり視線を向けられ、返答に困る様子を見せる。
「まぁ〜、初めてだから仕方ないよ。これも経験だと思えば……」
僕はそう言いかけ、耳をすます。
「一、ちょっと耳をすましてみて」
[……けて、……す……けて]
「ねぇ一なんか聞こえた?」
「うん。部分的にしか聞こえなかったけど、多分これ上の方から『助けて』って言ってるよね」
「そのとおりだ一。行こう!」
僕は一の手を取り一目散に走る。階段に差し当たるともう一回耳をすます。
「うん。場所は距離にして20m!道のりは27m!4階の女子トイレから!所要時間は普通の人間の走りで約21秒!」
「なんだ大地。最新鋭のカーナビか?」
僕は言い終わった後、また一を引っ張り階段を駆け上る。4階の女子トイレ近くまで来た時、すれ違った男性から変な匂いがした。
(これは香水?だとしたら……!)
そう思った僕は男性に聞こえないように、一にテレパシーで言った。
『一、ちょっと今すれ違った半袖短パンの男性を、違和感無い程度に尾行して』
「いきなり!?わ、分かった!やるだけやってみる」
『それと、会話はこの前教えたテレパシーでお願い』
『了解』
僕は一に託した後、なりふり構わず女子トイレに入っていった。
ここまで読んでいただきありがとうございました!コメントなど随時待ってますのでよろしくお願いします!(ここまで来て露骨にコメントくれと要求してみる)




