後悔
第29話です!超残酷な描写ありです!見る人はそれなりの覚悟を持って読んでください!
それではどうぞ!
グチャ……バキ……ゴリッ……ゴキッ……メシャッ……バキバキパキパキ……
『………チ!……イチ!!ダイチ!しっかりしろ!』
『あぁ?スカーレットおはよう。今ちょっと朝ごはん食べてたんだ。』
『何を寝ぼけたことを言っておる!前を見ろ!』
視界と意識が少しはっきりしてきた。真っ赤で前が見え辛い。なんだ今日の朝ごはんえらく大きいな。いや違う、これは!
この瞬間1つのけたたましい咆哮が鳴った。これは、これは、人の頭だ。僕は人としても竜としてもやってはいけないことをやってしまった。
『あ、あぁ、ああぁぁっっ、うわぁぁぁっっ!』
『落ち着けダイチ!意識が戻ったんじゃろう!』
『お、落ち着けるかよ!だって人を…食ったんだぞ!殺したんだぞ!僕が、人を……ハァッ!!…ハァッ!!…ハァッ!!!』
僕は脳みそ丸出しになった頭を放り投げた。僕の口は今血まみれだ。さらに意識がはっきりすると血の味がする。感覚が伝わってくる。手もべっとりしている。僕は気づかぬうちに竜化していた。涙が溢れてくる。ふと2人の死体を見てみた。片方は右足と左腕がない、そして腹から内臓が飛び出している。顔に切り傷が複数あり、見るに耐えない姿だった。もう片方は頭と両腕がない。辺りは血で染まっていた。無い部分は僕が食べてしまったのだろう。
すると足音が聞こえる。こっちへ向かってきている。さっき大咆哮したからだ。僕は直感でその場から飛び去った。目撃者の悲鳴が聞こえる。
(もう……たくさんだ……。)
両目から溢れんばかりの涙が出てきた。
だいたい飛び去って30分くらいが経過した。
『落ち着いたか?』
『…………。』
僕は人間形態に戻り、近くの浜辺の海水で血を洗い流していた。ちゃんと塩分は抜いた。炎竜は水を浴びると、竜力が流れ出てしまうので水を温め、お湯で洗った。まだ口の中から血の味がする。酷い気分だ、吐き気がする。吐いたら血が出てきた。これは僕の血ではない。他人のだ。手が震えてくる。まだ頭の中がぐちゃぐちゃだ。
『我のせいじゃ。もっと早く言っておけば、早く気づいておれば……お主をこんな間に合わせることなかったろうに。すまん……すまんダイチ。』
『スカーレットの気持ちは分かったから……もういいよ。とりあえず1人で考えさせてくれ。』
『分かった……。』
どうしようか。何しようか。どう償おうか。自首でもしようか。いろいろなことが頭に浮かぶ。もちろん一番の選択肢は自首して裁いてもらうことしか考えられなかった。けど僕は裁いてもらえるのだろうか?もう人間じゃないし。絶対ニュースになる。また不可解な事件として。だって、まず凶器がないし、凶器で傷つけられる怪我ではないし、証拠も一切ない。窃盗もしていない。関係者でもない。警察は犯人の目的すらわからない。犯人が僕なんて気付ける訳がない。
でも、1人だけいるかもしれない。母親だ。最近の意味不明な行動に対し多分疑われる。そうだ、とりあえず家に帰ってみよう。
「ただいま……」
「おかえりー、ってどうしたの?」
「ちょっと帰りにコンビニ寄ったら殺人事件に巻き込まれた。」
「それ本当なの!?大丈夫!?怪我はない!?」
どこまでもお人好しな人だ。まぁ、本当に犯罪者いても怪我なんてしないと思うけど。僕はそう言ったあと泣いた。この涙は恐怖の涙ではない。後悔の涙だ。
今日の夜ニュースを見た。僕の家の近くのコンビニで無残に人が殺され寝転がっているニュースだ。今日のやつだ。証拠はないと言ったが、1つだけあった。それは人が出せるような声でない咆哮だ。その咆哮は音声解析の結果、この地球上にいるどの動物にもは当てはまらないことが判明した。だが進展はそこまでだ。これもまた迷宮入りした。
「本当だったんだね。大地が生きてて良かった。犯人が近くにいるなら早く捕まって欲しいわ。」
「ほんとそうだよね。」
僕は必死に涙を我慢しながら2階へ行った。
今回は、結構グロいですね。自分でもうわぁってなりました。またこういうのきます。もっとグロさ強化するかもしれません。でも頑張ります!
ここまで読んでいただきありがとうございました!ではまた。




