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155 地響き

「え? え? この子なに言ってるッスか!?」

「アルトさん、ガツンと言ってやるって誰に何を言うつもりですの!?」

「まさかジャビッツ様に何かしようってんじゃ!?」


 突然の発言に目を丸くして驚くマースと、俺がジャビッツに何かやらかすのではと掴みかかってくるシフォンちゃんとユーヤさん。


 おおう……そんな怒らないで下さい。俺何もしないよぉ? ちょっとアレするだけだから。悪いことなんてしないよ?


「みんな落ち着いて! いつものアルトちゃんのおかしな言動だよぉ」


 ソプラが間に入って場を落ち着けようと宥めてくれる。


 俺のピンチを救ってくれるソプラ。前はこんな状況でも見てるだけだったのに成長したなぁ。アルトちゃん嬉しいです。


 でもさ、庇ってくれるのは嬉しいんだけど、それはフォローしてるの!? してるんだよね!? そうだよね!?


 とりあえず気持ちを落ち着けるように一息深呼吸をして、改めてマースに向き直る。


「だいたい考えてみろよ! 元はと言えばジャビッツが道具忘れなきゃマースがこんな仕打ちを受けることなんて無かったんだぞ!! 何が一軍の言うことは絶対だ!! 完全に八つ当たりじゃねぇか!! 違うか!?」


「うっ……それは」


 俺がビシリとマースの鼻先に指を突き立て言い放つと、マースはたじろぎ目を逸らす。


 その反応、やっぱりマースも理不尽だとは思ってたんだな?


「ほらな、本当は納得してないじゃん。だから俺が代わりにビシッと言ってやるって言ってんだよ」


「ちょっ!? ちょっと待つッス!? 気持ちはありがたいッスけど女の子一人でなんとかできる相手じゃ無いッス!!」


 マースが俺の腕を掴み必死に止めようとしてくる。


「いいんだよ、ちょっと文句言うだけだから……おい、ムート行くぞ」


 止めようとする手を振り解き、俺はスタスタと外に向かう。


『む? なんだ? 飯か?』

『クックゥ?』


 テーブルの上にくるりと身を丸めて寝ていたムートとクーちゃんがむくりと起き上がる。


 人間関係とは無縁のコイツらは呑気なもんだ……なんて思っていると。


「ん?」


 なんかパラパラと埃が天井から降ってきてる気がする。この店もボロボロだからなぁ。


 ……ドスーン……ドスーン。


 ふと耳をすますと、遠くから地響きのような音が聞こえてくる……これってもしかして?


「ん!? 何? 地震!?」

「地震にしては小刻みじゃないかしら?」

「はわわわわわ! お店壊れちゃう!」

「クーちゃんおいで!!」

『クックゥ』


 みんなも異変に気がついたようで、俺たちは急遽柱にしがみつき建物が倒壊しないように支えた!


 本当やばい!! ボロい店だから軽い揺れでも倒壊しかねない!! なんなんだよこの揺れは!?


 ズズーン……。


 一際大きい地響きが収まったと思った次の瞬間。


「おぉ〜い、まぁ〜すぅ〜」


 どこか間伸びした低い声が聞こえてきた。


「っ!? もしかして!?」


「あっ!! ちょっと待っ!!」


 耳をピクリと立てたマースが、突然店の外に飛び出して行った!


 俺もそれに続き店の外に出た!


「あぁ〜み〜つけたぁ〜」


「うぉ!? でけぇ!?」


 俺はそいつを見てすぐに戦闘態勢に入る!


 店の前には、頭に2本の角がある身の丈3mもありそうな獣人が立っていた。

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