番外編 竜化生活③友達と遊ぶ
久しぶりの番外編です!文章は多めですけど、内容が少なめです!読めばわかります!
それではどうぞ!
今回は友達とちょっとした遊びをします。(大地は相変わらず竜の姿です。)
その1 じゃんけん
僕は友達4人を呼び、いろんなことをしてみた。そのうちの1つがこれ、じゃんけんだ。みんなとはしばらく会っていなかったが、改めて見るとみんな低い。僕の体長の半分ほどしかない。こんな感じだといつまでも見下ろす感じなのでいつものように寝転んだ。
早速やってみる、僕は指が4本しかないけど、薬指と小指が一つになっただけなので問題はない。
啓介と僕がやってみる。
「最初はグー、じゃんけん……」
僕は思わず力が入った。これがきっかけで僕の力が発動する。力というより身体能力だ。僕は普段から遠くが見えたり、動体視力が良かったり、反射神経が良い訳でもない。普通の人間よりちょっと良いくらいの能力なのだ。だが少しでも力を入れたりすると人間離れの力になる。例えば目を凝らして見たり、物を見るのに集中したりすると、とんでもなく遠くの物が見えたり、飛んで来るものがスローモーションに見えたりする。
そして今起こっているのはスローモーションだ。力が入ったせいで啓介の手がほんの少し動いている。それに合わせようとしてみるが、遅い!遅すぎる!
5分くらい経った頃ようやく啓介の指が開き始める。人差し指と中指が曲がり始めた。チョキで間違いないだろう。
僕はこのあと勝ったのは言うまでもあるまい。もう二度とやらねー。
その2 オセロ
じゃんけんの後いろいろな遊びをやったが、どれも圧倒的な力を見せつけ、面白いなんて微塵も感じなかった。なので次は頭脳戦でやってみる。
実はオセロがめっちゃ強い奴がいた。それは周吾だ。いつもおちゃらけた感じをしているが、携帯のアプリのオセロゲームの最高レベルに何度も勝てるほどの実力者なのだ。普通の勝率は全体を通して10%にも満たないが、なんと周吾は勝率90%!いつオセロの世界大会からオファーが来てもおかしくない。だが本人は全く自覚していない。嘘かもしれないけど。
「よ〜し、さっきの借りを返してやる」
「ガァァッ(こっちだって!)」
周吾は思いの外負けず嫌いだ。あっち向いてホイを何十回もやり、一勝もで出来ずさぞ悔しかったのだろう。オセロの石は手でも尻尾でもダメなので竜力で動かすことにした。人間だった時は僕は一勝もできなかったが、今ではどうだろうか。
結果、僕の完敗。だけど次やったら勝てる気がする。もう一度やったらあっさり勝てた。恐らく僕の先を読む力が関係している。相手の動きを見て分析し、対処する。勝てる気がしたのは相手の行動パターンが全て分かったからなのだろう。この後何回もオセロをやったが周吾が勝てることはなかった。切りがないので最後だけは勝ちを譲った。
その3 飛行
みんなが帰っていく中源ちゃんだけ残った。また空を見たいとのこと。これは遊びというかただの絶叫マシンのようなもののように感じるが、源ちゃんはあの日以来、空の旅の虜になったようだ。源ちゃんはジェットコースターとかフリーフォールとかみんながキャーキャー叫ぶような乗り物が好きで、僕の飛行はその刺激を満たすのに充分であった。
そして今は高いところを飛行している最中だ。ついでにテレパシー的なものも練習したらできるようになったのでここで試してみることにする。
「ねぇ大地。最初空を飛ぶってどんな感じだった?」
(普通に心地よかったよ。罪悪感に押しつぶされそうだったけどね)
「いや、そうじゃなくて、その〜、なんだ…飛び方とか……」
確かにそう言えばそうだ。鳥は飛べるようになるまで約2〜3週間かかると言われているが、僕はあの時初めて翼を出し、広げ、風を受け、上空へ舞い上がる。飛び方とか全然考えてもいなかったし、気づいたら飛んでた。羽ばたく必要はない。この軽すぎる体重のおかげだと思うが、みんなを乗せて飛んだ時は羽ばたいた。
きっと僕は竜化小説の読みすぎで飛び方とか理解していたのかもしれない。僕が読んでいた小説では自分が竜になったことに驚きいろいろ説明してもらうってのが主流だった。そのため飛び方とか記述しているものが多々あった。
(というかなんで源ちゃんは僕に乗るの?)
「それは、最初は恐怖でしかなかったんだけど、そのうち気づいたんだ。一種の快楽であり、自分を一番刺激してくれることに。今まで数々の絶叫マシンに乗って来たけど、この高さ!この不安定感!たまらない!今までで経験したことのないスリルだよ」
源ちゃんはただの勉強好きかと思ったけど、人は見かけによらないってこと、改めて思い知らされた気がした。だがその後の源ちゃんの心の声が『だって移動費無料だし』と聞こえたのは内緒だ。
ここまで読んでいただきありがとうございました!ではまた。




