暴露
第51話です!今回は短めです!続けたら4000字くらいになるのでこの辺で切ります。
それではどうぞ!
生徒の足音が止んでから少し時間が経った。
「よし、じゃあ一。そろそろ出よう」
「待って、まだ3人の気配がトイレ前にいるんだけど」
「言わなくても分かるでしょ?行って見たほうが早いよ〜」
緊張の緩和のつもりで緩く言ってみた。一はいろいろなことがありすぎて、落ち着きがない。この狭いところで周りを見回したり、常にそわそわしている。
外へ出てみると案の定、友達3人がいた。一は僕の後ろにぴったり付いている。
一の様子を心配していた周吾が話しかける。
「ずいぶん長いトイレだったなぁ〜、それより〜、色々突っ込みどころ満載なんだけど、一言で言うわ。何この状況!!?」
「 わかったわかった。僕が後で全部説明するから冷静になっ…」
僕が言い終わる前に一は目線を下げ、口をつぐみ、迷いが吹っ切れたように顔を上げて言い放つ。
「じ、実は、僕は……!」
「一も……、今ここでそれを言うべきじゃないよ。学校出たところの近くに公園があったから、そこでまた会おう」
こうしてとりあえず解散し、一を一瞬で家に送り、着替えさせる。そしてそろそろ警察が来るはずだ。どちらかと言うと爆弾処理のためだと思いけど。
校長は流石に縛りすぎなので、腕と足以外は外して、椅子に縛り付けた。机に証拠の書類とボイスレコーダーをおき、あとは警察の方に任せ、一を迎えに行く。
そうして色々やっているうちに公園に5人集まった時には空は薄暗くなっていた。公園には遊具が4つ、ボール遊びができそうな広場が一つ、屋根付きの休憩所みたいなのが一つ。
僕らはそこにある椅子に座った。2匹と3人向かいあわせるようにして。
「ほら一、ここでなら存分に言えるよ。人もいなくなったし」
「うん」
一はこれまでのことを全部話した。一つ一つのことに友達は驚いていたが、こういう事は初めてではないので割とすぐ落ち着いた。
一通り話したあと源ちゃんが話し始める。
「えっと、じゃあ一は俺たちより500歳ぐらい年上ってことか。超大先輩だな。中学生からの付き合いだけど全然違和感なかったぞ」
そのことについて僕が答える。
「恐らく、人間への想いが強すぎたんだ。竜の力を全否定することによって、普通の人間の生活ができたんだと思う」
「こんな僕でも……いいかな?」
一が自信なさげに言う。
「いいに決まってんだろ。だいたい今更態度変わるわけないし、長い付き合いでしょ?普通にやっていこうぜ」
「……そうだね。ありがとう源ちゃん」
少しの沈黙の後、啓介が携帯を見て話し始める。
「うわっ、もうこんな時間じゃねぇか。帰り遅くなるって言ったけど、これじゃ怒られちゃうよ。大地早く送って〜」
「はいよ」
「言い訳考えるからいつもよりもっと遅くね」
「わかったわかった。ああ、ちょっと一はここに残っててくれないか?もうちょっとやることがある」
「いいけど……」
「よし。じゃあみんなしっかりつかまっててよ」
そう言って大地は飛び立つ。
ここまで読んでいただきありがとうございました!ではまた。




