報い①
第43話です!めっちゃ長いです!それではどうぞ!
久々に帰って来た気はするが、やはりあまり時間が経ってない。そういえばここんとこ全然寝てない。竜は睡眠時間まで少ないのか。……不健康な奴らめ。どういう仕組みをしているのかとても気になる。
そうだ!あの攻撃がレイヴンに当たっていたら、どうなっていただろうか。おそらく体中穴だらけになるのは間違いない。見よう見まねで練習して見たら、尻尾だけ千切れて物凄いスピードで飛んでったり、鱗が数枚剥がれるくらいで最初は難しかった。30分ほどで慣れたけど。そもそもあの技は難しいと思うのだ。尻尾は感情を表したり、バランスを保ったりするのに使われ、主に感情を表すのが要だ。僕の場合自分で言うのもなんだけど、感情が欠落しているので、使い道が飛ぶ時や立つ時のバランスにしか使わない。故に扱いが容易だったのではと推測する。
因みに電話で言った数字は1が竜に関する緊急事態、2がなんらかの緊急事態、3が遊びたい時。2と3はほぼ使わないと思うけど。啓介が気付くのが早くて詳細がわかったが、本当に時間がない時は、今回のようにいかないので、数字で判断できるようにした。
「無事でいてくれよ」
って言った瞬間到着。めちゃくちゃだ。今言ったことを取り消して欲しい。人間形態に戻ると体の異常は消えた。おそらく竜にだけ効く毒なのかもしれない。
そして屋上から物陰に隠れながら目を凝らし辺りを見渡す。銃を所持している人はざっと4人ほど。2人は、屋上に、もう2人は生徒を誘導している。ってそこは普段使わない非常階段じゃないか!なんで知っているんだ?体育館に向かっている。誘導している2人はそれぞれ離れていて、散弾銃っぽいのが2人。他の2人は軽機関銃が1人、あともう1人はアサルトライフル!?それにあのモデルは日本で特殊な軍隊でしか使用されないやつじゃないか!?なぜ持っているのだろうか。銃の所持はそれほど厳しく無く時間とお金さえあれば誰でも取れる。警察と関わるので、流石に前科とかある人は無理だけど。
ここでひとまず状況整理だ。敵は4人で間違いない。臭いでわかる。そしてたったの4人で制圧し、非常階段のことまで知っている。それに誰にも目撃されず、学校へ侵入することもできている。この学校のことをよく知っている。つまり、卒業生、あるいは元教師の可能性が高い。今から体育館に集め、指示をしやすくさせるつもりだろうか。随分考えてある計画と思われる。これは確実に敵の不意をつかないと、めんどくさいことになる。
僕はどうせ無傷だからいいけど、生徒を死なせるわけにはいかない。今から4人一瞬で捕まえて紐で拘束し、警察署の前に送ることは可能だが、ここでお人好しが発動。そんなことしたら敵が考えてきた作戦が無駄になってしまう。もっと納得のある敗北を味合わせれば、素直に降参してくれるかもしれない。だがそのためには……ん?なんか音がしたぞ。あれは!!
「舐めた真似してんじゃねぇ!このガキが!」
"ゴッッ"
「痛ってぇなぁ。ただトイレに行きたいって言っただけじゃないか」
啓介!?呑気すぎないか!?あいつ殴られるようなことするなよ!変に刺激したら撃たれるぞ!まずい、まずいぞ。
「どうしたS。何か問題でもあったか?」
「いや、このガキがふざけた真似しやがるから、ちょっと調教しただけだ」
Sと呼ばれたやつがいる階は3階。この学校は4階建てで今は屋上。屋上にいるやつは窓ガラスのある廊下にいるSというやつを見ることができる。無理するとバレる。え、え〜っと、え〜っと、そうだ!結界を使って音をなくせばいい。そして屋上のやつの目線を晒す必要がある。それはここにある石でいこう。
「よっと」
僕はそう言い、屋上のやつの背後に落ちるように投げた。その石は見事に敵の視線を逸らしてくれた。今のうちに……!
