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156 ウー君

「てめぇ! 何者だ!?」


 おかしい、先に飛び出したマースの姿がない。もしかしたらこいつに……!?


 凶悪そうな見た目の獣人を見上げながら拳を握る。


 そいつはこっちに気づいたみたいで、傷だらけの顔をググッとこちらに近づけてくる。


 怖ぇええ!! めっちゃ怖ぇええ!! 極道さんも顔負けするほどの見た目に角生えた獣人の迫力半端ない!!


『落ち着けアルトよ。こやつからは殺気も何も感じぬ』


「え?」


「アルトちゃん大丈夫ッス!! 見た目は怖いけど自分の仲間ッス!!」


 ムートの言葉で気を緩めると、マースが獣人の大きな手の中からひょっこりと顔を出した。


 マースそんなところにいたのか! てか手もでけぇ! いくら小柄だとは言えマースがすっぽり隠れるくらいの大きさだ。


「紹介するッス!!こいつはカウウ!! 人畜無害の優しい奴ッスよー!」


「よ〜ろ〜し〜くぅ〜」


 マースが紹介した後にっこり笑って挨拶してくれるんだけど余計に怖いんです。この人、見た目詐欺にもほどがあるぞ。


「ところで、どうしたんッスかウー君!? こんな町外れまで?」


「マースが〜なかなか帰ってこないから〜匂いをたどって〜探しにきたんだよぉ〜」


「あぁそうだったのか、心配かけてごめん。ジャビッツさんのお叱り受けて意識失ってたら、この子に助けてもらったんだ」


「そぉ〜だったのか〜マースはよくお叱り受けるから〜心配だったんだ〜。助けてくれてありがとう〜」


「おっおう……どういたしまして」


 ウー君がこっち見てにっこり笑うんだけど余計に怖い。でも仲間思いのいい人ってのは、マースとのやり取りでなんとなく察しがついた。


 ふぅと一息ついて警戒を解くと。


「わぁ、おっきい獣人さん!」

「キャー!! この獣人なんですの!?」

「お願いアルトちゃん!! ここで暴れないで!! お店潰れちゃう!!」


 柱を支えていたみんなも外に出てきて各々の反応を見せる。


 そうだよね、この大きさと見た目なら驚くよね。てかユーヤさん? 暴れるのを諌める対象が俺ってどう言う事!? アルトちゃんはウー君より暴れん坊じゃないよぉ?


「わあ〜女の子いっぱ〜い……ふ〜ん、マースぅ?」


「ウー君なんッスかその顔!? っち!! 違うッスよ!? 何もないッスよ!? 変な勘違いしてないッスか!?」


 ウー君のしたり顔に顔を真っ赤にしながら焦るマース。


 怖がる美少女3人に状況の説明をする俺とムート。


 お店の前はウー君の見た目も相まって何事だ? と人が集まり出していた。


「こりゃ一体なんの騒ぎだ……?」


 そして、そんな俺たちの光景を見て唖然とする買い出しを終えて帰ってきたサコさんであった。

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