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竜の希望  作者: 猫☆ライフ
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変わった文化祭④

第34話です!だいぶ長めです!投稿遅くなってきました!見てる人いるかわかんないんですけど。ちょっと次は早めに出そうかな。

それではどうぞ!

『おいスカーレット!なんとか言えよ!』


『"なんとか"これでいいか?』


『ふざけてる場合じゃないよ!こっちは普通に真剣なんだよ!』


『分かった。終わったら話すつもりじゃ。だから今は……』


『前の敵に集中させろって?そんなことはどうだっていい!僕は嘘つきは大、大、大嫌いだ!スカーレットがそんなことするなら僕だって……!!』


 その通り。僕は嘘つきは大嫌いだ。超頑固な性格が災いしたのかこれだけは許せない。あと、時間を守らない奴も嫌いだ。隠し事をする奴も嫌いだ。つまりなんでも打ち明けられる正直な人しか僕は心を許さない。

 そして僕は体の制御を奪おうとするができない。なら()()から邪魔をするだけだ。


『何をしておるダイチ!力が出んぞ!そんなことをしても無意味じゃ!止めるんじゃ!』


 3匹が攻撃しにくる。スカーレットのさっきまでのスピードは無く、僕と同じくらいになった。しかもスカーレットには僕のように先を読む力に特化してない。あるのは戦闘の勘だけだ。ある程度は躱せるが、これなら敵の攻撃は当たるだろう。

 シューイとカレッドが左右から斬りかかる。それをスカーレットが下へ回避するがレナが待っていた。レナの拳がヒットする。


「グハッッ!!」


 胸にストレートが入りスカーレットが仰け反る。

 すると上から2匹が斬りかかる。当然急所の首元めがけて。スカーレットは素早く身を起こし間一髪で避ける。だが左の角が切られてしまった。そんなのどうってことないと思うが、それぐらいギリギリだったということだ。


「(全く何を考えておるのじゃ。そもそも竜力を操るなんて本当に常識はずれな奴じゃ。お主が()()()なんじゃから。どれだけ練習すればできるのかこっちが聞きたいくらいじゃ。それにしても困ったのう。このままだと我だけじゃ無く、ダイチの友達まで被害が及ぶ。説得せねば。)」


『お主、守りたいものはなんじゃ?』


『なんだよいきなり。そりゃあ友達とか母さんとかだろ。』


『ならこんな事をして何になるんじゃ?』


『それは…………』


『いいか?よく聞くのじゃ。もうこれから信用しなくていい。嫌ってもいい。じゃが!今だけはやめてくれないか。このままだと我も友達もどっちも守るどころではなくなる!人が死ぬのは見たくないじゃろう?』


『……分かった。その代わり体の制御を譲ってくれないか?』


『仕方あるまい……じゃあ行くぞ。』


 心臓がドクンと鳴る。体が…動かせる。戻ってきた。

 そして僕には考えがあった。かなり危険な賭けだが、不戦勝できるかもしれない。さっきまでスカーレットの竜力を操り、できる限り身体能力を低くしたつもりだがなぜか避けられた。これが意味する事は、相手に殺意がない。これに僕は賭けた。

 3匹とも攻撃を仕掛ける。僕は急所を避け、わざと攻撃を受けたように見せた。何度も何度も。もちろん攻撃はしない。敵に気付かせるのだ。僕にも殺意がない事を。というかできれば僕も殺したくない。

 だんだん僕の体はボロボロになっていった。スカーレットの命令を無視し、僕の信念を貫き続けた。鱗は剥がれ、爪が欠け、左の目が切られ開かなくなり、所々に切り傷が増え、至る所から出血した。どれもいずれ時間が経てば治るが、今は待つ時間などなく、体がだんだん動きづらくなってきた。それでも精一杯避け、精一杯当たった。

 しばらくすると3匹が集まって止まった。


「さっきから何をしているのです?もしかして私たちじゃあなたを殺さないとでも?随分舐めた真似をしてくれますね。それならとっとと終わらせてあげます!!」


 ようやく気づいたか。結構長かったな。あぁ、今度は本気だ、殺意がある。なんとなく分かる。人が怒った時もそうだが雰囲気が変わるくらい僕でも分かる。僕はもう避けるのを諦めた。これで全てが終わる。いや、分かるの間違いだな。

 剣が首元に差し掛かる。覚悟を決め僕の『予想』に賭けた。すると切られる寸前でピタリと止まった。僕の予想は当たった。レナが話し出す。


「私だって……私達だって!こんな事はしたくないんですよ!!けどやらなきゃいけないんです!!私達だって守るものがあるんです!!なのに貴方に情けをかけられこんな無防備にもなって……こんなのやれるわけないじゃないですか!貴方なんでしょう!?スカーレットを弱体化させたのは!もうそこから殺す気なんて……無くなりましたよ…………。」


 言い終わると剣が手から落ちると同時に涙が溢れる。他の2匹も慰めに来る。


「レナ……私も……辛いよ……。」


「もう…………やめようか。」


 シューイとカレッドが言う。こんなところで本当に申し訳ないが、僕に女心は一つも分からない。かける言葉はないが、事情でも聞いてあげよう。


「私達には、子竜がいるんです。だがヤツに連れ去られヤツの道具となってしまいました。そして炎竜神の抹殺を命じられました。失敗すれば子竜の命は無いと。けど失敗しました。おそらくもう殺されているでしょう……。そこで大地さんにお願いがあります。もう私達に生きる権利も生きがいもありません。私達の後始末を、頼みます。」


 他の2匹も頷く。どうやら3匹とも死を望んでいるようだ。気持ちは分からなくも無い。僕だって友達が人質にされ、母さんを殺せだなんて命令されたら、こうなってしまうだろう。まぁでも僕は復讐に走るかな。だってもう大事なものはないし、失うものはないからね。だが3匹の思いは裏切ることはできない。

 地面に降り立ち3匹の処刑を始める。なんとも気分が悪い。死刑の罪人裁くのってこんな感じだろうか。


「大地さん……どうかお気をつけて。ヤツは外道で卑劣です。」


 その言葉を最後に3匹の首を飛ばし竜玉を割った。その時僕はどんな感情をしていたか分からないが竜の咆哮を上げながら割った。


「グァァァァアアアアッッ!!」


 と。




ここまで読んでいただきありがとうございました!ではまた。

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