過去④
第54話です!久しぶりの過去パート。内容が少々かぶるかもしれません。それではどうぞ!
僕が鬱だった時、いろんなことを考えた。一日中ぼーっとしていながらも、いままでの出来事を思い返し、原因とか理由とか意味とか考えた。
その結果、僕は変わったと思う。全ての常識から外れ自分なりの常識、いわゆる価値観ができた。
まず自分が考えたのは、なぜ嫌われるのか、だ。これについては正確な答えは出なかったが、1番有力だと思ったのは、人間は一人一人違うからだ。
性格、体格、目標、夢、趣味、その他諸々。これらのうち一つが合えば、意気投合し、仲良くなれる。でも僕は違った。変わりすぎていた。
だから話す友達も限られるし、いろんな人と会話する内容も無い。僕は誰とも合わないから疎外されるのだ。
けど納得のいく答えではなかったので、人間という生物はよく分からない(僕含めて)という結論に至った。
次になぜ努力は身を結ぶ者と、結ばない者がいるのか、だ。
これは簡単だった。才能の問題だ。人は生まれ持って何か持っている。
スポーツ選手はもちろん最初から動体視力が良かったり、運動神経が良かったりする。幼少期からやっていたり、努力も大切だが、いくら僕が頑張ってもプロの選手にはならないだろう。
それはなぜか。わかりやすく数字で例えてみると、プロになるためには100の才能値が必要としよう。
生まれつき才能がない人間は0。ある人間は50とする。
才能が無い方は、いくら血反吐吐いて努力しても50を超えることはできず、逆に初めから50であればその限界を超えることができる。
つまり何が言いたいのかというと、努力は素質のある者だけしか意味がないのだ。
努力すればそれなりには成果は出ると思う。僕も中学校までは良かった。でもそれだけ。
僕は何もなかった。死に物狂いでいろんなことに努力するも、いつも普通でみんなに比べて良いなんてことはなかった。
だから僕は頑張ることをやめた。「普通」に生きようと思った。僕の人生は生まれた時から大体決まっていたんだ。
僕は寝転びながら暗示するように毎日この事を思った。逃げてるだけとか思われそうだが、事実なのだ。
情けない自分を認め激しく悲観することで、少し正気を保てる気がした。
ずっとそんなことを考えていると、今度は綺麗事が嫌いになった。
あれこそ現実から逃げる口実に過ぎない。人を安心させるための道具だと解釈した。
それから僕はありのままの普通の自分でいようと思った。嘘偽りのない正直な自分に。
僕の決意は揺るがない。
鬱を抜ける頃、スカーレットとの出会いが近づいていた。
ここまで読んでいただきありがとうございました!ではまた。




