大切なモノ
第36話です!それなりに残酷な描写ありです!
それではどうぞ!
僕は家に警察とか来ても入れないように結界を張った。面倒ごとはごめんだ。こんなことしたらさらに面倒臭いことになりそうだが、竜力使えばどうにかなるだろう。
分かっていながらも助けられなかったのが悔しい。でもまだ全てを失ったわけではない。まだ「友達」がいる。念入りに守ったつもりだが、やはり心配はする。
学校が見えた。母さんが殺されて気分が落ち込み、いつもより遅く飛んでいたが音速は普通に超える。だいぶ慣れたものだ。音速が遅いなんて感じ始めたからな。
良かった。友達は無事だ。あと「アレ」の方も。もう友達には全部言うつもりだ。隠してもいいことはないだろう。僕は竜の姿で屋上にいる友達に会ってみた。友達のために作った結界は解除した。
周吾「り、竜!?」
一「化物!!」
「ガァ……。」
周吾と一は今にも逃げ出しそうだ。あぁー、やっぱ言われると思った。予想はしていたものの言われると正直辛い…
啓介「違うぞ2人とも。多分こいつは大地だ。」
(は?、へ?)
さ、流石にここまで予想はしてなかったので動揺した。続けて啓介が言う。
「よく考えてみろよ2人とも。僕たちだけ厳重に保護されてる感じだし、お前達には聞こえなかったけど、大地は今この現場にいると言うことを聞いたし、何より僕たち4人に一番関係がある人物といえば大地しかいないだろ。」
「グゥ(啓介)……」
僕は竜化を解き人間の姿なった。色々質問される前に全部言った。ここ最近で起きたこと。人間食べたことも言った。それはみんなドン引きだったが、これのおかげで他の内容は伝わった。食人の刺激が強すぎたからかな?
だがそれでも質問責めにあったり、いちいち反応がうるさかったりした。それもそうだ。こんな非日常受け入れられるやつなんて二次元大好きオタクぐらいだろう。もっと他にもいるかもしれないが少ないことは確かだ。
そんなことより僕は、
「お腹すいたからなんか食べさせてくれない?」
一「でもお店が…」
「大丈夫。僕たちのクラスだけ守っておいたから。いる人たちだけで食べよう?」
僕にはこれが精一杯だった。できれば全部守りたかったが、仕方ない。そんなことをしたら本末転倒だ。敵の殲滅どころではなくなる。
その後僕たちは生き残った人たちを説得し集め、食事を提供した。しかし、あまりにも死者が多すぎた。生徒、保護者、先生、他校の生徒、関係者、だいたい4分の3くらいはいなくなった。衝撃波でズタズタになったり、顔や体が潰れてたり、瓦礫の下敷きになったり、炭になったり、死因は様々だ。学校や土地は簡単に直せるが、親が死んで生徒だけになったり、その逆だったり、人の死骸を見たり、この様々なトラウマは治せない。なのでショックで店に来なかった人がほとんどだ。
僕は焼きそばを食べた。美味しかった。とても。でも、涙は止まらなかった。友達が慰めてくれた。こんな自分に。変わってしまった僕に。
……ありがとう。
食べ終わった後この先について考えた。5人で。この竜力を使えばどんなに都合が悪くても都合を良くすることが出来る。要するに何でもありだ。僕の考えでは出ない意見を出してくれた。その中でも僕は2つ決めた。それはこの出来事に関わった人間の記憶を消すことだ。出来るかどうか別として結構な人数だ。大変な作業になるだろう。もしかしたらトラウマとか消えるかもしれない。後もう1つは友達の保護だ。今後も絶対狙ってくる。なので友達には常に竜が手出しできない結界を張ることにした。その他にも色々あるが、特に大事なのはこの2つかな。友達の家族が危なくなったら、僕の携帯に連絡を入れるように言った。
その後僕は家に帰った。死体だけの家に。案の定パトカーと警官がたくさんいた。家に入れなくてうろうろしていた。なので近くの公園で咆哮して注意をそらせ、その隙に家に入り、証拠も死体も全部全部消した。凶器、鋭利なもの、鈍器、仕事関係のもの、書類など処分し、現金のみ残し、綺麗にした。ここまで何もないと通報した人が勘違いしたみたいになるな。いや、あったわぁ。咆哮だぁ。でもまぁ、また謎で迷宮入りして終わりだろう。
僕は家を出て結界を解き、空からその様子を見た。
ここまで読んでいただきありがとうございました!ではまた。




