決意
第37話です!結構書いてきましたね!まだ続くと思います。それではどうぞ!
それにしても滑稽であった。警察が動揺する姿は。それも無理はないだろう。意味不明な現場に、意味不明な家、意味不明な現金。そして咆哮。家の中は現金以外にも残したものはある。だがいずれも指紋とか全部拭き取ったし、買った時と同じような状態にした。逆に不自然だが、無駄な詮索はしないと思われる。
予想通り警察はあまり僕の家にいることはなく、撤退して行った。色々疲れたので家に帰って休みたいところだが、まだすることがある。それは今回の出来事に関わった人たちの記憶の消去だ。僕はただ警察を眺めていただけではなく、それの練習をしていた。おおよそのイメージはできたが、成功するかは分からない。早速学校へ行く。学校にいる人たちには待機しててもらうよう言っておいた。
着いた。友達には他の人たちに状況を説明してもらうために待機してもらった。簡単に言えば時間稼ぎだ。僕が戻ってくるまでの。いきなり取り掛かりたいところだが、友達に実験台になってもらった。啓介だけ了承してくれた。忘れてもいい物は「氷」にした。できるだけどうでもいい物にした。氷くらいなら忘れてもすぐ覚えさせればいいからね。やり方はそれなりに難しい。人って、思い出したくてもどうしても思い出せない時がたまにある。僕は人間だった時、やたらあった。それをイメージして、相手の目を見ながら、忘れさせたい物を相手の脳内に叩き込む。
成功したか分からないが、数秒の間啓介がぼーっとした。すると周吾が氷を持ってきて啓介に問う。
「なぁ啓介、これなんだと思う?」
「なんだそれ。初めて見たぞ。わっ!冷た!いきなり何すんだよ!」
この驚きようからおそらく成功したはずだ。冷たいと分かっていたら当然避けるはずだ。一と源ちゃんはまだ信じられてない様子だ。そんな友達をよそに僕は一般人に近づき、どんどん忘れさせて行く。忘れさせる量が多いのかぼーっとする時間が長い。1分くらいぼーっとしていた。その間に僕が最寄りの駅や、バス停に送る。かなりしんどい。もしかしたらめっちゃ竜力使ってるのかもしれない。
あと10人程度になったところで凄まじい脱力感が僕を襲う。バタッとうつ伏せで倒れた。どうやら使い切ったみたいだ。そんなこともあろうかと、友達には食べるもの用意していてと言っておいた。源ちゃんが持ってきてくれた。やっぱりみんな優しいな。食べたあと動けるようになり、また消しにかかる。
やっと終わった。友達の記憶は残したままだ。今回の出来事を知ってもらい、何かあったら、僕にすぐ連絡を入れれるようにするためだ。自分のクラスの店も壊し、そして全て元どおりにした後、僕は友達を家まで送った。僕の体重は20g程なので、翼さえあれば飛べたが、友達は60kg近くある。流石に翼だけでは飛べない。なら竜力を使って飛ぶまでだ。同時に4人運んだ、背中と両腕、あと尻尾で。竜化すると鋭利な鱗で怪我するので人間形態のまま翼と尻尾を生やした。尻尾は体ほど鱗は鋭くないので怪我まではしない。少しチクチクするかもしれないが。尻尾で誰を運ぶか少し相談した。結果小学生以来の友達と言う理由で啓介になった。今は飛んでいる最中だ。
「お、おい大地絶対落とすなよ!フ、フリじゃないからな!」
「落ちてもすぐ掴みに行くよ〜。尻尾で。」
「なんだよ落としてもいいのかよ!こっちは飛べないんだから頼むよぉ。」
「はいはい。」
「2人は仲がいいなぁ。大地がこんな変わっても前と全然変わらないね。僕はまだ抵抗あるよ。」
「すごい高いな。こんな高いところに来たの飛行機以外で初めてだよ。しかも丸出しで。」
「おっ!やっと源ちゃん話したな。大地が怖かったのか〜?俺は全然平気だけどな!」
みんなこんな上空で賑やかに会話をする。このあり得ない状況は理解してるはずだが、前の日常が戻ったみたいだ。これは嬉しいと思っていいのだろうか。
いや、そう思いたい。
守りたい。
僕の大切な友達を。
失わせはしない。
この日常も。
この非日常も。
大地の心情も少しずつ変わってきてます。より濃い形で。いずれ友達の詳細についても番外編で書きます。
スカーレット「最近我の出番がないのう。もう終わったのか?」
そう心配せずとも出てきますよ。
スカーレット「大地との信頼も取り戻したいものじゃ。」
頑張ってね〜。
スカーレット「それはこっちのセリフじゃ。」
はい…頑張ります。
ここまで読んでいただきありがとうございました!ではまた。




