199 閉会式の後は
俺たちはボロボロのユニフォームを着替えて閉会式が行われるグランドへと向かった。
さっきまでの死闘の後は綺麗に整備され、興奮冷めやらぬ観客達が今か今かとざわついている。
『お待たせ致しました。これより閉会式を執り行います。両チーム……入場!!』
割れんばかりの歓声が降り注ぐ中、俺たちはベンチから駆け出してホームベースを挟み横に整列した。
ふと、ジャビッツの表情が見えたが青ざめた様子で酷く絶望感が漂っていた。
よし、その表情が見たかったのだ! 性悪かもしれないけどスカッとした。
式が進んでも鳴り止まない拍手と喝采。なんだかナカフ音楽祭で優勝した時を思い出す光景だった。
そして、会場のキャビナスコールが降り注ぐ中でチーム全員でグランドを一周。
カウウが俺とマースを目立つようにと肩車してくれたのはちょっと恥ずかしかったけどね。
閉会式は滞りなく終わり、俺たちは祝勝会の会場のハン・パナイ亭に向かった。
「おめでとうー! かっこよかったですよー♪」
「さぁ! お前らたんと食え食えー!!」
「「「「「「「「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」」」」」
ユーヤさんとサコさんが腕に寄りをかけて作ってくれた料理の数々テーブルに並ぶ。
みんなそれぞれターカ様に祈りを捧げてテーブルごと食いかねないほどに料理を平らげていく。
みんな余程お腹がすいたのだろう、凄い勢いだ。
それに引き換え……。
「サコさん! これおかわり!!」
『ぬぅ!? 貴様その肉は我のものだぞ!!』
「さっき私の魚食べたでしょ!? コレでおあいこ!」
『ぐぬっ!! 負けるかぁ!!』
「ぐむぅ!! もがもがぁ!!」
あっちはあっちでムートとターニャさんがフードバトルを繰り広げている……。
てかこっちは10人くらいで食べてるんだけど、消費スピードが大差無いってどうなってるんだ?
呆れつつも俺はサコさんの料理に舌鼓を打ちながら楽しい打ち上げを満喫する。
ミーシャは途中で向こうの監督と話があると言って出て行ってしまった。
大人の付き合いも大変だからね。こんな時は子供でよかったと思う。
しばらく皆んなと談笑してたらマースが真剣な顔で近づいてきてきた。
「アルトちゃんちょっといいッスか?」
「ん? どした?」
俺の顔を見るなり何やらモジモジ尻尾をいじるマース。
それをなぜかニヤニヤしながら見守る他面々。
ははーん、アルトちゃんわかったよ? わかっちゃったよ? コレ、告白タイムってやつじゃない?
……って、ここで? えぇえええええええ!?
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
年末年始の忙しさがここまで長引くとは……今年もよろしくお願いします。
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