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200 告白

 食堂に緊張感が漂う。


 皆が箸を止め、俺たちの様子を見守り、

 ソプラとシフォンちゃんは顔を紅葉させながらコソコソ話をしてる。


 ちょっと待ってソプラ!? 俺、告白されちゃうんだよ!? なぜ楽しそうにしてるの!?


「あの……試合に勝ったら言おうと心に決めてたんッスけど」


 あわてていると更にマースが一歩迫ってくる。


 その表情は真剣そのもの。さっきの試合でサヨナラヒットを打つ時以上ではなかろうか!?


 ちょっと待てマース! 確かに同じグランドで汗水垂らしながら苦楽を共にし、同じ釜の飯を食べた仲だが、よく考えろ!!


 今、お前が告白しようとしてるのは見た目は可憐で、活動的で、料理も美味い魅力的な女の子だが……10歳なんだぞ!?


 お前成人してるよな!? いけませんよ!? 事案ですよコレは!?


 投球練習してる時、チラチラ見てる視線は知ってたけどさ、法がそれを許しちゃくれませんぜ!?


 てか俺は身体は女の子だが、中身は完全なる男だ!! すまないが、何があっても告白は断らせてもらう。


 ただ、なぜドキドキするんだ!? あれか!? 前世から数えても告白された事など0だからか?


 それとも、さっきの試合でカッコよかったマースに少なからず心惹かれたとでもいうのか!?


 いや違う!! 俺はソプラ一本の芯のある男の中の漢!! こんな突然の告白など……高鳴るな心臓ぉおおおおおお!!


 そんな思考が高速で頭を駆け巡る中、ついにマースが重い口を開く……。


「アルトちゃん……」

「は、ひゃい?」


























「ムート君を触らせてほしいッス!!」

「ごめん!! 俺には心に決めた大事なソプ……ラ……ん?」


 あれ? 聞き間違いか? 思ってたのと違う告白きたんだけど?


「え? ごめんマース。なんて?」

「あ、だから……あの、アルトちゃんの召喚獣のムート君を……触らせてほしい……ッス」


 更に顔とシッポを染め上げるマース。どうやら俺の聞き間違いではないようだ。


「うん……いいけど」

「本当ッスか!? やった!! やったッスーー!!」


 さっきまでとは一転、子供のようにはしゃぎ始めて一目散にムートの元へ走っていくマース。

 いったいどうしたというのだ?


「ごめんねアルトちゃんビックリした?」

『クックゥ』

「ソプラ!?」

「マース君、大のドラゴン好きらしくて、ムートちゃんの事初めて見た時からずーっと触りたかったんだって」


 ドラゴン好き!? 何それ!?


 あっけに取られていたらみんなが集まってきて色々と説明してくれた。


 マースは根っからのドラゴン好きでムートが初めて召喚された時などは、近くで見ようと逃げる民衆を掻き分けながら向かって行ったそうだ。


 しばらくして宅配便の仕事を始めると、空飛ぶムートを眺めては興奮していたのだという。


 そしたら、その憧れのムートが俺と共に魔球をする事になって嬉しくて仕方なかったが、いざ目の前にすると中々言い出せなかったのだそうだ。


 食事に夢中なムートを触りながら目をキラキラさせているマースを見ると本当なんだなと理解した。


 なるほどなるほど、よくわかった。マースよ……。


「俺の心を、もてあそびおってぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」


「え!? なんッスか!? アルトちゃん!? ちょっまっ!? うわぁあああああああああああああああああああああ!!」


 祝勝会は大いに盛り上がった。

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