「なんの音だ?これは……ッッ!!S!!」
とっさに銃口をSがいる付近に向けるが変化はない。
「どうしたK?なんかあったか?」
「いや、気のせいだ。そのまま計画通り誘導を続けてくれ」
「了〜解」
「了解です」
Kと言われたやつは安堵したのかまた視線を少しずらした。それが狙いだ。警戒心が強くなっている人に、あんな罠すぐに気づかれる。そしてKは予想通り確認し、何も起こっていないことに少し安堵する。その瞬間に相手に奇襲をかける。
まず、最初の石の罠で精製した剣を使い、穴を開けて屋上から侵入。敵の無線が入るまでSの真上で物陰に隠れて待機し、Sの周囲に結界を張る。敵の会話が終わると同時に穴を開けSのいる3階へ。敵は僕の存在に気づくがもう遅い。僕は人に見えるスピードで相手の足元に近づき、散弾銃を蹴り上げ、相手を押し倒しその間に相手の所持品を確認する。すると内側から折りたたみ式のサバイバルナイフと手榴弾2つ見つけた。恐ろしや。こんなものも用意してるなんて、相当な覚悟があったんだろうな。僕がこの宿命を受け入れたのと同じように。僕の場合は自分で望んだものだが。でも母さんの死は避けられない運命だったのかもしれない。そして落ちてきた散弾銃を回収。我ながらスタイリッシュだ。思うように行きすぎて自分が怖くなりそうだ。僕は戸惑っている生徒に向けて(僕の友達4人も一緒)あんまり大きくない声で言った。
「みんな静かに。このまま体育館に向かってください。おねがい……シマス……」
こんな時にコミュ障が出てしまった。やはりみんなざわざわし始める。それも当然だろう。いきなりテロリストが学校に来るなんて誰が想像するだろうか。このままだと敵に気づかれてしまう。と思った矢先、張り倒したSから無線の連絡がする。だがさっきアニメとかでよくやる、首の後ろ叩くと気絶するやつで気絶させてしまったので、これでは確実にバレる。急がなければ。
「おいS大丈夫か?お前の姿が見えないぞ。おい……応答しろ。……しまった!クソッ!やられた!J、ガキどもの誘導を続けろ。2S、屋上からの見張りを厳戒態勢にしろ。俺は様子を見て来る」
「了〜解」
「了解です」
Kが動き始めた。まだみんな動く気配がない。えぇーい、こうなったら
「みんな早く!生きたければ早く体育館に行ってください!」
この際仕方ない。こういう指示しかできない。だが「死ぬ」というワードだけは、みんなをパニックにするので避けた。あと、啓介に言っておきたいことがある。
「啓介、なんでさっきからそんなに呑気なんだ?」
「だって大地がなんとかしてくれると思ったから」
「あのなぁ啓介、僕たちはこのファンタジーな世界の主人公じゃないの。僕が気を抜けば啓介はいつだって死ぬし、僕だって死ぬ。受験前でもあるし、少しは危機感を持ってくれ」
「分かったよ。その前にその物騒な銃を降ろしてくれない?」
え?うわぁお、全然違和感なかった。確か安全キーを赤いのがない方にして、銃身を抜いて、先台をつければよかったんだっけ。とか思いつついじり始める。するとある大事なことに気づいた。
「あ!銃刀法で捕まっちゃうかも。いじるのやめた方がいいかな?」
「何言ってんだよ。緊急事態だろ。というかなんで扱い方知ってるんだ?」
「それは……気になって調べ尽くしたから。そんなことより啓介は早くみんなと合流して、体育館に向かってくれ。それと頼みごとがあるんだけど」
「何?」
「多分向かっている途中、銃を持ったやつと出くわすと思う。そいつが仲間の居場所とか聞いて来たら、4階の男子トイレに行ったと言ってほしいんだ」
「なんだよ。大地が今いつでも死ぬって言ったくせに、もう危ない目に合わせるのかよ。まぁ別にいいけど」
「ありがとう。じゃあ頼んだよ」
危ない目に合わせるような真似させてすまないな。けど、撃たれる心配はほぼないから。
僕はそう思った後、気絶したSを背負い軽い足取りで4階へ向かった。
今回もいろいろ大変でした!銃の扱い方なんて知らないに決まってるじゃないか!死に物狂いで様々な文献を読み漁り、やっとまとまりました。当然誤りもあると思います。
ここで1人Q&A。作者が疑問に思った点をいくつか挙げて自分で解決しますww
Q竜に一人称は存在するのか?
A知りません。本作では大地から見た一人称ということで。もしかしたらみんな「俺」かもしれないし、「吾輩」だったりするかもしれません。
Q時間のズレが凄まじく日付や時間が意味不明。
A最初で書いた通り人間界の1秒は竜界の1分になります。けど、人間界と竜界での日付など一緒で、竜界での1日は1440時間とします。もっと簡単にいうと竜界での1日は人間界の2ヶ月分になります。だめだ作者も思考が追いつかない。この設定はちょっとアホすぎた。次なんか書く時は気をつけます…ハイ……。
補足、首を手刀でやるやつは不可能な説が濃厚です。本当にやったら最悪死の可能性があります。可能の説もありますけど、どちらにせよ暴力はダメ、ゼッタイ。
ここまで読んでいただきありがとうございました!ではまた。
修正、Jと2Sのキャラに変化をつけるため返事を二分しました。




