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173 応援もド派手に!!

「3球ノックアウトだと!? お前らふざけんなよ!!」


 ジャイオンズのベンチ内で椅子を蹴り上げ、俺の怒号が響く。


 なんなんだあのガキは!? 規格外すぎる!!


 アホみたいに練り込まれた魔力量、奇抜な投球フォーム、正確なコントロール。


 なぜあれほどの魔力を込めながらピンピンしてやがる。プロ魔球選手でもあそこまでの魔力を込められるのは一試合に一球が限度。


 たから余程の大事な場面でもない限り投げる事ができない球のはずなのに……。


「ジャビッツよぉ。確かに最初は舐め切っていたが、あのガキの球は本物だぜ」


「あぁ、ノックアウトくらってやっとわかったが、球の速さはお前の方が断然早い。しかし、重さが他のプロ魔球選手と比べても段違いだ」


「おい、ガーディアン達もアップしとけ! あの球は生半可な身体強化じゃ受けきれないぞ!」


「うるせぇ!!!! 黙れ!!!!」


 再びの怒号で鎮まりかえるベンチ。


 どいつもこいつもたった3球でビビり散らかしやがって、腰抜け共め!


 ただ、こんな中でもベンチの端に座ったまま動こうともしない監督からはただならない気配が漂っていた。


「チィッ!!」


 俺は奥歯を噛み締めキャビナスベンチの方を睨みつける。


 マース共が生き生きした面で円陣組んでやがる。


 調子に乗るなよお前ら!! 見てろ! その胸糞悪い面を叩き潰してやる!



 * *



『一回の裏、チームキャビナスの攻撃は……一番、ピッチャー、アルトちゃん!!』


 ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!


 風魔法で拡散されるウグイス嬢のアナウンスと観客の大歓声の中、打席に向かう俺は感動していた。


 さっきの投球のおかげだろうか? 試合前には罵声しか聞こえてこなかったがチラホラと応援してくれる声が混ざってきていたのだ。


 ソプラ達の応援だけでも嬉しいけど、他の観客から応援してもらうってのも良いもんだなぁ。


 転生前でもこんな大舞台で試合なんてする事無かったからアルトちゃんちょっと感動だよ。


 そんな盛り上がりの中で守備位置につくジャビッツは苦虫を噛み潰したように俺を睨んでくる。


 おーおー怖い目でこっちを見ていらっしゃるわ。


 まさか3球ノックアウトになるなど夢にも思って無かっただろうね。


 でも正直、まともに正攻法で戦っても勝ち目が無いのは明らかだ。


 いくらミーシャに鍛えられたからと言っても元々8軍だった選手だし体つきも全く違う。


 さっきの3球ノックアウトみたいな奇策を織り交ぜていかなければ負けてしまう。


 だから……。


 今までに無い作戦や手法をバンバン使って攻略させてもらうぜ!!


 俺はニヤリと笑い、持っているバット代わりの剣を高々と突き上げた!!



 * *



『ぬっ!! ソプラよ!! アルトからの合図だ!!』

「うん!! 皆さーん!! よろしくお願いしま〜す!!」


 私はアルトちゃんから教えてもらっていた作戦を実行に移しました!!


「「任せて!! 祈りを込めて歌うわ」」

「お嬢の晴れ舞台だ! 死ぬ気で演奏するぞお前ら!!」

「「「「「「「「「「うぉおす!! 了解!!!!!!」」」」」」」」」」


 ドンッドドッドンッ!! ドンッドドッドンッ!!


「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」


 軽快なドラムと管楽器が奏でる曲をムートちゃんがスピーカーを使って球場全体に響き渡らせ、お客さんや選手の皆さんがどよめき始めていきます。


 歌い手はキーキさんラーラさん。演奏してくれてるのはナカフ音楽祭の決勝で戦ったアニマさん率いる暗黒爆鬼(シャドウブラスト)の人達。


 アルトちゃんがキーキさんラーラさんを誘っていたらアニマさん達が「面白そうだから俺たちも混ぜろ」って言ってきたんだって。


 なんでも、音楽祭以降のアニマさん達は献身的なターカ教信者になったみたいで、お布施や食料を持ってきてくれるし子供達にも大人気みたい。


 そしたらアルトちゃんの悪い癖が発動。


 その場のみんなで『バハムートオーケストラ』って言う楽団を結成して今日の試合中に演奏するという事になったんだって。


 コンサート会場でも無い所で演奏なんかして大丈夫?かと思ったけど周りのお客さんはすごく楽しそうにしてる。


 全然知らない人が音楽のノリに合わせてチームを応援する一体感はなんだかとっても気持ちいいね!


「あははは!! アルトちゃんらしいド派手な演出だね!! 私こう言うの大好きだよ!! ひゃっほーう♪」


「わっわっわっ!! ターニャさんあんまり飛び跳ねるとパンツ見えちゃうよぉ!」


「これは滾りますわ!! かっ飛ばせー!! ア・ル・ト!!」


 アルトちゃんのアイデアの豊富さと実行力は凄いけど、わたしもついていくのがやっとだよぉ。


 だから、負けないくらい頑張って応援しなきゃね!!


『ヌハハハハハハハ!!!! 戦いの始まりだ!! 盛大にゆくぞぉ!!』


 アルトちゃんが打席に入り攻撃が始まった!!

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