闇竜神との手合わせ②
42話です!よしよしこの前よりは早いぞ。次もまた考えてあるのでスムーズにこのまま行きたいです。それではどうぞ!
『これならどこにいるか分からないだろう?』
(くそぅ……またジリ貧かよ!)
レイヴンは居場所を分からなくする為、テレパシーで伝える。竜ってこんなこともできるのか。これなら僕の友達ともコミュニケーションが取れそう…とか思いつつ、風だけを頼りに避け続けていた。避けると言っても当たっていることには変わりはない。避ける猶予がないので、ナイフの飛んで来る速さに合わせて体を動かし、威力を相殺する。この方法で直撃は免れる。
それにしてもこれだけ有利な立場のくせに、遠くからちまちまナイフを投げて、なぜ一発で決めないのか。一番最初に姿を消し、ナイフで首を切断すればいいものを。甘くみられているのだろうか、それとも試している?だとするならば最初に放った瘴気の効果を待つ……いや、あれにはほとんど当たっていない。目的はなんなのだろうか。
しばらくこの状況が続いた。見えないナイフが来て、僕はそれを避ける。流石にそろそろ集中力が切れて来た。と思った矢先、息づかいが荒くなった。
「ハァッ…ハッ…ハアッッ……!(なんだ…コレ?今までこんなことなかったのに。明らかにおかしい。)」
これまでどれだけ動いても、こんなに呼吸が荒くなったりしなかったのに。心なしか目眩もして来た。おそらくレイヴンの目的はこれだ。ナイフが原因かもしれない。毒が仕込んでいた可能性がある。でももう限界だ。気づくのが遅すぎた。こんなこと考えているうちに手足が痺れて来た。ナイフが次々と刺さる。
僕は全身の力が抜け落ち始めた。上からレイヴンが来るのが分かる。ここまで……予想通りだ。僕はアルバとの手合わせ後、空いた時間に練習していたアレをぶつけてみる。
「(まさかダイチさんアレを!?ひねる動作無しで!?)」
どうやら本人は気づいたようだ。これは近距離じゃないと効果が薄い。細目でしっかり近くに来るのを確認し、放とうとした時、翼の付け根から携帯のバイブレーションがした。僕は素早く取り出し、右手の鉤爪の先っちょを使って開けて、通話を開始した。因みにスマホの方は反応しなかったのでガラケーを持って来た。
「ハァ!?」
レイヴンは驚きの反応を見せる。さらにアルバからの合図が入る。
「レイヴンそこまで!ダイチさんの様子が変ですよ!」
「エェッッ!?」
相手は僕の友達啓介からだった。
「もしもし。おい大地聞こえるか?2だ。バンから四、五人降りて、銃を持って入って来た。今は学校だ。まだこの学校に乗り込んでいない。助けてほしい」
啓介が小声で話す。
「ガァッ!(分かった!)"パタン"(携帯を閉める音)ごめんレイヴンまた今度!」
「ハェェッッ!?」
レイヴンは元気そうな僕を見て困惑している。そのうちに僕は人間界への扉を開き、急いで学校へ向かった。
一方その頃レイヴンは、
「な、なんで……?」
「あのまま攻撃したらあなたの負けでしたね」
「えっ!?」
「あなたの相手が竜神じゃなければ勝っていました。あなたの毒がいくら強力でもあのくらいしか時間が経過していないのであれば、まだ行動不能に陥るはずがありません」
「しまった忘れてた!いつも普通の竜としか戦わないからつい、というかなんで俺の負けなんだ?」
「それは私のあの特技、尾鱗片があの近距離で直撃するためです。にしてもあの技ができるようになるまで50年年ほどかかったのに、しかもこの技を応用して、この短期間で……どういう練習をしたらああなるのでしょうか?」
「ならさっきのは演技だったのか!ん?でも待てよ。なんでダイチは普通の竜がどのくらい時間が経てば行動不能になるのが分かったんだ?まるで違和感が無かったけど」
「それは……偶然ですかね。そうとしか言いようがありません。……まったく……末恐ろしい人げ…いや、もうあなたは立派な炎竜神ですね」
アルバは上を見上げながらそう言った。
次は友達来ます。友達ねぇ〜、結構一人称が同じだから、いちいち名前書かないといけないんですよねぇ〜。でも頑張ります!あともうちょっと。
ここまで読んでいただきありがとうございました!ではまた。




